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カテゴリ:経済( 44 )

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  (DIAMOND online の画像と記事より)

その時々の経済情勢に対して政策の取り組みや課題を示す「骨太の方針」では、これまで「デフレ脱却を確実なものにする」(15年)、「デフレ脱却に向けて大きく前進」(16年)と記すなど、“デフレ退治”が政策の中心に据えられてきた。

それが17年の骨太の方針では、「デフレ」の文字が消滅、政策からも消えた形だ。じつは、毎月の経済情勢を判断する「月例経済報告」でも、2013年12月からデフレの文字は消えている。

こうした背景について内閣府は、「この1年余り、消費者物価指数が前年を下回ることはなく、物価が持続的に下落する状況ではなくなった。つまり、デフレは終わったという認識だ」と話す。

確かに、2012年12月からの景気拡大局面は戦後3番目の長さになり、需給ギャップや雇用の指標も改善している。デフレの時代は終わったかに見える。

とはいえ内閣府は、「『デフレ脱却宣言』をするにはまだ様子をみる必要がある」という。
内閣府が06年3月に作った「デフレ脱却の定義」では、物価が持続的に下落する状況を脱したことに加えて、「再びその状況に戻る見込みがないこと」を挙げているからだ。

この点については、「景気回復のテンポは弱いし、物価もほぼ横這い(前月比0%程度の上昇)の下で、再びマイナスにならないとはいいきれない」と、内閣府は自信なさげ。それを反映してのことなのか、公式の「デフレ脱却」宣言はまだしないという。
こっそりと各文書からデフレの文字を消したというのが実情のようだ。

そもそも「デフレはなかった」と、指摘する専門家もいる。

消費者物価指数(CPI)を、天候などに左右される生鮮食品やエネルギー関連を除いたもので見ると、1998年から前年比マイナスとなって低迷。
2008年にプラスに転じたものの、リーマンショック後は再びマイナスになったため、デフレは続いているとされてきた。

だが、明治学院大学の熊倉正修教授は、「CPIの中身を詳細に分析すると、実はデフレは生じていなかったことが分かる」と指摘するのだ。

CPIは、585品目(2015年指数)程度の価格指数を加重平均して算出されるが、調査対象品目の銘柄変更や、品質調整などの影響を反映している。
基本は、同一の品質、性能を持つ商品やサービスの平均価格の変化を追跡する指数であるためで、新商品が売り出されたり機能や品質が向上したりした場合には、その分を「価格下落」とみなし、価格から差し引く調整が行われているわけだ。

1990年代後半以降、技術の進歩が著しいパソコンやデジタル家電といった情報通信(IT)機器が次々に対象品目に採用されたことに加え、「品質調整」に伴う調整も行われ、IT機器の物価指数は2000年代(2000〜2010年)だけでも年率(平均)17.1%、家電製品を加えると12.9%の下落率となっている。

熊倉教授は、こうしたIT・家電製品を除けば、「実際のCPIは90年代後半から2012年頃までほぼ横這いで、安定して推移している」とし、「名目的な数字にごまかされていただけで、デフレはなかった」と語る。

一方で13年から、CPIが緩やかな回復傾向になっていることについて、政府は「アベノミクスによるデフレ退治が奏功した結果」と喧伝する。

だが、熊倉教授は「アベノミクスは関係ない」と断言する。

熊倉教授は、物価が上昇した理由として、まず、IT機器市場の成熟化を受けて品質調整が見送られるケースが増えたことや、為替レートが円安に振れる中で中国からの輸入品が急増したことをあげる。
その結果、IT・家電製品の物価指数は12年末に下げ止まって、他の品目の上昇率を上回るようになり、逆に総合指数の上昇を下支えする役割を果たすようになった。

もう一つは、人手不足を反映した「労働需給の変化」が要因だという。
高齢化や労働人口の減少に伴って、介護や福祉などの産業で労働需要が急増、人手不足が顕著となって賃金が上がり始めたからだ。

