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カテゴリ:産業( 101 )

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  (日経新聞”社説”の記事より)

日本の製造業が築いてきた製品への信頼が揺らいでいる。

神戸製鋼所日産自動車などで明らかになった品質管理の不正は、三菱マテリアル東レの子会社にも広がった。
問題の根にあるものを改めなければ信頼回復はない。

神鋼など素材3社のグループでは、契約で定めた品質基準に満たない製品を、データを改ざんして出荷していた。
基準に達しなくても顧客企業の了解があれば出荷する取引慣行があるが、同意を得ていなかった。

日産自動車とSUBARU(スバル)は無資格者が完成車の検査に携わっていた。

一連の不正に共通するのは、規範への厳格さの欠如である。
製品データの改ざんは法令違反とはいえなくても、納入先の企業との約束を破った背信行為だ。

三菱マテリアルの子会社は2月に不正を把握した後も、10月まで問題の製品の出荷を続けていた。
東レも不正が発覚してから公表まで1年以上かかっている。

納入先企業との間では内々に製品の安全性などを確認したとしても、一般の消費者への情報開示に後ろ向きな姿勢は問題だ。
自動車の無資格検査も消費者軽視の表れといえないか。

製造業は製品の使い手の要求にいかに応えるかを念頭に品質を高めてきた。
納入先や消費者重視は基本である。
土台から品質管理を立て直さなくてはならない。

不正の原因究明は途上だが、弁護士による日産の報告書などからは、上層部が現場の実情を知ろうとしていなかった様子がわかる。

日産の工場では品質保証部署の幹部が、検査工程の仕事内容や人繰りをつかんでいなかった。
神鋼は現場の製造能力などの把握が不十分なまま受注に走っていた。
現場に無理がかかりやすい構造が不正の土壌になったといえる。

経営陣・幹部と現場が一体となり、問題や改善点があれば迅速に対応する機動的な組織にする必要がある。
経営トップの責務だ。

品質基準を漫然と同じままにするのでなく、安全性を確認のうえ柔軟に見直す余地もあるだろう。

車の検査をめぐっては、組み立ての各工程で不具合の検知が進んだため、完成車の検査が形式的になっているとの指摘もある。
新しい検査方法のアイデアなど現場からの提案を吸い上げるためにも、組織の風通しの良さが求められる。
完成車検査のあり方を、実態に合わせて見直すことも課題だ。

by mnnoblog | 2017-12-08 08:33 | 産業
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(Diamond online の画像と記事より)

IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などのテクノロジーを核に、旧来のビジネスモデルからの抜本的な変革を推進する「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」に向けた取り組みが、企業の存続をも左右しかねない重要なテーマとなっている。

そこでは、最新テクノロジーを採用したIT環境の再整備から組織の再構築、人材の育成などを含む広範な領域にわたる施策の実施が求められる。

今まさに「デジタル・トランスフォーメーション」の波がビジネスの世界に押し寄せている。
とどまることを知らない技術革新が進むなか、企業は従来のビジネスのやり方を抜本的に見直していくことが求められている。

「具体的には、デジタル技術をベースにした顧客への新たな価値提供と収益構造の転換による『ビジネスモデルの再構築』、AI技術などを活用した人手が全く介在しないプロセスの確立など業務生産性の飛躍的向上を目指した『オペレーションの再構築』、情報システム部門が果たすべき役割の再定義などを含む『ITの再構築』、そして変革を主導する組織の整備や人材育成を核とする『組織・人材の変革』という四つの領域にわたる変革を推進していくことが必要です」と語るのはベイカレント・コンサルティング取締役の小塚裕史氏だ。

デジタル・トランスフォーメーションを実践するには、企業全体としての広範囲にわたる取り組みが不可欠であり、最新テクノロジーの導入による業務効率化などの局所的な話に限定されるべきものではないことは明らかだ。

