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2017年 03月 06日 ( 1 )

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  (ロイターの画像と記事より)

年金生活者のディミトラさんは、食料配給に頼る生活にまで落ちぶれるとは想像もしていなかった。
今月は、コメ、パスタ2袋、ひよこ豆1パック、デーツ(ナツメヤシ)と牛乳1缶を受け取った。

かつては赤十字の給食施設で生活困窮者の支援に当たっていた73歳のディミトラさんは、ギリシャで増加している生活困窮者の1人だ。

数十億ユーロを投じたギリシャ救済から7年、貧困の状況はまったく改善されていないどころか、欧州連合(EU)のどの国よりも悪化している。

ローバル金融危機とその副次的な影響により、ユーロ圏の4カ国は国際融資団に頼らざるをえなくなった。
アイルランド、ポルトガル、キプロスはいずれも救済を受けたが、救済が終わった後、これら諸国の経済は成長を再開した。

だが2010年にいち早く救済を受けたギリシャは、その後も3次にわたる救済を必要とした。

EUと国際通貨基金(IMF)が供給した救済資金により、ギリシャは破綻を免れたが、国際債権団が課した条件である財政緊縮や改革政策の影響もあって、景気後退は本格的な不況へと転じてしまった。

世論調査での支持が低迷する左派主導政権を率いるギリシャのチプラス首相は、追加支援に反対している債権団との長期交渉の最新段階において、ギリシャ国民の苦境を大義名分にしようと試みた。

「欧州の名の下に略奪を受けた国家に対して、そしてこれほど多くの犠牲を払い、今も払い続けている国民に対して、私たちは皆、注意を払わなければならない」とチプラス首相は今月語った。

巨額の救済資金の多くは、過去の債務の返済に充てるための新規債務という形になっている。
だが、生活水準の崩壊の責任は誰にあるかはさておき、EU統計局からの貧困状況を示す数値には驚かされる。

ギリシャはEU内の最貧国ではない。
貧困率はブルガリアとルーマニアの方が高い。
ギリシャは、この2国からさほど差のない第3位にある。
EU統計局のデータによれば2015年、ギリシャ全人口の22.2%が「物質的に深刻に困窮」している。

また、世界金融危機が発生した2008年以降、旧共産圏のバルカン諸国において貧困率の数値が低下している(ルーマニアの場合は約3分の1低下した)のに対して、ギリシャの貧困率はほぼ2倍に上昇した。
この時期、EU全体の水準は8.5%から8.1%に低下している。

こうした統計が示す状況は、ディミトラさんが毎月の配給を受けるアテネが運営するフードバンク(無料給食施設)のような場所に色濃く反映されている。

ここでは、何十人ものギリシャ国民が、配給を受けるためのチケットを握りしめて粛然と待っている。

皆、月約370ユーロという貧困ライン以下の生活にあると登録された人々だ。


このフードバンクの登録者は約1万1000世帯(約2万6000人)で、2012年のわずか2500世帯、2014年の6000世帯から大幅に増加している。

約5000人は子どもだ。


ここにある倉庫の棚や冷蔵庫の多くは空だ。フードバンクによる配給の内容は支援企業からの寄付次第だが、これらの企業もやはり経営に苦しんでいる場合が多い。


経済開発協力機構(OECD)などの国際機関は、ギリシャ政府に対し、貧困や格差対策を優先するよう促している。


失業率はピーク時の28%から23%へとわずかに低下したが、依然としてEU内で最悪の水準に留まっている。

危機が始まって以来、ギリシャ経済は4分の3の規模に縮小し、何千社もの企業が倒産した。


今年は経済が上向くのではないかという期待が強いものの、先週発表されたデータでは、2四半期連続で成長が続いたあと、10─12月期には再び後退に転じた。

生活水準の改善となると、これまで以上に遠い夢だ。


経営者団体のGSEVEE及び世論調査会社マルクの調査結果によれば、昨年は75%以上の世帯で所得が大幅に減少した。

少なくとも1人の失業者を抱える世帯は全体の3分の1、食費を削らざるを得なかったと回答した世帯は40%に及んだ。


グリーク・オンブズマンによれば、水道・光熱費の支払いに苦しむ人の数が増えているという。


「誰もが苦しんでいる。すべてのギリシャ人が」。

ギリシャ正教会が運営する給食施設でボランティアとして働く61歳の元教師Eva Agkisalakiさんはそう漏らす。


彼女には年金受給資格がない。救済プログラムに基づいて定年退職年齢が67歳に引き上げられたときに契約が切れており、次の仕事を見つけられなかったからだという。

やはり国際債権団が要求する改革に基づいて、夫の年金は980ユーロから600ユーロに削減されたが、その一部は息子や娘の家庭への仕送りに回している。


ボランティアの見返りとして、彼女は給食施設からの配給を受け取り、それを失業中の娘や息子と分け合っている。


「私たちは何もしていない」。

「ただ生きているというだけ。ほとんどのギリシャ人は、ただ生きているだけだ」と彼女は語った。



by mnnoblog | 2017-03-06 08:10 | 国際

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