「こうした二つの要因によって物価が上昇しただけ。アベノミクスの時期とたまたま重なっただけで、その効果と物価上昇は関係ない」(熊倉教授)というのだ。

むしろ安倍政権は、医療や介護などの報酬を抑制してきたことに加え、社会保障の安定財源確保のための消費増税も先送りするなど、「介護や福祉分野の賃金やサービス価格を政府が抑え込んで、物価が上がらない方向の政策をとってきた」(同)。

このように考えていくと、結局、「デフレ」の文字が消えたのは、アベノミクスの効果ではなく、統計作成に関する技術的な要因や製造業からサービス業へと産業構造が変化する中で、介護や福祉分野において人手不足、労働需給のミスマッチが起きたことが主な原因ということになる。

金融危機やリーマンショック後、何も手を打たなかった場合を考えれば、マクロ政策が金融不安を抑え、経済を下支えしたことは確かだ。
だが、物価変動の原因という側面から考えれば、アベノミクスは何やら“一人相撲”をとってきたような趣だ。

では、日本銀行が、財政ファイナンスと紙一重である大量の国債を買い入れてまで、力ずくで“統計上”のデフレを退治しようと、必死になったのはなぜなのか。

その理由はずばり、デフレの「定義」がはっきりしていなかったことにある。

戦後、長い間、インフレの方が切実な問題だったこともあって、物価下落に関する認識は浅かった。
バブル崩壊後の不良債権処理の遅れが景気停滞を長引かせる中で、いくら日銀が金利をゼロ近くまで引き下げても、物価が下がり続けていると、それだけで過剰債務を抱えた企業の収益は改善せず、不良債権処理がさらに遅れるといった悪循環に陥りかけた。

そこで政府は01年3月、それまで「物価下落と景気後退が同時に進む」としてきたデフレの定義を、「物価の持続的な下落」に変更して、「デフレ」を宣言。
日銀も「デフレは貨幣の供給量が足りないからだ」との主張に押し切られるように、量的緩和政策に踏み出すことになる。

それまで、デフレは「不況の結果」というのが一般的な考え方だった。
それがいつしか、デフレが「不況の原因」となり、ついには「物価下落はとにかく悪いこと」だというのが共通認識となって、日銀は緩和圧力を受け続けたのだ。

つまり、当初は、不良債権処理を加速させるためにデフレの定義を変更したものの、それが逆に政府や日銀を縛り付ける結果となったわけだ。

そもそも、98年から、日銀の黒田総裁が「異次元緩和」に踏み出す直前の2012年にかけてのCPIの下落率は、年率マイナス0.3%程度だ。
グローバル化による世界的な供給構造の変化やIT化、先進国の低成長を考えれば、CPIは、「物価や賃金が上がりにくい、変化しにくい経済」になったことを示しているに過ぎなかった。
にもかかわらず、日本では「デフレ脱却」が叫ばれ続けたのである。

それはなぜか。「デフレ」と言っている方が、都合の良い面があったからだ。

政治家たちは、「デフレ」を「不況」と言い換えることにより、景気対策を打つことで有権者や業界団体にいい顔ができる上、財政再建や増税といった票につながらない政策に取り組まずに済んだ。
また、企業経営者もデフレを賃金抑制の口実に使うことができた。
日銀もデフレ対策名目で国債を買い上げているいる限り、批判の矢面に立たされずにすむ。

唯一、「本音」でインフレにしたかったのは、巨額の財政赤字を抱える政府だろう。
ただ、現実はデフレというより物価安定に近かったため、賃金は増えなくても物価の下落が暮らしを支えていた面はあったし、退職世代も預貯金の目減りを心配することはなかった。
モノもサービスもあふれた経済で、政府や日銀がもくろんだような「インフレ期待(予想)」から、消費者が商品を買い急ぐことも起きなかった。