「日本企業では多くの場合、一足飛びにビジネスモデルの変革を目指すのではなく、業務効率化の推進や、顧客の利用するデジタル環境下でのサービス提供を目指した『デジタル化』からスタートします。
次に、顧客の行動や業務を丸ごとサポートするために、複数サービスを統合化して提供する『デジタル・インテグレーション』の段階を経て、デジタル・トランスフォーメーションへと着実に進んでいくというアプローチが、ステークホルダーの巻き込みや投資面を含めて現実的な選択になるものと当社では考えています」と小塚氏は語る。

デジタル・トランスフォーメーションを実践するためには、企業のあり方をあらゆる側面から再構築、変革していく取り組みが必要となる。

by mnnoblog | 2017-11-29 08:44 | 産業
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  (NEWSWEEKの画像と記事より)

いま世界ではガソリンや軽油を使う自動車から電気自動車(EV)へのシフトを加速させる動きが活発になっている。

ノルウェーとオランダは2025年からガソリン・軽油車の販売を禁止すると決めた。フランスとイギリスも2040年までにガソリン・軽油車の販売を停止するとしているし、インドや米カリフォルニア州でもそうした目標を作ろうという動きがある。

そうしたなか、世界最大の自動車市場である中国が、今年9月末にEVシフトを大きく加速させるための政策を発表した。

この政策は二つの柱からなっている。
一つは各メーカーが生産する乗用車の平均燃費を、2020年までに1リットル20㎞ぐらいまで改善していくことを促す政策。
もう一つは、各乗用車メーカーに2019年には「新エネルギー車ポイント」を10%、2020年には12%とすることを義務づける政策である。

この「新エネルギー車ポイント」とは、電気自動車(EV)、プラグイン・ハイブリッド自動車(PHEV)、燃料電池車(FCV)に対して与えられるものであり、EVであれば、航続距離によって異なるが1台作ればおおむね4~5ポイント、PHEVなら1台作れば2ポイントが与えられる。

この「新エネルギー車ポイント」制度は中国の自動車メーカーを大きく後押しすることになる。
なぜならいくつかの中国系メーカーが2016年時点ですでに10%の目標をクリアしているからである。

2016年には、中国におけるEV、PHEVの生産台数の9割を中国ブランドのメーカーが占めた。
なかでも比亜迪(BYD)は2016年に9万6000台のEVとPHEVを生産し、世界のトップだった。
BYDの自動車生産台数は全部で42万台ほどだったので、BYDは2016年の時点ですでに新エネルギー車ポイントが50%を超えていたとみられる。

一方、外資系メーカーは中国でEVやPHEVをまだほとんど生産しておらず、2019年までに新エネルギー車ポイントを10%に引き上げるのはかなり困難である。

新エネルギー車ポイントが目標値に達成しない場合は他の自動車メーカーからポイントを買うことによって10%にする必要がある。

つまり、2019年になれば、外資系メーカーはBYD、吉利汽車、北京汽車などEVの生産台数が多い中国系メーカーからかなりの新エネルギー車ポイントを買わなければならなくなるのである。

外資系メーカーどうしが中国市場を舞台にガソリン自動車でしのぎを削っている間に、中国系メーカーはそれぞれの地元政府とタイアップしてEV生産の実績を着々と積んでいた。

中国系メーカーのEV生産が軌道に乗ってきたタイミングで打ち出された今回の政策の隠れた狙いが中国系メーカーの支援であることは疑いない。
だが、この政策には二酸化炭素排出削減や大気汚染防止といった大義名分があるし、WTOに提訴されてクロと見なされるような条項も見当たらない。
大変巧みな産業政策だといえる。

中国で活動する外資系メーカーのなかでEVシフトに最も積極的なのはフォルクスワーゲンで、2025年までに80車種のEVを発売し、2030年には全車種をEVにすると意気込んでいる。
今年6月には安徽省の江淮汽車とEVの合弁会社を立ち上げた。
フォルクスワーゲンにとって中国はヨーロッパを上回る最大の販売先であるから、中国の政策に積極的に対応していかざるを得ないのである。

