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カテゴリ:社会( 132 )

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  (日経新聞の画像と記事より)

マレーシアから偽造クレジットカードを持ち込み、ブランド品をだまし取る事件の摘発が相次いでいる。

中国系の組織がカード犯罪対策の遅れた日本に目をつけ、短期滞在査証(ビザ)の不要な国から集めた実行役を入国させる手口。
インバウンド(訪日外国人)の受け入れが進むなか、偽造が難しいとされるICチップ付きカードの普及を求める声が強まる。

関西国際空港で2月、大阪府警が複数の偽造カードを国内に持ち込もうとしたマレーシア人の男を不正電磁的記録カード輸入の疑いで逮捕。
カードには男の氏名が刻まれる一方、カード番号や有効期限などは第三者の個人情報が記録されていた。
男は入国の目的について「カードで高級ブランド品を購入しようとしていた」と供述したという。

経済産業省などによると、カードには情報を磁気テープに保存する種類のほか、ICチップに記録するタイプもある。
IC式のカードは情報を暗号化しているため、磁気式よりもカード情報を盗み取りにくいとされる。

IC式でのカード決済率(2016年12月~17年2月)は、欧州で99%、米国が47%である一方、日本は17%にとどまり、現在も磁気式が主流となっている。
府警が摘発した事件で押収したカードは、いずれも磁気式。

「店側は費用負担の面から、IC式に対応した読み取り端末の採用を敬遠しがち。
不正使用された場合の補償もカード会社が行うため、積極的にならない」(府警幹部)

こうしたなか、昨年末、カードの取扱業者にIC式カードへの対応を義務付ける改正割賦販売法が成立。
カード発行会社などでつくる「日本クレジット協会」は、20年までの全店舗導入を目標に掲げているが、店側が対応せずとも罰則規定はなく、どこまで普及が進むかは見通しが立たない。

情報セキュリティーの分野に詳しい岡村久道弁護士は「カード犯罪の手口は巧妙化が進み、安全対策の強化は急務。
大手のカード会社が歩調を合わせ、磁気式からIC式への切り替えを一斉に進めるなど、思い切った対策が必要だ」としている。

一連の事件で大阪府警が摘発したマレーシア人らは多くが中国系の若者で、いずれもインターネット上に書き込まれた求人情報に応じる形で入国していた。

捜査関係者によると、逮捕されたマレーシア人らの多くは、日本に入国し高級ブランド品を購入する前、いずれもネットで「無料で観光ができる」「高収入が得られる」といった書き込みを見ていた。


その後、書き込みをしたとみられる人物から対話アプリで、大きなキャリーバッグを買い、入国後は磁気式カードを使える百貨店や免税店を訪れたうえで、高級ブランドのカバンや時計を“爆買い”するよう指示を受けていたという。


外務省によると、中国人が日本に入国する場合、滞在期間や目的を問わずビザが必要だが、マレーシア人は2013年7月以降、短期滞在で活動が無報酬などであればビザは必要なくなった。


府警は「犯罪組織が中国系のマレーシア人に観光客を装わせて犯行を続けてきた」(府警幹部)とみている。


by mnnoblog | 2017-09-18 08:38 | 社会
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  (日経新聞の記事より)

文部科学省は5日、小学校と中学校の9年間の義務教育を一貫して行う「義務教育学校」の2017年度の新設が国公立26校だったと発表した。

制度化された16年度より4校多く、合わせて48校となった。
18年度以降も国公立で52校の新設が予定されている。

義務教育学校は地域の状況に応じて学年の区切りを従来の「6・3」だけでなく「4・3・2」や「5・4」などに柔軟に変えられる。

校長は1人で、教員は原則小中学校の両方の免許が必要だ。
中学進学時にいじめや不登校が増える「中1ギャップ」の解消や、学力向上を狙いとしている。

3月に全国の自治体を対象に調査した。
同時に実施したアンケートでは小中一貫教育に「課題が認められる」と答えた割合が50%と前回(14年)より24ポイント低下。

文科省は、指導計画を作るノウハウなどが共有され「円滑に導入できるようになってきた」とみている。

by mnnoblog | 2017-09-13 08:42 | 社会
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  (日経新聞の画像と記事より)