「財政や社会保障といった本質的な議論を避けるため、なにもかもをデフレのせいにして、国民に『デフレさえ脱却すれば日本経済の問題は全て解決される』と信じ込ませた。
いわばデフレに濡れ衣を着せてきたわけだ。
日銀もそうした状況を望んでいたわけではなかったが、結果的には加担してしまった格好だ」と、日銀の元幹部は話す。

政府は、密かにではあるものの「デフレ」は終結したと認めた。
となれば、長年に渡って議論を先送りし、目をそらし続けてきた課題について、もはやデフレのせいにできなくなったということだ。
デフレは統計上の“まやかし”であったかもしれないが、そうした課題は、まやかしで済ますわけにはいかなくなったのである。

by mnnoblog | 2017-08-13 08:33 | 経済
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  (日経新聞”大機小機”の記事より)

中央銀行やマクロ経済専門家の間でよく聞かれるのは、生産性の低下や企業の設備投資がなかなか伸びないことを憂える議論だ。
20世紀に比べると、成長を高めるようなイノベーションが起きていないのが問題だという前提で話が進む。

だが、そうした議論は経済の実態に即しているといえるだろうか。

人工知能(AI)を活用したビジネスや個人が保有資産をいかすシェアリングエコノミーの拡大など、経済は大きな構造変化のさなかにある。
ネットの高速化で企業も個人もかつては思いもつかなかったようなことができる時代になった。

こうした最先端の動きを国内総生産(GDP)統計はつかめていないのではないか、今起きているイノベーションがもたらす真の付加価値が過小評価されているのではないかという疑問は拭えない。

例えば情報・データをタダで、大量に素早く得られるようになっていることの効用はどこまで理解されているのか。

エコノミストの中にもこうした問題意識に立った分析を行い、「生産性が低下していると断定するのは誤り」と説く人びとはいる。
ゴールドマン・サックスのJ・ハチウス氏やグーグルのH・バリアン氏らだ。

主流派はこうした異論を「GDP統計で把握できていない部分は増えていない」「無料サービスは非市場取引であり、GDPに含まれない」と一蹴し、議論は対立したままだ。

とはいえ、GDP統計でとらえやすいのはオールド・エコノミーの分野であり、急速に伸びつつある新分野は捕捉しにくいのは確かだろう。

にもかかわらず、これまで通りGDPを目安に政策論議を進めれば、方向を誤る恐れがある。
工場や道路の建設など統計に反映されやすいものが伸びればよしとすることになりかねないからだ。
GDPには表れにくいものの、人や知的財産、新たな組織づくりに向けた投資を促すほうが今の時代にはかなっている。

求められるのは、従来の古いレンズのままでは新しい付加価値がよく見えなくなっているという謙虚な前提に立って政策を議論することだ。
そのためには、GDP統計の不断の見直しとともに、GDPでは測れない価値や効用についても正当に評価し、捕捉していく必要がある。

by mnnoblog | 2017-08-08 08:48 | 経済
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  (日経新聞の画像と記事より)

欧州連合(EU)は11日、財務相理事会を開き、域内銀行が抱える約1兆ユーロ(約130兆円)の不良債権の処理を加速させる行動計画を採択した。

情報開示の強化や、不良債権を銀行から買い取る仕組みの整備など改革メニューを列記。
不良債権処理の遅れが金融システムを不安定にするリスクを抑え、欧州経済の成長を促す狙いだ。

理事会はEU域内の不良債権残高が9904億ユーロなどとするリポートを公表した。
不良債権比率(貸出金に占める割合)はEU平均で5.1%に達した。
単純比較は難しいと断りつつ、米国の1.7%(15年末)や日本の1.6%(同)に比べ「かなり高い」と指摘。
行動計画は「不良債権比率を持続可能な水準に戻す努力が要る」と訴えた。

域内では南欧などで不良債権処理の遅れが目立つ。
イタリアなど10カ国で不良債権比率は10%を超え、ギリシャとキプロスは40%超に達した。
行動計画は現状のままでは「域内の経済や金融システムに広がるリスクをもたらす」と警告した。