中国とヨーロッパがEVシフトを加速するなかで、日本の自動車メーカーの対応は後手に回っているように見える。
日本政府は2015年のパリ協定で、2030年までに温室効果ガスの排出を2013年に比べて26%削減すると約束した以上、エコカーの普及をもっと加速させる必要がある。

by mnnoblog | 2017-11-23 08:00 | 産業
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  (日経新聞の記事より)

中国・上海で開かれた展示会。
洗練されたデザインの乗用車の運転席に乗ると、液晶モニターに中国語で「あなたは愛車を誰とシェアしたいですか」という表示が現れた。

月内の発売を控えた中国の自動車大手、浙江吉利控股集団の新ブランド「Lynk&Co」。
カーシェアリング用の機能を標準装備しているのが特徴だ。

車のオーナーが円形のシェアボタンを操作し、例えば「午前9時から午後5時は空車」と設定すると、その時間に車を借りたい不特定多数のユーザーのスマートフォン(スマホ)に情報が届く。
ユーザーは電子キーで解錠すれば、その車を運転できる。

「自動車産業の伝統的なビジネスモデルに挑戦する」。
新ブランド事業会社のアラン・ビサー副社長の鼻息は荒い。
中国では3億人超が運転免許を持つが、マイカー保有台数は1億5千万台。
単純計算で1億5千万人は免許があるのに車を持たず、多くは5~10年後に消費の主役に育つ若い世代だ。
ビサー氏は所有を前提とした常識に挑む。

固定電話ではなく携帯、DVDではなくネット配信――。
経済発展で遅れたアジアは既存産業のしがらみや過剰な規制がなく、イノベーション(革新)が飛び級で進む。
日本を出し抜く商品やサービスがアジアで次々に生まれている。

「世界市場をターゲットにする」。
インド製薬最大手サン・ファーマシューティカル・インダストリーズのディリップ・サングビ社長は皮膚がん新薬の販売の準備に余念がない。

インドの製薬業界は特許切れの薬と同じ成分で作る「後発薬」で有名だ。
安い人件費を背景とした低コストで勝負してきた。

父から200ドル(約2万3000円)借り、1983年に起業したサングビ氏も例外ではなかったが、今や年間売上高は45億ドル。
半分近くを稼ぐ米国では後発薬でシェア4位に達し、ついに開発のハードルが高い新薬へ食指を動かす。

日本は明治維新後に「脱亜入欧」を掲げ、欧米から技術やサービスを学んだ。
その日本をアジアがまねて追う「雁行(がんこう)型」の経済発展モデルは過去の物語になった。

シンガポールの観光名所「マリーナベイ・サンズ」の対岸に立ち並ぶ高層ビル。
大蔵官僚だった岡田光信最高経営責任者(CEO)は2013年、ここで宇宙空間に漂うロケットや人工衛星の破片(デブリ)の回収を手がけるアストロスケールを起業した。

シンガポールには衛星通信の米インテルサットなど宇宙関連企業のアジア本社が集積する。
中心部のバーでは3カ月に一度、宇宙関係者が集まるパーティーも開かれる。

日本では「アクセスできる情報が限られている。
シンガポールなら衛星技術や各国の規制など、宇宙ビジネスのありとあらゆる知見が得られる」。
そう考えた岡田氏は起業の地をシンガポールにすることに迷いはなかったという。

遅れていたからこそ、イノベーションで先行し始めたアジア。
日本が学ぶことは増えていくはずだ。

=この項おわり

by mnnoblog | 2017-11-18 08:41 | 産業
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  (日経新聞の画像と記事より)

 「米テスラを超えてみせますよ」。
電気自動車(EV)を開発するGLM(京都市)の小間裕康社長の野心的な計画に128億円を投じたのは、香港の投資会社オーラックスホールディングスだった。
今年8月のことだ。