政府は現在60歳の国家公務員と地方公務員の定年を65歳に延長する検討に入った。
2019年度から段階的に引き上げる案を軸に調整する。

公務員の総人件費を抑制するための総合策もあわせてつくる。
少子高齢化が加速するなか、労働人口を確保する。政府が率先して取り組むことで、企業への波及効果も狙う。

国家公務員の定年は国家公務員法で原則60歳と規定している。
業務に重大な支障を及ぼす場合などには最長3年の勤務延長が可能だが、多くが60歳にとどまっている。
地方公務員も各自治体が国の制度を基準に条例で定めており、事実上、60歳が定年だ。

65歳への引き上げを軸とするのは、公務員の年金制度にあわせるためだ。
支給開始の年齢は13年度から25年度にかけて65歳に段階的に引き上げる予定だ。
定年が60歳のままだと定年後に年金を受けとることができない人が多く出る恐れがある。

引き上げにあたっては、国家公務員法で62歳と定める省庁の事務方トップの事務次官の定年延長も議論する。
事務次官の年齢があがると局長や課長などの年次で構成する霞が関の官庁の人事制度全体も修正が避けられなくなる。

課題は公務員の総人件費への対応。
単に定年を延長するだけでは、公務員の全体数が増えて総人件費が膨張する。
この事態を避けるため、人件費抑制に向けた総合対策もつくる。

職員全体に占める割合が年々増えている中高年層の給与の減額案が中心となる。
60歳以降は管理職から外す「役職定年制」の導入で60歳以降の給与水準を下げたり、中高年層の給与水準を全体的に低く抑えたりする手法が浮上している。

定年延長には、民間への影響も計算する。
高齢者雇用安定法は企業に65歳までの雇用確保を見据え企業に定年廃止、定年延長、再雇用の3つの選択肢を求めている。

現時点では再雇用を選択する企業が大半。
厚生労働省の調査によると、定年を65歳以上としているのは16%、定年制を廃止しているのは2.7%にとどまっていた。

25年度に団塊の世代がすべて75歳以上になると、国内の労働人口の目減りはさらに加速しかねない。
政府は働き方改革や生産性の向上を進めることで人手不足を補おうとしてきた。
労働力を効果的に増やすには、定年延長もあわせて考える必要が指摘されていた。

by mnnoblog | 2017-09-07 08:33 | 社会
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  (REUTERS の画像と記事より)

製薬会社は長年にわたり鎮痛剤を販売しており、そうした薬品を扱うディーラーや密輸業者が暗躍する闇市場は、活況を呈している。

だがその一方で、鎮痛剤中毒を巡る米国の経済活動は、社会の中心にまで広く浸透している。

米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)の王者を決める「スーパーボウル」では、鎮痛剤のオピオイド摂取による便秘の治療薬が宣伝される。
ニューヨークの駅には、中毒を治療する薬剤の広告がたくさん貼られている。
リハビリ施設や警備会社、刑務所、そして葬儀場も、この国を飲み込む悲劇から利益を得ている。

今や、ペット用薬品のオンライン小売業者までが、この危機に乗じて利益を上げていると非難される事態となった。

アメリカ疾病予防管理センターの調査によれば、鎮痛剤乱用による2013年の経済損失は785億ドル(8兆6043億円)に上った。

医療費と薬物中毒の治療費は280億ドルに達し、そのほとんどが保険で支払われた。
捜査・裁判費用は約80億ドルだった。
その他の損失は、ほぼすべてが生産性低下と、若年死によるものだ。

現在の数字はさらに高いだろう。
2015年にはオピオイド乱用による死者は3万3000人を数え、2013年から3割も増加した。
そして、今も増加を続けている。

米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長はこの夏、労働参加率の減少は、オピオイド危機と関連している可能性が高いとの認識を示した。

これは、不幸で稼ぐ経済だ。

連邦検察は昨年、鎮静剤のセールス方法を巡り、米製薬インシス・セラピューティクスの元最高経営責任(CEO)を含む幹部6人を脅迫罪で訴追した。

ペット用医薬品販売のペットメド・エクスプレスが、オピオイド常習者を対象にペット向け鎮痛剤をオンライン販売していた。

この国のオピオイド中毒のためにペットまで利用され得るという事態は、この危機がいかに深刻なものかを示している。
隅々にまで問題が浸透することで、社会の問題意識さえマヒしかねない。