行動計画では欧州銀行監督機構(EBA)に対し18年末までに、域内の全銀行を対象に不良債権の情報開示を拡充するよう要請。
市場でくすぶる欧州銀の資産内容への疑念解消につなげる考え。

不良債権処理の加速策では、欧州委員会に対し17年末までに「バッドバンク」とも呼ぶ、銀行から不良債権を買い取る資産管理会社を加盟国ごとに整備する計画を作るよう求めた。
EBAなどは当初、EU全体でのバッドバンク創設を唱えていたが、ドイツなどで南欧の不良債権処理に自国民の税金が使われるとの反発が出て、加盟国別に整える現実路線をとる。

不良債権の増加に備えた資金手当てを拡充する検討も欧州委に要請。
財務相理事会は半年後に計画の進捗を点検する。

EUでは6月以降、イタリアやスペインで銀行の破綻処理や公的支援による救済が相次いでおり、今回の行動計画で不良債権処理を後押しする。
欧州中央銀行(ECB)による超金融緩和が正常化に向かう際、不良債権問題が金融システムの波乱要因となるのを防ぐ。

by mnnoblog | 2017-07-20 08:20 | 経済

日欧EPA大枠合意

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   (日経新聞の画像と記事より)

日本政府と欧州連合(EU)は経済連携協定(EPA)交渉の大枠合意を6日の首脳協議で宣言すると決めた。

岸田文雄外相は5日午後(日本時間同日夜)、訪問先のブリュッセルでマルムストローム欧州委員(通商担当)との協議後、「閣僚間で大枠合意の達成を確認できた」と表明した。

日欧間で関税がなくなる品目は全体の95%超に達する見込み。
世界の経済・貿易の3割を占める大経済圏が誕生する。

日欧EPAの大枠合意をテコに、米国を除く11カ国での環太平洋経済連携協定(TPP)の発効を目指す「TPP11」の交渉進展にもつなげたい考えだ。

岸田外相は協議後、記者団に「大枠合意によって保護主義的な動きのなかで世界に前向きで大きなメッセージを送ることができる」と意義を強調した。
「日・EUが世界に範を示すに足る内容だと自負している」とも述べ、日欧が自由貿易を主導していく考えを示した。

大枠合意の内容は首脳協議後まで明らかにされない。
これまでの交渉で日欧が貿易品目の95%超で関税を撤廃することになった。
これはTPPと同じ程度の自由化水準だ。
関税撤廃する品目のうち、交渉が難航したのは欧州産チーズと日本産乗用車の扱いだったが閣僚級協議でメドがついた。

欧州側が市場開放を求めたチーズは、日本側が欧州産チーズに低関税で輸入する新たな枠を設け、枠内の税率を15年かけてゼロにする見通し。
欧州側は、日本車にかける関税(最高10%)を協定発効後7年かけて撤廃する方針となった。

このほか、日本側は欧州産ワインにかかる関税(ボトルワイン1本で約93円)を即時撤廃する方針。
欧州産の豚肉やパスタ、木材などの関税も削減・撤廃でほぼ決着し、欧州側も日本産の緑茶・日本酒にかける関税を即時撤廃する。

大枠合意後も、引き続き日欧間で協議を続け、年内には最終合意する方向。
協定が発効すれば日本の消費者にとっては欧州産ワインやパスタ、チョコレートを今よりも安く買えるようになる。
一方、日本から欧州には自動車や日本酒を売りやすくなる。

by mnnoblog | 2017-07-06 08:49 | 経済
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  (日経新聞”十字路”の記事より)

1985年のプラザ合意以降、円高不安におびえた日銀による超金融緩和政策は、かつてない資産インフレをもたらした。

85年から90年にかけて、わが国の土地の時価総額は、1062兆円から2479兆円に1417兆円(年平均283兆円)増加した。
この5年間の国内総生産(GDP)は年平均386兆円だったが、これに株価の上昇を加えると、毎年のGDPとほぼ同額の資産価値の上昇がもたらされたのである。