想定価格4000万円の超高級スポーツEVを開発するGLMは、2010年設立の京都大学発のスタートアップ。
海外の大手自動車メーカーも資本参加に意欲を示した気鋭の新興企業だが、日本勢の反応は鈍かった。
「投資提案はせいぜい数十億円。投資判断も遅かった」(小間社長)

いつの時代も、イノベーション(革新)は常識やしがらみにとらわれない新興勢力がけん引する。
革新力の衰えを自覚する日本の産業界でも「オープンイノベーション」を掛け声にスタートアップとの連携が広がるが、どうもちぐはぐだ。
大企業がスタートアップを買収せず、少額出資を繰り返すばかりなのだ。

米グーグルは01年以降に約200社、月1社のペースでスタートアップを含む企業を買収してきた。
事業を売った起業家は新たなスタートアップの担い手となる。
テスラを率いるイーロン・マスク氏は24歳の時に起業したソフト会社を大企業に売却した。
得た資金で設立した次の会社を起点に「シリアルアントレプレナー(連続起業家)」の道を歩んでいる。

日本の常識では、スタートアップは新規株式公開(IPO)で資金を手に入れる。
創業者の晴れ舞台で、支え手のベンチャーキャピタル(VC)も潤う。
だが小粒で上場した結果、手堅く利益を確保することに追われ、大きく成長しない例が多い。
VCの投資回収の8割以上が大企業による買収である米国と対照的だ。

日本の開業率は5%と欧米の半分程度に停滞する。
起業小国と呼ばれて久しい。スタートアップ支援のクルー(東京・目黒)の伊地知天社長は「大企業による買収や大型出資が活発になれば、日本でも起業家が次の起業をしたり、投資家に回ったりするエコシステム(生態系)が動き始める」と語る。

カネはある。
上場企業3600社の手元資金は過去最高の115兆円。
この5年で1.4倍に増えた。

派手な買収劇で注目を集めるソフトバンクグループ主導の投資ファンドは10兆円規模だが、同社側の実際の資金拠出は3兆円分だ。
上場企業の手元資金の半分を動かせば、ソフトバンクの投資ファンドの10~20倍の存在感がある民間投資ファンドができる計算だ。

変化の芽はある。

「グローバル展開のために、もっと緊密になりましょう」。

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」通信のソラコム(東京・世田谷)。

玉川憲社長は自らKDDIに売却を持ちかけた。

「通信会社のスピード感ではビジネスモデルの激変に対応できない」。

こう痛感していたKDDIにも渡りに船だった。

8月に約200億円で買収した。


オープンイノベーションという耳障りのいい言葉に安住していては革新力の再生は難しい。

大企業のマネーを生かせば、新陳代謝の道筋が見えてくる。


by mnnoblog | 2017-11-17 08:19 | 産業
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  (日経新聞の画像と記事より)

世界2万以上の学術誌をデータベースに収める学術出版大手エルゼビア(オランダ・アムステルダム)。
企業や大学の論文に各国政府機関がイノベーションの糸口を探りにくる。
日本経済新聞は同社と協力し、知の勢力図の分析を試みた。

新たな産業革命をもたらす人工知能(AI)研究。
論文の質の高さを表す引用数(2012~16年)は1位が米マイクロソフト、2位はシンガポールの南洋工科大学、3位に中国科学院となった。
100位以内に米国は30機関、中国も15機関を数える。
日本は東京大学が64位に入っただけだ。

日本低迷の一因を探ると国内に引きこもる研究者の姿が見えてきた。
日本は他国と共同でまとめた論文の割合が21%と主要国で最低水準。
シンガポールの65%や米国の33%、中国の24%に劣る。
優秀な研究者ネットワークの蚊帳の外だ。

