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内向きの研究現場 世界に飛び込めば未来 ニッポンの革新力(3)

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  (日経新聞の画像と記事より)

世界2万以上の学術誌をデータベースに収める学術出版大手エルゼビア(オランダ・アムステルダム)。
企業や大学の論文に各国政府機関がイノベーションの糸口を探りにくる。
日本経済新聞は同社と協力し、知の勢力図の分析を試みた。

新たな産業革命をもたらす人工知能(AI)研究。
論文の質の高さを表す引用数(2012~16年)は1位が米マイクロソフト、2位はシンガポールの南洋工科大学、3位に中国科学院となった。
100位以内に米国は30機関、中国も15機関を数える。
日本は東京大学が64位に入っただけだ。

日本低迷の一因を探ると国内に引きこもる研究者の姿が見えてきた。
日本は他国と共同でまとめた論文の割合が21%と主要国で最低水準。
シンガポールの65%や米国の33%、中国の24%に劣る。
優秀な研究者ネットワークの蚊帳の外だ。

AIのような最先端研究は、各国の研究者らが議論を戦わせて進歩を競う。
海外の他流試合を避けていたら「最新情報が入らず、世界から取り残される」と林幸秀・科学技術振興機構上席フェローは危ぶむ。

1980年代からの研究投資が実り、日本のノーベル賞受賞者は00年以降に17人と米国に次ぐ2位。
「欧米並みに研究機器が充実し、日本で十分」となり、海外滞在が1カ月を超す研究者は00年度の7674人をピークに15年度は4割減った(文部科学省調べ)。

「任期付き研究職が増え、出国は就職に不利」との不安も拍車をかける。
世界とますます隔絶される「ガラパゴス化2.0」が進む。
医薬品などハイテク産業の貿易収支の割合は11年に入超に転じた。
革新を呼ぶ知の鍛錬で立ち遅れる。

生命の設計図となる遺伝子を自在に書き換える「ゲノム編集」技術。
ノーベル賞確実とされる技術は日本人の発見が端緒となった。

九州大学の石野良純教授は約30年前、DNAに繰り返し現れる配列に気づいた。
この発見を機に12年、米国とドイツの研究者が遺伝子を簡単に切り貼りできる方法を考案した。

石野教授は16年まで仏パスツール研究所に1年間招へいされた。
「20年ぶりに実験ができたのが一番楽しかった」。
日本の研究者は会議や学生指導、予算申請に忙殺される。
「世界と勝負するときに研究時間が割かれる。これでは画期的な成果は生まれない」

大学教員の研究時間は国立大法人化を経た約10年間で11ポイント減り、職務時間の35%に下がった。
かねて優れた研究者を支えた国内の環境もほころびが出始めた。

6月、パリ市内でスタートアップ企業が集う展示会でマクロン仏大統領が訴えた。
「フランスはAIやデジタル化などで先駆者になる」。
22年までに行政手続きを全てオンライン化する。
改革に93億ユーロ(約1兆2400億円)を投じる。

財政赤字で公務員削減など大幅な歳出カットを求める中、「デジタル革命」には異例の予算規模で臨む。

情報や生命工学の新技術が今後10~20年で世界を劇的に変えると各国は確信している。
日本が世界に伍(ご)してイノベーションを競うつもりなら、国内に引きこもっている余裕はない。

by mnnoblog | 2017-11-16 08:08 | 産業

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