これだけの富の増加があれば、国内だけでなく、海外資産に日本買いが殺到していったのは当然だ。
ロックフェラーセンターの買収は一例だが、現在の中国買いは、まさにこの再現といってよい。

資産インフレの怖さは、値下がりが始まると、全てが逆回転するところにある。

90年から95年にかけて、土地の時価総額は600兆円減少した。
金融引き締めもあったが、担保価値の下落によって、銀行の貸し出し姿勢が厳しくなり、購買力は急速に消え、資産デフレの時代に入っていく。

中国のバブルは、この日本の何倍かの大きさだけに、これが弾けると、世界中の不動産や国際商品相場に、大きな打撃を与えることになる。
中国の膨大な購買力が消えていくのだからである。

バブルが崩壊するまでの景気は、いつも好調である。
だから金融の引き締めが議論されるが、本気で締めてくれば、バブル崩壊の引き金となる。

日本の90年代との違いは、世界中がバブル化していることだ。
このリスクを抱えたなかでは、世界的な政治不安は一段と加速していくだろう。


by mnnoblog | 2017-05-21 08:03 | 経済

中国経済4つの誤算

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  (日経新聞”大機小機”の記事より)

先の米中首脳会談でトランプ大統領は習近平国家主席に黒字削減要求を突き付けながら、北朝鮮政策での協力を引き出した。

中国に様々な思惑があるにせよ、中国経済が対米強硬路線を取れるほど盤石でないことが外交面で妥協せざるを得なかった背景だろう。

習主席は就任以来4年間、人民元高に歯止めを掛けて輸出を下支えしつつ、内需主導型経済への転換を図り、高成長から中成長への軟着陸を図ってきた。

だが、4つの誤算があった。

第一は、為替政策の誤算だ。
人民元の対ドルレート上昇に歯止めを掛けたが、米国の金融出口戦略でドルが20%高騰した結果、人民元の実効レートが15%上昇して輸出が失速した。
15年8月に人民元を切り下げたが、ポンド急落などで実効レートが高止まりして輸出減少が止まらない状況だ。
年初来、世界貿易の回復にもかかわらず、輸出の減少(数量ベース)が続き、景気の足かせになっている。

第二は、人民元切り下げで資本流出が始まったことだ。
1年半で流出額は1兆ドルを超えた。
昨年末の資本流出規制強化で、逆に対中直接投資が一段と減少し、設備投資の停滞をもたらしている。

第三は、財政赤字の拡大だ。
内需主導型への転換に伴う社会保険料や公共サービス支出増大と景気減速等による税収鈍化が背景だ。
年初来、インフラ投資拡大で景気は底堅いが、財政出動で1~3月の歳出は前年同期比2割増だ。
大型減税もあり、今年の財政赤字の国内総生産(GDP)比は日本を上回るだろう。

第四は、マネー膨張だ。
成長率が半減する中で2桁の融資拡大を続けた結果、中国の通貨供給量(M2)は米国の1.7倍になり、世界の3分の1を占めるに至った。
年初来、引き締めに転じたが、住宅バブルが止まらず、インフレの兆しも出始めた。
輸出減少、資本流出、財政赤字拡大、バブル膨張の4重苦に見舞われ、手詰まり状態だ。

米中間の貿易不均衡是正に向けた「100日計画」で合意したが、中国はGDPの2%以上を対米貿易黒字に依存する。
黒字を削減すれば成長率が低下し、財政出動で景気を支えれば財政赤字がさらに拡大する。
中国は対米黒字削減という新たな重荷を抱え、一段と厳しい経済運営を迫られることになる。


by mnnoblog | 2017-05-06 08:33 | 経済

日本長者番付2017

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  (マイナビニュースの画像と記事より)

フォーブスは4月6日、「日本長者番付2017」を発表した。
名前が挙がった富豪の4分の3近くが昨年から保有資産を増やした。
中でも好調だったのが、通信、テクノロジー、ゲームの3業界だった。