AIのような最先端研究は、各国の研究者らが議論を戦わせて進歩を競う。
海外の他流試合を避けていたら「最新情報が入らず、世界から取り残される」と林幸秀・科学技術振興機構上席フェローは危ぶむ。

1980年代からの研究投資が実り、日本のノーベル賞受賞者は00年以降に17人と米国に次ぐ2位。
「欧米並みに研究機器が充実し、日本で十分」となり、海外滞在が1カ月を超す研究者は00年度の7674人をピークに15年度は4割減った(文部科学省調べ)。

「任期付き研究職が増え、出国は就職に不利」との不安も拍車をかける。
世界とますます隔絶される「ガラパゴス化2.0」が進む。
医薬品などハイテク産業の貿易収支の割合は11年に入超に転じた。
革新を呼ぶ知の鍛錬で立ち遅れる。

生命の設計図となる遺伝子を自在に書き換える「ゲノム編集」技術。
ノーベル賞確実とされる技術は日本人の発見が端緒となった。

九州大学の石野良純教授は約30年前、DNAに繰り返し現れる配列に気づいた。
この発見を機に12年、米国とドイツの研究者が遺伝子を簡単に切り貼りできる方法を考案した。

石野教授は16年まで仏パスツール研究所に1年間招へいされた。
「20年ぶりに実験ができたのが一番楽しかった」。
日本の研究者は会議や学生指導、予算申請に忙殺される。
「世界と勝負するときに研究時間が割かれる。これでは画期的な成果は生まれない」

大学教員の研究時間は国立大法人化を経た約10年間で11ポイント減り、職務時間の35%に下がった。
かねて優れた研究者を支えた国内の環境もほころびが出始めた。

6月、パリ市内でスタートアップ企業が集う展示会でマクロン仏大統領が訴えた。
「フランスはAIやデジタル化などで先駆者になる」。
22年までに行政手続きを全てオンライン化する。
改革に93億ユーロ(約1兆2400億円)を投じる。

財政赤字で公務員削減など大幅な歳出カットを求める中、「デジタル革命」には異例の予算規模で臨む。

情報や生命工学の新技術が今後10~20年で世界を劇的に変えると各国は確信している。
日本が世界に伍(ご)してイノベーションを競うつもりなら、国内に引きこもっている余裕はない。

by mnnoblog | 2017-11-16 08:08 | 産業
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  (日経新聞の画像と記事より)

森に囲まれた東洋大学川越キャンパス(埼玉県川越市)。
「会社に残っていれば、電気自動車(EV)用のモーターの勢力図は変わっていたかもしれない」。
2010年まで東芝の技術者だった堺和人教授はこんな思いで研究を続ける。

手がけるのは永久磁石の磁力を自由に変えることで、モーターの効率を大幅に高める技術だ。
洗濯機で実用化し大型のハイテク機器への活用を考えた。
だが、リーマン・ショック後の業績悪化を背景に、応用は足踏みに。
堺教授は研究環境を求めて東芝を去った。

EV時代が近づき、堺教授のもとにはLG電子など韓国メーカーから共同研究の打診もあった。
東芝は将来の成長を担うかもしれないEV用モーターの技術の種を失っていた。

日本企業は1980年代に半導体や家電で世界を制したが、その後は米国などに後れを取る。
研究開発(R&D)が生むリターン(利益)、いわば「ROR(リターン・オン・R&D)」の低迷が止まらない。

デロイトトーマツコンサルティングは主要国の企業が生んだ5年間の付加価値の平均を、その前の5年間の研究開発費の平均で割ってR&Dの効率を算出した。

日本が製造業で競合する国では16年はフランスが49倍、ドイツが42倍、米国が39倍と高く、日本と韓国は32倍で最下位に並んだ。

「日本企業の研究所は事業化という出口を見据え、技術の種をどう組み合わせるかを考えられていない」。
日立製作所で中央研究所長を務めた日本電産中央モーター基礎技術研究所の福永泰所長はこう指摘する。