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2016,4/23、WIRED の記事より

米国では、慢性痛の治療に使われるオピオイド系の鎮痛剤が乱用されており、中毒状態になっている者は190万人。
死亡者は1999年から2014年までで16万5,000人に上るとされる。

オピオイド系と呼ばれる鎮痛剤には驚くほどの常習性がある。
米国では鎮痛剤の使用および乱用が蔓延状態であり、米国政府の試算によれば、2013年にはおよそ190万人の米国人がこうした鎮痛剤の依存症だったという。

オピオイド系鎮痛剤はもともと、植物のケシからつくられた。
ケシの実から採集されるアヘンが、古来から麻薬として使われていたのだ。

20世紀はじめの米国では、アヘン中毒が問題になっていた。
当時の米国では400人にひとりがアヘン中毒であり、そのうち2/3は女性だったという。

1914年のアヘン規制法により、上流階級の白人女性でアヘン中毒になる人数は減少したが、非合法の利用は減ることはなかった。

その後も政府は規制の努力を続け、1924年、1951年、1970年にも、(ほかの麻薬も含めた)規制法が成立した。

しかしその一方で、製薬会社はアヘンからさまざまな鎮痛剤(オピオイド系鎮痛剤)を開発していった。
1804年にはモルヒネ、1832年にはコデインが作成され、1874年には、モルヒネからヘロインもつくられた。

オピオイド系鎮痛剤は薬物依存になりやすく、米国では2000年以降にヘロインを乱用した者の75パーセントが、処方薬のオピオイド系鎮痛剤の乱用から始まったとされている

米国では処方薬として購入できるオピオイド系鎮痛剤が、日本では違法薬剤であることも多い。

たとえばオキシコドンは2015年6月、トヨタ自動車の女性常務役員が麻薬取締法違反容疑で逮捕された原因となった

by mnnoblog | 2017-09-03 08:56 | 社会
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  (NEWSポストセブンの画像と記事より)

日本に“新しい正社員”が大量に発生する事態が迫っている──。

2013年4月に施行された改正労働契約法18条では有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換できることを定めている。

つまり2013年4月に契約更新した1年契約の有期契約社員が6年目の契約更新を行えば、会社の承諾なしに無期転換申込み権が発生し、本人が希望すれば会社が定める正社員と同じ定年(定年後再雇用も含む)まで雇用が保障されることになる。

パート・アルバイト、派遣などを含む有期契約社員は全国に約2000万人もいるが、そのうち3割が5年を超えている。
2018年4月以降は一挙に600万人の無期雇用社員が誕生する可能性もあり、その後も順次増えていくことになる。

だが、一般的に定年まで雇用が保障されている人を正社員と思いがちであるが、この人たちは普通の正社員ではない。

法律上は無期雇用になるといっても給与や職務、勤務地、労働時間などの労働条件はこれまでの有期労働契約と同じでよいとされている。

つまり、雇用は保障されているが、給与が上がり、賞与も支給する既存の正社員と同じ処遇にするかどうかは企業の考え方次第ということになる。

では実際に企業は無期転換にどのように対応しようとしているのか。

選択肢は
【1】正社員化(勤務地・職務・労働時間限定の限定正社員を含む)【2】処遇は従来と変わらない無期社員
【3】5年を前に雇止め
【4】転換の申込みを避けるための無期社員区分の設置
──などが考えられる。

厚生労働省としては雇止めの防止と限定正社員を含む正社員化を働きかけるための周知活動を展開しているが、現実の動きは正社員化と処遇はそのままの無期社員化という大きく二極化している。

大手小売業や外食・サービス業のように正社員を含めてパート、アルバイトの確保が非常に厳しい企業は正社員化の動きを加速している。

中には5年の無期転換を待たずに正社員に登用するなど囲い込みを図っている企業もある。

メーカー系など正社員が全体の9割超を占めるような企業は積極的に正社員化しようとはしない。
対象者が少ない企業は契約社員が無期転換を申し出たら無期契約にせざるをえないが、処遇は従来と何も変わらない形にする企業が多い。

また、東京を除く関東圏の中小・零細企業は最低賃金の給与を払っている製造業がたくさんある。
有期を雇用の調整弁だと思っている社長も多く、無期転換になったからといってちょっとでも賞与を上げるという発想はまずない。

