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カテゴリ:国際( 124 )

我慢の巨象、竜に怒る

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  (日経新聞の画像と記事より)

ふだんはおとなしいが、本気で怒ると凶暴になり、敵に挑みかかることもある。
そんな象を国のシンボルとするインドが、大切な縄張りを荒らされた、と怒っている。
相手は竜、すなわち中国だ。

インドが憤る直接のきっかけは、中国が進める「一帯一路」構想である。
海と陸の交通路を整え、中国から欧州まで新シルクロード経済圏を築こうというものだ。

中国は5月、北京に百数十カ国を招き、同構想のお披露目の会合を開いた。
日本を含め、ほとんどのアジア諸国が参加したが、インドは代表を送らず、事実上、ボイコットした。

その理由は地図をみれば明白だ。
スリランカ、ミャンマー、パキスタン、そしてインド洋からアフリカ大陸への玄関となるジブチ……。
インド側からみれば、同構想はまるで自分を包囲するように設計されている。

インドがさらに憤慨したのは、彼らがパキスタンと領有権を争うカシミール地方の一部までもが、対象に含まれていることだ。
内情に通じたインドの元高官は、同国政府の怒りをこう代弁する。

「中国はインドを包囲しようとするだけでなく、主権問題にまで手を突っ込んできた。まるで植民地主義の再来だ」

インドの外交専門家らによると、同国は膨張する中国を警戒しながらも、あまり刺激せず、それなりに共存しようとしてきた。

たとえば2007年、日米豪、シンガポールと初めて合同軍事訓練をしたが、その後は続けていない。
中国をにらみ、日米が日米豪印外相会談の枠組みを創設しようと持ちかけても、応じようとしなかった。
いずれも中国の反発を気にしてのことだ。

こうした我慢にどこまで意味があるのか。
インドは最近、疑問を深めている。
ニューデリーで政府・軍の元幹部らに取材すると、次のような説明が返ってきた。

中印は一緒に台頭できると思い、共存をめざしてきた。
だが、中国はそう考えていないと思わざるを得ない。
インドの生存空間を、あからさまに圧縮しようとしているからだ――。
モディ首相はこんな思いを募らせているという。

中国はインドによる反発を過小評価していたのだろう。
中国からみれば、一帯一路構想はインド包囲網より、米国に対抗し、中国主導の秩序を築くことに主眼があるからだ。

仮にそうだとしても、インド側は自分たちへの挑戦だと受け止め、すでに対中政策の見直しに入っている。
そのひとつが中印国境への対応だ。

1962年に戦火を交えた中印にはなお国境が定まらない係争地があり、その面積はマレーシアと同じくらいの広さにおよぶ。

そこではしばしば、両軍による越境事件が起きている。
インドの軍事専門家らによると、インド政府は中国軍の越境に対し、これまで抗議こそすれ、大規模な部隊を送って対抗することには慎重だった。
中国を相手に、あまり緊張を高めたくないからだ。

ところがモディ首相はここにきて方針を変え、中国軍が越境してきた場合にはこれまで以上に素早く、強く対抗する方針に転じたという。
弱腰の態度をみせれば、中国はさらに強気になってしまうとの判断に至ったからだ。

この新方針はさっそく実行に移された。
6月から約2カ月半にわたり、中国とブータンの国境でインド軍が中国軍と対峙し、一触即発となった危機がそれだ。

インドは中国に対抗し、500人以上の部隊を国境に送り、その後方にも1万数千人の兵力を集結させた。
中印戦争以来、インド側がこれほどの兵力を投じ、中国に対峙したのは初めてだ。

対中観の冷えはインド外交にも表れつつある。

9月、ニューヨークで開かれた日米印の外相会議。
日米は日米豪印4カ国の外相会議の創設を、そっと再提案した。
すると、対中配慮からこれまで慎重だったインドが初めて、前向きな姿勢をにじませたという。

モディ政権は米国との軍事協力を加速するほか、中国と領有権争いを演じるベトナムなどへの軍事支援にも着手している。
対中けん制の狙いがあるのは明らかで、中国も警戒を強めている。