日本長者番付2017の上位10人(保有資産額)は、
1位孫正義(204億ドル/約2兆2,640億円)、
2位柳井正(164億ドル/約1兆8,200億円)、
3位佐治信忠(132億ドル/約1兆4,650億円)、
4位滝崎武光(125億ドル/約1兆3,880億円)、
5位三木谷浩史(61億ドル/約6,770億円)、
6位高原慶一朗(45億ドル/約5,000億円)、
7位森章(44億ドル/約4,880億円)、
8位毒島邦雄(42億ドル/約4,660億円)、
9位伊藤雅俊(37億ドル/約4,110億円)、
10位三木正浩(36億5,000万ドル/約4050億円)。

2016年の日本経済は低調な回復傾向にとどまったが、株式市場は活況をみせ、日経平均株価は2017年3月末までの1年間で13%上昇し、富豪たちの資産増加につながった。

今年の番付では、昨年2位だったソフトバンクグループ社長の孫正義が資産総額を204億ドル(約2兆2640億円)に増やし、首位に躍り出た。
孫は昨年12月、米大統領選で勝利したドナルド・トランプと会談し、ソフトバンク株はこれを受け急騰。
孫の昨年からの資産増加額は番付内で最高の55億ドル(約6,110億円)となった。

昨年トップだったファーストリテイリング会長兼社長の柳井正は、保有資産額を昨年の163億ドルから164億ドル(約1兆8200億円)へとわずかに増やしたものの、首位防衛には至らなかった。
ユニクロの親会社であるファーストリテイリングは、米国での業績不振を受けてアジア地域での事業拡大に力を入れ、2020年までに売上高3兆円を目指している。

3位を維持したのは、サントリーホールディングス会長の佐治信忠。
資産総額は132億ドル(約1兆4650億円)と、昨年の117億ドルから上昇した。
この推定資産額には家族が保有するサントリー株も含まれている。

4位につけたキーエンス創業者の滝崎武光は、資産増加額で孫に次ぐ2位となった。
総資産は昨年比42億ドル増の125億ドル(約1兆3880億円)。
センサーを製造するキーエンスは、海外向けの売り上げを拡大させており、海外売上高の割合は全体の50%に達している。

その他に資産増加幅が大きかった顔触れには、パチンコメーカーのユニバーサルエンターテインメント会長、岡田和生(18位、資産22億ドル)が含まれる。
同社の売上高は2016年12月までの9か月間で50%近く増加。
株価の上昇により、岡田の年間資産増加率は69%に達した。

コナミホールディングスの創業者で会長の上月景正(34位、資産11億8000万ドル)は、同社株の急騰により、2014年以来3年ぶりにビリオネア(保有資産10億ドル以上の富豪)の仲間入りを果たした。
コナミはサッカーや野球、トレーディングカード「遊戯王」のモバイルゲームが成功を収め、株価は1年で64%上昇した。

日本電産の創業者で会長兼社長の永守重信(12位、資産35億ドル)もまた、同社株の30%近い上昇により、資産額を昨年から8億ドル増やす躍進をみせた。
ハードディスクドライブ(HDD)用モーターを製造する同社は、M&A(合併・買収)などを通じ、2021年までに売り上げをほぼ倍の2兆円に増やす計画を発表している。

人材派遣大手テンプホールディングスの創業者、篠原欣子は、同社株の30%上昇により日本初の"たたき上げ女性ビリオネア"となり、資産11億ドルで37位に入った。

今年唯一の新顔となったのが、襟川洋一、恵子夫妻(40位、資産10億4000万ドル)だ。
夫妻が創業したゲーム開発会社コーエーテクモホールディングスの株価は、収益拡大に伴い1年で22%上昇した。

ランキングは本人から入手した情報に加え、証券取引所やアナリスト、民間データベース、政府機関から得た情報などを基に作成。
それぞれの資産額は、2017年3月24日時点の株価と為替レート(1ドル=111円)に基づいている。
非公開会社の価値は、類似の公開会社と財務比率などを比較して算出したとのこと。


by mnnoblog | 2017-04-10 08:57 | 経済
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  (日経新聞”社説”の記事より)