解は身近にある。16年8月に台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入ったシャープ
「『会議は来週』ではなく『今から』。
判断が段違いに早い」。
シャープライフサイエンス(神戸市)の北村和也副社長は感慨深げだ。
8月に発売した血中の老化の原因物質の濃度を測る健康機器。
血液を採取せずに済み、利用者の不快感を抑えられる。

シャープの技術者は10年に開発を始め、4回も試作品を完成させた。
しかし当時の経営陣は関心が薄く、商品化は遅々として進まなかった。
「日本企業の社員は優秀だが、経営の判断に問題がある」(郭台銘董事長)と考える鴻海は買収直後にこの事業を分社。
1年で発売にこぎ着けさせた。

外部の力を生かして「知の死蔵」を避ける動きはじわりと広がっている。

ソニー1社のカメラに縛られたくなかった」。

監視カメラの映像をクラウド上に録画するサービスを手がけるスタートアップ企業、セーフィー(東京・品川)の佐渡島隆平社長は14年の起業を振り返る。


佐渡島氏は当時、ソニーグループにいた。

会社側は出資で支援する形で送り出した。

セーフィーはその後、200種以上のカメラに対応するまでシステムを磨いた。

9月末には技術力を評価したオリックスなど5社が10億円近い出資を決め、価値の輪が広がった。


変化が緩やかな時代には、知をためこむ日本型経営が通用した。

変化が激しいデジタルの時代には、自前主義を克服する経営の知恵が革新力を左右する。


by mnnoblog | 2017-11-15 08:58 | 産業
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  (日経新聞の画像と記事より)

景気回復や株高が続きながら、高揚感に欠ける日本社会。
新産業を生み続ける米国や急成長する中国に押され「技術立国」の看板が色あせているためだ。

問われるのは技術を生かし社会や産業を変革するイノベーション(革新)の力。
世界は進化する人工知能(AI)など新たな産業革命のさなかにある。

技術立国をどう再建するか。その挑戦がニッポンの未来のかたちをつくる。

神奈川県厚木市のNTT物性科学基礎研究所。
大型冷蔵庫よりも大きい箱型の「量子コンピューター」試作機を研究者が整備する。
11月27日から公開し、顧客に無償で利用してもらうためだ。

小さな粒子で起きる物理現象を利用する量子コンピューターを使えば、3年以上かかるデータ処理を理論上、1秒でできる。
あらゆる機器にAIが載る時代の基幹技術で、西森秀稔東京工業大学教授が理論を提唱するなど日本が先行してきた。
NTTは試作機の公開で実用化へ一歩進むが、世界はその先を行く。

「未来へようこそ」。
カナダ・バンクーバー郊外にあるスタートアップ企業、Dウエーブ・システムズの本社は垂れ幕で顧客を迎える。
同社は2011年、世界で初めて量子コンピューターを商用化した。

「ドクター・ニシモリがもたらした変革に我々は鼓舞されている」。
営業部門トップのボウ・エワルド氏は笑みを交えて語る。
Dウエーブ製は得意な計算領域が限られる「簡易型」だが、デンソーとの利用契約を決めるなど実績を重ねている。

「性能は我々の方がずっと上だが、Dウエーブはマーケティングがうまい。
日本はそこが弱い……」。
NTTの技術者はこうぼやく。
だが、世界が高性能の製品ができるまで待ってくれると考えるのは、楽観的すぎる。
時代や市場の変化に即応し、革新を実現する経営力の貧しさがにじむ。

日本は明治維新後、欧米の模倣(イミテーション)から出発し、技術を改良(インプルーブメント)して魅力的な商品を創ってきた。
最近のノーベル賞ラッシュは日本が発明(インベンション)で力を持ったことの証左だが、それをビジネスに結びつけ、社会を変える革新力では後手に回る。