全体としては8割の企業が無期転換後も処遇や働き方は有期と変わらないのではないか。

たとえば日本郵政グループは約20万人の有期社員を抱えるが、半数の10万人が5年超を占める。
同社は2018年4月を前に5年超の契約社員が2016年10月から無期転換の申込みができるようにした。
その結果、今年4月には数万人単位の無期契約社員が誕生することになる。

しかし、処遇面では正社員と同様の病気休暇の拡大と休職制度の導入など以外は給与面ではこれまでと変わらない仕組みだ。

そうなるとこのまま推移すれば2018年4月以降は、処遇がそのままの「無期正社員」が大量に発生することになるかもしれない。
これまで大きく有期契約社員と無期の正社員しか存在しなかったが、新たに無期正社員という雇用区分が自然発生的に誕生することになる。

職場には有期契約社員とは別に無期正社員と正社員以外に職務・勤務地・時間限定正社員という処遇が異なる社員が混在することになる。

社員の中から「あの人は私と同じ仕事をしているのにどうして給与が違うのか」という不満が発生し、職場が混乱する事態も発生するかもしれない。

それに拍車をかけるのが「同一労働同一賃金」原則の法制度化だ。
政府は有期契約社員など非正規の処遇向上を目指し、正社員との間に不合理な処遇格差を禁じ、企業に格差を説明する義務を課す法律を2019年にも施行する予定だ。
昨年末に政府が出したガイドライン案では有期にも賞与を支給することを求めている。

有期に賞与を支給するということは無期転換する人の処遇も同様に引き上げなくてはならなくなるが、企業の人件費コストは限られている。
そうなれば社員ヒエラルキーの最上層に君臨している“正社員”の給与を下げざるをえなくなるかもしれない。

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8/22、日経新聞

有期雇用で働く人が契約更新を繰り返し、通算5年を超えた場合、期間の定めのない無期雇用に転換できる労働契約法の「無期転換ルール」について、有期労働者の84.1%が内容を知らなかったことが、連合のアンケートで分かった。

ルールは2018年度から適用されるが、労働者から申し込むことが要件になっており、周知が課題になっている。

by mnnoblog | 2017-08-31 08:54 | 社会

こども保険を支持する

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  (日経新聞”大機小機”の記事より)

今年6月の骨太方針(経済財政運営と改革の基本方針2017)では「幼児教育・保育の早期無償化や待機児童の解消に向け(中略)新たな社会保険方式の活用を含め安定的な財源確保の進め方を検討」する、とされる。

この新たな保険方式とは、自民党の若手議員が提唱する「こども保険」のことで、年金保険料に上乗せして、幼児教育、保育の充実の財源にする構想である。
私は基本的にはこの構想を支持する。

第1に、こども保険がカバーしようとする幼児教育、保育の充実は日本にとっての最重要の課題である。

少子化対策という観点からも男女共同参画という観点からも、保育が中心的な課題であることは論をまたない。
幼児教育の重要性も近年、強く認識されつつある。

学習意欲や計画性、忍耐力などの有無がその後の人生に影響し、その能力は、幼児期のしつけ、就学前教育などによって育てられることが分かってきた。

第2に、他の財源案よりも優れている。
理想的には消費税率をさらに引き上げて財源とすべきだが、現実的に考えると、10%への引き上げさえこれだけ難航するのだから、さらなる引き上げを求めるのは相当難しい。

教育国債という新種の国債を出すという考えもあるが、将来世代の負担になるという点では従来の国債と同じである。

第3に、子育てへの「ただ乗り」を防ぐことができる。
日本の社会保障制度は、基本的には高齢者への給付を、同時代の勤労者層が負担するという賦課方式となっている。

すると、自分の子どもは持たずに、子育ての費用を回避し、老後は他人の子どもの稼得能力に頼るという生き方が(生涯コストを最小化するという点で)最も合理的な選択となる。

必ずしも人々が実際にそのように考えているわけではないにしても、経済合理的に行動することが世代間の不公平と少子化を招いてしまうような仕組みには、大きな問題がある。

こども保険は、こどもの有無にかかわらず子育ての費用を負担するから、こうしたただ乗りを防ぐことになる。

ただし、せっかく財源を確保しても、教育全般へのバラマキ的な支出につながってしまうのでは元も子もない。
財源と合わせて、使途についてもさらに議論を深めてほしい。

by mnnoblog | 2017-08-30 08:46 | 社会
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  (JBpress の画像と記事より)