世界経済が緩やかに改善してきた。
金融危機以降続いてきた先進国のデフレ懸念は和らぎ、新興国経済も安定感を増している。

だが、本格的な回復にはまだ力不足だ。
企業の投資姿勢はなお慎重で、生産性の伸びは低い。
米国の利上げが進めば、新興国経済が動揺する恐れもある。
同時に、成長の芽を摘みかねない保護主義の台頭も防止しなければならない。

経済協力開発機構(OECD)が先月まとめた経済予測によると、世界の経済成長率は今年3.3%と昨年を0.3ポイント上回り、2018年も3.6%と伸びを続ける。

米国の成長が上向くことが大きいが、日欧経済にも明るさが見えてきた。
ブラジルやロシアなどの資源国も商品市況の回復に支えられ、苦境を脱しつつある。

先進国と新興国の経済がともに安定してきたことで、昨年初めの人民元ショックをきっかけにした世界経済への悲観論は後退した。
もう少し長く見れば、08年の金融危機以降の長い調整期間がようやく終わりを迎えつつあるともいえよう。

とはいっても安心は禁物だ。
一つは成長の基盤がまだ強固でないことだ。

先進国では企業収益の改善にもかかわらず設備投資の勢いは弱い。
雇用は拡大しているものの労働生産性の伸びが戻らないのは気がかりだ。
新興国経済の安定も資源価格高頼みという面がある。

2つ目は過剰債務の足かせだ。

中国は国有企業を中心にした過剰債務の調整が遅れている。
ほかの新興国でも外貨建ての債務が膨らんでいる企業が多い。
米連邦準備理事会(FRB)は利上げペースをこれまでより早める構えで、米金利の上昇やドル高が進めば、過剰債務を抱えた新興国の経済や通貨に打撃を与える恐れがある。

もう一つは保護主義が広がるリスクだ。

低迷していた世界貿易は回復の兆しもみえるが、トランプ米政権が高関税など貿易制限的な措置を取るようなことがあれば、一気に縮小しかねない。

トランプ米政権は先週、中国や日本など対米黒字国が不公正な貿易関連措置を取っていないかを徹底的に調査するよう商務省などに求める大統領令を出した。
問題がみつかれば何らかの対応措置を取る方針という。

2国間の貿易不均衡を一方的な措置で是正しようとするのは誤りだ。
自由貿易を脅かし、制裁合戦を招く恐れもある。

世界はこうした米国の姿勢を批判するとともに、広域の自由貿易協定(FTA)を促進することで保護主義に対抗していくべきだ。


by mnnoblog | 2017-04-06 08:16 | 経済

新しい経済の形

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  (日経新聞”十字路”の記事より)

日本経済は、停滞が続いているというような感覚で話がされることが多い。
確かに経済成長率は過去に比べて大きく下がったままである。

人口減少と言う客観的な条件を考えれば、実質国内総生産(GDP)と言う量が再び増えることを望むより、いかに中身を豊かなものにするかという視点が重要だ。

財やサービスの質の向上は実質的な価格低下を通じて、ある程度実質GDPに反映される。
だが、新しい消費財やサービスが現れたことによる利便性向上やライフスタイルの変化はなかなか反映できない。

例えば、インターネットの高速化が普及し動画情報をふんだんに楽しめるようになったことは、GDP計算上の個人消費を増やしはしないが、我々の生活にとっては大きな利便性の向上だ。

大都市における外食の選択肢も増え、世界中の料理が手軽に味わえるようになった。
このように選択肢が増えることは、それ自体ではGDPを増やさないが、豊かさは確かに増している。

多様性も富ではないだろうか。
経済の発展は複数の要素で評価すべきだ。

中古市場の発達も重要だ。
従来、中古車や古本に限らず、インターネットの発達は売買希望を巧みにマッチイングさせるようになった。

業者を介さない個人間の中古品の取引もインターネットのオークションサイトによって盛んになっている。
使われないモノを作ってもGDPは増えるが、それより使われていないモノを有効活用することの方が大切である。