日本の革新力は現在、世界でどんな水準にあるのか。

日本経済新聞社は日米独中韓5カ国について、革新力を示す4つの指標を選び、06年と16年を比較した。

日本は「稼ぐ力」を示す上場企業の営業利益の合計が11%増えた。
しかし、7.3倍の中国などに遠く及ばず、伸び率は最低。
産業の「新陳代謝力」を示す株式公開から10年未満の企業の時価総額は約半分に減った。

「基礎研究力」を示す科学技術の有力論文数を推計すると、米中独韓は大幅に増えたが日本は2%減少。
「応用開発力」を示す国際特許の出願も中国が追い上げ、日本は4指標を総合した「革新力指数」が伸び悩む。

瀬戸際の技術立国・日本をどう立て直せばいいのか。
同じコンピューター分野にヒントがある。

「AIの利用が世界で広がれば、コンピューターを動かす電力が足りなくなる」。
ペジーコンピューティング(東京・千代田)の斉藤元章社長はこんな問題意識でスーパーコンピューターの開発に取り組んでいる。

世界のスパコン開発は13年以降、中国勢が計算速度で独走する一方、消費電力をどう抑えるかという難題が浮上する。
ペジーなどスタートアップ2社は半導体回路を工夫し、機器を液体に直接浸して冷やす独自手法で電力消費を抑える。

10月には、日本最速の計算速度と世界トップ級の省エネ性能を両立したスパコンを開発したと発表。
技術ありきという発想を転換したことが日本を最前線に呼び戻した。

市場のニーズに真摯に耳を傾け、「使われる技術」を生み出す新たな創造のサイクルを築ければ、日本は世界の先頭に立つ力があるはずだ。

by mnnoblog | 2017-11-14 08:47 | 産業
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  (TABIZINE の画像と記事より)

創業100年などと聞くと、歴史のある老舗企業だと感じます。 
しかし日本には創業100年どころか、創業1000年を超える企業が複数存在している。

2009年発表と少し古い情報ですが東京商工リサーチによると、日本には創業100年を超す長寿企業が2万社以上あり(2009年時点)、社寺建築の金剛組(大阪府大阪市)になると、創業は578年までさかのぼれる。

金剛組の公式ホームページを見ると、

<聖徳太子の命を受けて、海のかなた百済の国から三人の工匠が日本に招かれました。このうちのひとりが、金剛組初代の金剛重光>
という歴史が語られています。
聖徳太子が大阪にある四天王寺の建立のために、朝鮮半島から大工を呼び寄せたのです。

四天王寺が創建から百数十年の歳月を経て完成を迎える奈良時代初期までに、金剛組は初代から2代、3代へと受け継がれていき、その後もはるか江戸時代に至るまで、四天王寺専属の宮大工として存続してきたと言います。

明治、大正、昭和の戦前・戦後と時代の流れの中で紆余曲折がありましたが、現在も大手建設会社の持ち株会社のグループ企業として、名前は存続している。

東京商工リサーチによれば、金剛組以外にも、

・池坊華道会(京都府京都市)587年創業

・西山温泉慶雲館(山梨県南巨摩郡)705年創業

・古まん(兵庫県豊岡市)717年創業 

・善吾楼(石川県小松市)718年創業

などの老舗も日本には存在すると言います。


他には京都市にある源田紙業が771年創業、同じく京都市にある田中伊雅仏具店が885年ごろ創業とあります。


世界の主要国別で言えば、ドイツは768年創業のSchloss Johannisbergというワイナリー、フランスは1239年創業のEyguebelleというワイナリー、中国は1239年創業の陶器メーカー、アメリカは1623年創業のAvedis Zildjian Companyという楽器(シンバル)のメーカーが最古になる。


日本の長寿企業は生き延びてきた理由として、外国からの侵略が少なかった日本の歴史や、本業重視の企業の姿勢、信頼を重んじる経営方針、血縁以外からの後継者の選出などが挙げられる。