米中両国間で本格的な「経済戦争」が始まる気配が濃厚になってきた。
最初の主戦場は日本にも関係の深い知的所有権の分野となりそうだ――。

米国のトランプ大統領は8月14日、中国による米側の知的所有権の侵害や窃取の実態を本格調査するよう米通商代表部(USTR)に命じた。
同大統領が選挙キャンペーン中から主張していた「中国の不正な貿易慣行の是正」を実行に移したのである。

トランプ政権は、一連の経済問題に関する中国への抗議を、北朝鮮核問題で中国からの協力を得るためしばらく棚上げにしてきた。
だが、中国からの協力は十分には得られないことが明らかになった。

そこでトランプ政権は、中国に対する経済や貿易面での年来の不満や苦情をいよいよ容赦なくぶつける姿勢を明らかにしてきたというわけだ。

トランプ大統領のUSTRへの命令は「中国による米国の知的財産の窃盗の調査」という覚書によって発せられた。
トランプ大統領はこの覚書を出すに際して、次のように中国を非難した。

「中国による米国の知的財産の侵害は毎年、米側に数百万人の雇用と数百億ドルもの資金の損失をもたらしている」

「これまであまりにも長い年月、米国政府はなんの対策もとらなかった。そのために、米国の知的財産という貴重な資産が不正な方法で中国などへ流出する結果となってしまった。もはやこんな状況を黙視することはできない」

米国が知的所有権に関して中国に抱いている不満は大きく2つある。

第1に、中国の官民が米国製品の特許や商標、デザインを盗用していることである。

第2には、米国のハイテク企業が中国に進出する際、中国政府に必ず中国側企業との合弁を義務づけられ、秘密情報を収奪されることだった。
いずれも中国の行いは、中国が加盟する世界貿易機関(WTO)の規則に違反する。

米国側によると、海賊版ソフトウエア、偽造品、模造品の製造、企業秘密の盗用などによって、米国企業全体で年間6000億ドルもの損害を受けており、そのほとんどが中国の仕業だという。

中国による米国の知的所有権の侵害の歴史は古い。
米国議会の対中政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」は2005年の年次報告書で以下のような調査結果を公表していた。

・中国で流通する著作権を有する業界の製品の90%以上は海賊版で、全世界の偽造品の70%ほどが中国製である。

・中国の偽造品は中国の国内総生産(GDP)全体の8%を占める。
2004年の中国のGDPは1兆7000億ドルだったから、偽造品総額は約1400億ドルとなる。

・米国企業は各分野において、中国側が製造する模造品、偽造品によって巨額の損失をこうむってきた。

・中国による偽造、模造は医薬品、計測機器、工業安全製品など人間の健康や安全に直接、影響する分野にも及び、その危険性はきわめて高い。

私自身も産経新聞中国総局長として北京に2年間駐在した期間に、中国の偽造品の洪水を実際に体験した。
北京の中心部では、米国ハリウッドの最新映画の海賊版のDVDやCDがタダのような安値で山ほど売られているのを頻繁に目撃した。

当時、中国に深く根差した偽造、模造の文化を取材して特に驚いたことの1つは、日本の大手電動工具メーカー「マキタ」の製品が、街を挙げて大々的に偽造されていることだった。
上海近くの人口30万ほどの余姚という街は、街全体で「マキタ」製品の偽物を製造して経済機能を保っているようなところだった。
市内に多数ある工場では、みな「マキタ」のドリル、カッターなどの偽造品を製造していた。
中国当局は何度も取り締まりをしたと発表するが、実態は変わらなかった。

第2に驚いたのは、ホンダのオートバイの偽物の多さだった。
ホンダは偽造メーカーを訴えていたが、裁判の進展はあまりに遅々として進まなかった。
大規模な工場で製造された偽物ホンダは大量に販売され、輸出までされていた。

米国の企業も、中国でのこうした偽造や模造の被害を受けてきた。
トランプ政権はついにここに至って根本的な調査と是正に乗り出したというわけだ。

トランプ政権が対中姿勢をこれほど厳しくした背景には、前述のように北朝鮮問題が複雑に機能している。
中国が北朝鮮への思い切った経済制裁措置をとらないことにトランプ大統領は業を煮やし、7月初めごろから中国への非難や要求を強めるようになった。
今回の知的所有権での本格調査の命令も、その流れに沿っているといえる。