中古住宅市場についても、活性化の取り組みが本格化しており、いわゆるシェアリングエコノミーの発達も同様の意味を持つ。
超スマート社会「ソサエティー5.0」で目指す次世代の経済社会の豊かさは、そうした観点からの技術革新によって作ることができる。

※超スマート社会「ソサエティー5.0」とは、
日本政府により平成28年度から5年間、閣議決定された科学技術政策の基本指針のひとつ。
人工知能・ビッグデータ・ユビキタス関連の情報技術を従来の技術と組み合わせ、社会のあらゆる分野で新しい製品やサービスを提供できるよう、研究や開発、投資を進めようとするもの。(コトバンクより)


by mnnoblog | 2017-04-04 08:37 | 経済

日米株価 格差の背景

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  (日経新聞”一目均衡”の記事より)

ダウ工業株30種平均が最高値の更新を続ける米国株式市場と、上値の重さが鮮明な東京株式市場。
両者の格差の背景には何があるのか。

トランプ大統領が掲げる米国第一主義の政策だけではない。
個別企業に目を向けると、既存の技術やビジネスモデルを破壊するほどのインパクトを持つ技術革新(イノベーション)の厚みの差が浮かび上がる。

米インテュイティブサージカルが開発した手術支援ロボット「ダヴィンチ」が世界の医療業界に旋風を巻き起こしている。
体に開けた小さな穴からアームを体内に入れ、医師が遠隔操作で腫瘍などを切り取る。
患者の負担は低く、同社によると2016年の手術実績は約75万件に達し、日本でも実績が増えている。

ロボット本体の導入費用を低く抑える代わりに、手術のたびに交換が必要な消耗品で稼ぐ「カミソリ型」の事業モデルを採用する。

唯一無二の技術と安定した現金収入が評価され、株価は連日で最高値を更新、過去10年で約7倍になった。
時価総額は288億ドル(約3兆3000億円)とファナック(約4兆6000億円)に迫りつつある。

アクサ・インベストメント・マネージャーズでロボット関連ファンドを運用するトム・ライリー氏は「医療機器は政府の認可が必要で、新規参入が難しい。
成長の確実性を考えると株価は割高ではない」と話す。

ニューヨークに上場するイスラエルのモービルアイも急成長企業の一つ。
同社の自動運転技術は日産自動車が昨年販売した新型「セレナ」に採用された。
圧倒的な画像処理技術で自動運転の台風の目となり、上場から2年半にして時価総額は約100億ドルに達した。

UBSは、産業用ロボットなどを含むオートメーション市場が16年の1560億ドルから2020年には2093億ドルに拡大すると予想する。
年率では7.6%の高成長だ。

日本でもファナックやキーエンス、安川電機などの株価は上昇が続く。
ただ産業用ロボットは誰もが注目する巨大市場だけに、中国が国策として企業を強力に支援するなど参入が増えている。
既存技術の改良だけでは日本企業の中長期的な利益率は低下しかねない。

かつてソニーや任天堂など日本企業は世界初の製品で世界をあっと驚かせ、投資家からも称賛を浴びた。
世界中でブームを引き起こしたこうした技術革新は、日本から絶えて久しい。

ライリー氏は企業がイノベーションを生み出す条件として「多額の研究開発投資に耐える強固な財務基盤と長期視点の株主の存在」を挙げる。
日本企業は株主から批判されるほど現金をため込む。外国人株主は増えたが取引先銀行など「もの言わぬ株主」も多い。

日本企業にはイノベーションを生み出す条件も経験も整っている。
株式投資家は経営者が果敢にリスクに挑み、果実を手に取ることを渇望している。
そうすれば米株に出遅れる日本株の評価も変わるはずだ。


by mnnoblog | 2017-03-11 08:17 | 経済

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