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2016年 05月 23日 ( 1 )

厚生労働省の分割論

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    (日経新聞”大機小機”の記事より)
自民党内で厚生労働省の分割論が浮上している。
2001年の中央省庁再編は、縦割り行政の防止と内閣機能強化を目指した。
しかし、現実には巨大な官庁による業務の効率性低下の弊害が深刻となっている。
特に厚生労働省の業務は、膨張する社会保障費への対応、成長戦略のコアである労働改革、災害時の緊急対策など幅広く、これを一人の大臣が所轄するのは限界がある。

国会の厚生労働委員会は常に満杯で、重要法案の審議も進まない。
こうした実情から昔の労働・社会保障への2分割論、さらに子育ても含めた3分割論が出ている。

しかし組織の分割は、本来、中長期と短期の政策の差に対応することが必要だ。
長期の政策の典型は公的年金である。
高齢化社会で増え続ける高齢者の年金費用を、減少する勤労世代に負わせる現行方式のリスクは高まる一方だ。
また毎年の年金給付額を社会保険料で賄えず、一般会計からの補助金に依存している。
その膨張が慢性的な財政赤字を通じて国の債務の持続的拡大の主因となっている。

公的年金を運営する厚労省年金局は、事実上は国営の年金保険会社である。
旧簡保のような独立の事業体ではないため、選挙のたびに「給付は多く、負担は少なく」のシルバー民主主義に翻弄されてきた。

保険会社の基本は保険給付と保険料収入の均衡化にある。
また後の世代への負担先送りを防ぐには、国民の老後の資産を守る年金保険財政の透明化、支給開始年齢引き上げなどの改革、およびその監督責任の強化が不可欠である。

民間保険会社は金融庁が監視している。
米国にあるような政府の年金保険財政の経営の健全性をチェックする独立機関は日本には存在しない。
年金保険を厚労省が自ら運営する結果、非現実的な経済前提の基づき年金積立金が膨れ上がるという「100年安全年金」の看板は維持されたままだ。

年金保険の問題点は、単年度決算で企業や地方自治体が保険者の医療・介護保険と対比される。
これらの公的保険の赤字は明確で、それに対応して診療・介護報酬が調整される。
問題は国が直営する年金保険の透明性の欠如だ。
監督責任を明確にするため、年金保険組織の分離独立が必要とされる。
by mnnoblog | 2016-05-23 08:40 | 政治

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