8月18日に大統領首席戦略官の地位を追われたトランプ大統領の元側近、スティ―ブ・バノン氏も、つい数日前の米国メディアとのインタビューで、現在のトランプ政権にとって最も重要な案件の1つは「中国の不公正な貿易慣行の是正」だと強調していた。

実際にトランプ大統領の中国に対する批判や糾弾の声は、日に日に険しくなっている。
貿易面での中国攻撃はまだまだ鋭くなりそうである。
米中関係は確実に新たな対立の時代を迎えたともいえそうだ。

by mnnoblog | 2017-08-29 08:07 | 社会
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  (REUTERSの画像と記事より)

当せん者が出ず賞金額が高額に膨らんでいた米宝くじ「パワーボール」は、23日夜に行われた抽せんで、マサチューセッツ州チコピーに住む女性(53)が大当たりを出した。

金額は7億5870万ドル(約832億6000万円)となり、パワーボールでは1人の当せん者としては過去最高額。

パワーボールは毎週2回抽せんが行われるが、6月10日にカリフォルニア州の男性が当せんしてからは1等の当たりくじが出ず繰り越され、賞金が巨額に膨らんでいた。

当せんしたメービス・ワンジクさんは24日に会見し、過去32年間、病院に勤務していたが、大当たりしたことを受けて「(職場には)もう戻らないと伝えた」という。

ワンジクさんは、29年にわたり毎年分割で計7億5870万ドルを受け取るか、一度に4億4000万ドル超を受け取るかを選ぶ。いずれも課税前の金額。

今回の当せん番号は数字6、7、16、23、26とパワーボールの数字4だった。

マルチステート宝くじ協会によると、全てを当てる確率は2億9220万分の1。

by mnnoblog | 2017-08-26 08:03 | 社会
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  (現代ビジネスの画像と記事より)

7月後半から2週間、ドイツでは、ニュースをつければ卵の話ばかりだった。

フィプロニルという殺虫剤で汚染された卵が出回っているとかで、ニュースの見出しには「毒タマゴ」というおどろおどろしい言葉が踊る。

食べれば即死しそうな勢いだ。

まず、ざっと時系列で見ると、フィプロニルで汚染された卵がオランダの養鶏場で発見されたというニュースが私たちの耳に入ったのが、7月22日。

フィプロニルというのは、獣医が猫や犬などのノミの駆除に使う分には問題がないが、人間がその肉や卵を食べる動物に使用することは禁止されている。
そういう動物のいる畜舎に噴霧してもいけない。

ところが、ベルギーの会社が、畜舎の清掃・消毒に使う薬剤の中に、フィプロニルを混ぜた。
それをオランダの清掃会社が畜舎の清掃に使った。

この清掃会社が、オランダ国内180ヵ所の養鶏場でこの消毒液を使用したということはわかっている。
だから、そこにいた鶏が産んだ卵から、残留フィプロニルが発見されたのである。

7月26日、オランダの管轄の役所が、その180ヵ所の養鶏場を営業停止にした。
ドイツでも、この消毒薬を使用していた養鶏場が4ヵ所あり、それらがやはりただちに閉鎖された。

こうして、短期間にドイツで廃棄された卵の数が1070万個!

そうするうちに、タマゴ事件はオランダ、ベルギー、ドイツのほか、イギリス、オーストリア、ルーマニア、デンマーク、オランダ、スウェーデン、ルクセンブルク、フランス、スロバキア、スイスと拡大し、まさかの香港にまで飛び火した。

まもなく、オランダとベルギーのあいだで責任の押し付けあいが始まった。

8月10日には、オランダの養鶏場専門の清掃会社Chickfriend社の幹部2人が逮捕された。
一方EUでは、食料と飼料に関する緊急警告システムが機能しなかったことが問題視され、9月に臨時委員会が召集されることになった。

ただ、ニュースをよくよく読んでみると、毒タマゴを食しても何ら健康被害はなさそうだ。

フィプロニルが検出されたことは事実だが、規制値を超えているわけではない。
それどころか、今回一番高い数値を示した汚染卵を、体重65kgの成人が24時間で7個食べても、まだ、規制値には至らないという。
また、たとえ規制値を超えて食べても、別に実害はないそうだ。

フィプロニルは、動物実験では、神経系統、肝臓、腎臓、甲状腺に障害をもたらすという。
人間では吐き気、嘔吐、頭痛。しかし、発がん性はなく、遺伝子にも影響しない。
肌や目に対する刺激もなし。