世界的に見ても老舗企業が多い日本、なんだか誇りに感じます。


by mnnoblog | 2017-10-28 08:46 | 産業

電動のスポーツバイク

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(東洋経済オンラインの画像と記事より)

米国のスポーツバイクブランド「TREK(トレック)」やイタリアの老舗自転車ブランド「Bianchi(ビアンキ)」など欧米4ブランドが2018年以降電動アシスト自転車を日本市場向けに初投入する。

トレックは最大航続距離が約100kmのクロスバイク、2011年設立の米国の新興自転車ブランド「Tern(ターン)」は20インチの折り畳み自転車を発売する。

独の「corratec(コラテック)」もクロスバイクとMTB(マウンテンバイク)を1車種ずつ投入する。

いずれのモデルも価格は20万円を超える。

それらのモーターユニットを供給するのは自動車部品で世界トップの独ボッシュだ。
日本ではほとんど知られていないが、同社は電動アシスト自転車向けのモーターやバッテリーでも世界のマーケットリーダーだ。

欧州ではこの5年ほどで「E-Bike(Eバイク)」と称される電動アシスト自転車市場が急拡大。

2016年には約170万台が売れ、前年比2割増ものハイペースで成長を続ける。
今や自転車販売全体の1割に迫るEバイクの伸びを牽引するのはスポーツタイプだ。

ボッシュはサイクリングを楽しくすることにこだわった。
従来の他社製品では自転車の速度が遅い時はアシストが強く、速度が速い時にはアシストが弱くなるため、サイクリストからは「坂道を速いスピードで登っている時こそアシストが欲しい」という要望が出ていた。

そこで自動車の電動パワーステアリング用モーターや電動工具で培ってきた技術を製品開発に活かした。
低速域だけでなく、高速域でも強いアシストを可能にした。

同時に、自転車メーカー各社がバッテリーをフレームと一体型にするなどしてデザインを磨き上げた結果、サイクリストだけでなく、流行に敏感な若年層もEバイクに飛びついた。

この流れに乗り、ボッシュは世界のEバイク市場の7割を占める欧州で電動自転車向けモーターユニットのトップサプライヤーに登りつめた。

ボッシュが展開するEバイク向けユニットは4種類。
日本市場には3.2kgと小型軽量ながらも十分なパワーが出る2タイプの中から、トルクが大きいほうを選んだ。

トレックはボッシュ製ユニットの供給を受けて欧米でEバイクを展開しているが、「日本でもスポーツEバイクが注目され始めた絶好のタイミング」(広報)として商品発売を決めた。

第一弾となる新製品のクロスバイクは税込み23万0040円。
「汗をかかずに通勤したい」という都市部の消費者が最大のターゲットだ。

迎え撃つ日本勢はどうか。
実はこの数年、日本勢からもスポーツタイプの新製品投入が相次いでいる。

電動アシスト自転車を1993年に世界で初めて発売したヤマハ発動機は、新スポーツブランド「YPJ」を2015年に発表。
第一弾のロードバイクに続き、昨年発売したクロスバイクの「YPJ-C」はビギナーや女性の取り込みに成功し、販売は伸びているという。

パナソニックは電動アシストのMTB「XM1」を9月に発売した。
税込み35万6400円と国内メーカーが販売する電動アシスト自転車では最も値段が高いモデルだ。

欧州は元々自転車の盛んな地域だが、Eバイクの登場で従来の自転車に比べて乗る時間が2~3倍になったり、スポーツとしてサイクリングをあらたに始める人が増えたりと、Eバイクはいまや新しいライフスタイルの一つになっている。

ママチャリが席巻している日本では自転車のデザインもどこか画一的だ。
オシャレでかっこいい「Eバイク」が広がり出すと、自転車カルチャーが変わるかもしれない。

by mnnoblog | 2017-10-21 08:25 | 産業

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