言い訳のように書いてあるのは、「ただし、幼児が汚染卵を1日に2個食べると、規制値に至る可能性があり、何らかの健康被害を誘発する可能性がないわけではない」。

EUで売られている卵には印字がしてあり、その卵の産地はもちろん、どこの養鶏場のどの畜舎で産卵されたものか、産んだ鶏がどんな飼料を食べているか、放し飼いか、あるいはケージ飼いかなどが、誰が見ても一目瞭然となっている。

ただ、加工品には卵の身元は書かれていないので、ヌードルやケーキに汚染卵が使われていてもわからない。

それにしても、7月末のドイツでは、1週間にわたって、卵事件がほぼずっとトップニュース扱いだったのには驚いた。

福島第一原発が水素爆発した当時、ドイツでは、日本全体が放射能の雲で覆われているかのような報道が続いたことを思い出した。

日本にいたドイツ人が一斉に出国し、それどころか、ドイツ国内でガイガーカウンターやヨウ素の錠剤が売れた。
東京のドイツ大使館は半年後も人が戻らず、4分の1が空席のままだった。

リスクに関する過剰反応は、ドイツ人の特徴でもある。

一方、イギリスは震災のときも、今回も落ち着いていた。
今回もイギリス当局は、「汚染卵を食べても実害はない。食べるかどうかは自分で決めるように」と発表した。

英語に「ジャーマン・アングスト」という言葉がある。
アングストとは、ドイツ語で「不安」の意味。
ドイツ人の「不安」は「怖いもの好き」の裏返しらしく、だからメディアも好んでその方向に走り、ときどき国民の不安を煽ってあげているようだ。

by mnnoblog | 2017-08-25 08:42 | 社会
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  (JBpressの画像と記事より)

西側諸国でポピュリスト(大衆迎合主義者)の考え方が人気を博しているのはなぜなのだろうか。
これは一時的な現象なのだろうか。

英国が欧州連合(EU)から離脱する「ブレグジット」が決まり、米国でドナルド・トランプ大統領が誕生し、フランスで既成政党への支持が急落し、イタリアで「五つ星運動」が勢力を伸ばしたこと、そして言うまでもなく中東欧で権威主義的なポピュリズムが台頭したことなどを考えれば、これらは重要な問いだ。

そもそも、ポピュリストとは何なのか。
ポピュリズムには、世界を徳の高い国民と、腐敗したエリートや危険なよそ者という2つに分けてしまうという不変の性質がある。

また、ポピュリストは機関や制度を信用しない。
特に裁判所や独立したメディア、官僚機構、財政・金融のルールなど、「国民の意思」を束縛するものを信じない。
資格を持った専門家も拒む。
自由市場と自由貿易にも疑念を持っている。

右派のポピュリストは、特定の民族こそが「国民」だと考え、外国人を敵と見なす。
経済ナショナリストであり、昔からの社会的価値観を重んじる。
カリスマ性のある指導者に信を置くことも多い。
一方、左派のポピュリストは労働者を「国民」ととらえ、裕福な人々を敵と見なす。
資産の国有化は良いことだと思っている。

こうした一連の考え方が影響力を増してきたのはなぜなのか。

米ミシガン大学のロナルド・イングルハート氏とハーバード大学ケネディ行政大学院のピッパ・ノリス氏はこの点について、移民をはじめとする文化的な変化に対する高齢かつ低学歴の白人男性による反応の方が、経済面の不安感よりもポピュリズムの台頭をうまく説明できると論じている。

この議論は真実の一部に過ぎず、全体をカバーできていない。
経済的な現象と文化的な現象は互いに関係がある。
上記の2氏の研究では移民を文化的な変化ととらえているが、経済的な変化として見ることも十分可能だ。

また、より重要なのは、この研究では最近どんな変化があったかを問題にしていないことだ。
最近あった変化と言えば、世界金融危機とその後に各国経済に及んだショックだ。
これらは巨額のコストをもたらしただけでなく、金融界や政策策定に携わるエリートへの信頼を――そして正統性も――損ねた。
王様たちが裸だったことを暴露してしまったのだ。

トランプ氏が米国大統領になり、英国民がブレグジットを選択した理由はそこにある、と筆者は考えている。
確かに、文化的な変化と、労働者階級の経済的な衰退は人々の不平や不満を強めた。
しかし、ポピュリストの台頭に扉を開いたのは金融危機だった。

この見方が妥当かどうかを探るため、経済の長期的な変化と金融危機の様子を表す指標を主要7カ国(G7)とスペインの計8カ国について集めてみた。

長期的指標としては製造業の雇用の減少、サプライチェーンのグローバル化、移民、格差・不平等、失業、そして労働参加率に関するデータを調べた。
金融危機後の事態の変遷を示す指標については、失業、緊縮財政、1人当たり実質所得、そして民間信用についてのデータを集めた。

それによると、8カ国のうち経済の長期的な悪化が最も甚だしいのはイタリアで、スペイン、英国、米国がこの順番で続いた。
金融危機後に限ると最も甚だしいのはスペインで、次いで米国、イタリア、英国の順になった。
金融危機による悪影響が最も小さかったのはドイツで、カナダと日本がそれに近い状況だった。

従って、カナダ、ドイツ、日本の3カ国が金融危機後のポピュリズムの台頭をおおむね免れていること、そして米国、英国、イタリア、スペインの4カ国があまり免れていないこと(イタリアとスペインは封じ込めに比較的成功しているが)は、特に不思議なことではない。

そのため、ポピュリズムの台頭はもっともなことだと言える。
しかし、ポピュリズムは危険でもある。
その支持者にとってもそうであることが少なくない。
欧州経済諮問グループ(EEAG)が先日まとめた報告書で指摘しているように、ポピュリズムは恐ろしいほど無責任な政策につながってしまう恐れがあるのだ。

故ウゴ・チャベス氏がベネズエラに及ぼした打撃はその最たる例だ。
最悪の場合、ポピュリズムは独立した機関を破壊したり、一般市民の平和な生活を揺るがしたり、外国人嫌いを助長したり独裁制につながったりする恐れがある。
仲間の市民を「国民の敵」と見なす考え方は、安定した民主主義とは相いれない。

従って、どんな怒りがポピュリズムを引き起こしているのかを認識し、その怒りに対策を講じる必要がある。
しかし、ポピュリズムは優れた政府の敵だ。
民主主義の敵ですらある。

将来に希望が持てる明るいストーリーを自分で描き、それを自分に言い聞かせることは可能だろう。
例えば、西側の大きな民主主義国の多くで経験されている政治的混乱には、金融危機が残した爪痕という側面もある。

景気が回復してショックが和らぐにつれて、金融危機が引き起こした怒りや絶望も弱まっていくのかもしれない。
時間が経つにつれて、民主主義を機能させるのに不可欠な機関、すなわち議会や官僚機構、裁判所、メディア、さらには政治家に対する信頼も回復するかもしれない。
銀行幹部ですら、自分たちの人気が再び高まることを自覚するかもしれない、といった具合だ。

だが、この楽観論は2つの大きな壁に突き当たる。

第1の壁は、過去の政治的愚行の結果がまだ明らかになっていないことだ。
英国とEUとの離婚は、どんな結果をもたらすのか、まだ見えない。
トランプ大統領の選出も同様だ。
米国が世界のリーダーの座を降りることは、まさに衝撃的な出来事となる可能性がある。

第2の障害物は、文化と経済の両方における脆弱さの長期的な要因には、大きな格差や米国の働き盛りの世代における労働参加率のように、今日も存在するものがあることだ。
同様に、多くの移民が次々にやってくることによる圧力も続いている。
人口高齢化が財政にもたらす圧力は、特に強くなりそうだ。
こうしたことから、ポピュリストの怒りの波はまだ消えそうにない。

だとすれば、勢いづくポピュリズムの波に抗いたいのであれば、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がやったように、ポピュリストの単純化と嘘に立ち向かわなければならない。

マクロン氏が理解しているように、ポピュリズムの盛り上がりを説明してくれる懸念や心配事に直接対応しなければならない。
文化的な心配は、移民に関するものは別として、政策を講じてもあまり反応しない。だが、経済的な心配事には対応できるし、対応しなければならない。

もちろん、政治家はその逆――対応しないこと――もできる。
米国で今日見受けられるのは後者の方だ。
これではポピュリストの台頭に終止符が打たれることはなく、むしろ助長される。
それが間違いなく、政治家の狙いだ。

by mnnoblog | 2017-07-18 08:42 | 社会

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