問題は、中印がさらに対立を深めていくのか、それともやがて関係改善に向かうのかだ。
曲折はあっても、長期的には前者の可能性が小さくない。
中印戦争以来、両国には不信感のマグマがたまっているからだ。
「一帯一路」構想がそこに火を付けた。

21世紀半ばまでに米国と並ぶ強国になると宣言する以上、中国は勢力圏を広げる動きをさらに速めるとみられる。
一方のインドも国力が増すにつれ、自己主張を強めるにちがいない。
両国のすみ分けはさらに難しくなるだろう。

国連の予測によれば、インドは24年ごろまでに中国を抜き、世界一の人口大国になる。
国内総生産(GDP)は約5分の1にとどまっているが、成長率は中国を上回っている。

2つの大国のライバル関係は、アジアだけでなく、世界の地政学図をも左右する。
日米が6日の首脳会談でかかげた「自由で開かれたインド太平洋」の戦略の将来にもかかわってくる。

竜が暴れないよう、象が重し役を果たすなら、アジアの安定には好ましい。
逆に両者が大げんかとなり、周りを巻き込むようなシナリオは避けなければならない。

by mnnoblog | 2017-11-20 08:13 | 国際
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  (AFPの記事より)

北朝鮮の元駐英副大使で、昨年韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)氏が1日、米下院外交委員会の公聴会で証言し、北朝鮮国民による蜂起が金正恩(キム・ジョンウン)政権の崩壊につながる可能性があると指摘した。

一方で、北朝鮮への軍事行動は人的被害を招くと警告した。

太氏は「金正恩は恐怖による支配で権力を強化していると表面的には見えるが、北朝鮮国内では予想外に大きな変化が起こっている」と強調。
また、国内では「自由な市場が活性化している」とした上で、「多くの国民が自由な資本主義スタイルの市場に慣れてきており、国が営む社会主義経済システムがどんどん過去のものになっている」と述べた。

また北朝鮮では福祉制度が崩壊していると指摘し、「公務員、軍人、警備隊員らの多くが、賄賂や国有資産の着服に頼って生きている」と語った。

さらに北朝鮮国民は「国のプロパガンダには関心を示さず、違法に持ち込まれた韓国映画やドラマを見るようになっている」と述べるとともに、「多くの国民が自分たちの生活状況の現実を徐々に知り始めている」と説明。

こうした変化が起こっているため、北朝鮮で国民の蜂起の可能性が高まっていると考えられると語った。

 一方、北朝鮮に対する軍事行動については「決定前に非軍事的対応が全て取られたかどうか再考する必要がある」と慎重な姿勢を示し、「軍事行動によって発生する人的被害を考慮しなければならない」と警告した。

by mnnoblog | 2017-11-08 08:43 | 国際
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  (Newsweekの画像と記事より)

サウジアラビアが核開発の意向を示したことで、中東情勢はさらに緊迫の度を増しそうだ。

サウジアラビアの政府高官は10月30日、核開発計画の一環として、ウラン濃縮に着手する意向を明らかにした。
核兵器の開発につながりかねないこの動きにより、中東ではさらに緊張が高まるだろう。

サウジアラビアで原子力政策を統括するハーシム・ビン・アブドラ・ヤマニは、原油埋蔵量で世界2位を誇る同国が核開発を推進する狙いについて、「自給自足」を目指すためだと説明した。
経済を多様化し、石油依存から脱却しようとする、サウジアラビアの大きな社会・経済変革の一環だという。
ヤマニは、サウジアラビアによる核開発の目標は「平和利用目的の原子力の導入」だと語った。

しかし原子炉は、核兵器の材料になるレベルまでウランの濃縮度を高めるためにも使用できる。
また、サウジの宿敵であるイランは、アメリカなど6カ国々との核合意により核兵器開発を禁止され手足を縛られている。

そのため一部のアナリストは、サウジアラビアが原子力を手にすることにより、地域のバランスが崩れるのではないかと懸念する。

ドナルド・トランプ米大統領はイランに対して敵対的で、核合意の遵守状態を疑って再交渉を迫ってきた。

「サウジアラビアの核開発をアメリカが支持すれば、現在のイランとの核合意を脅かす材料がさらに増えることになる」と、ハワード・ベーカー・センターの研究員、ハリソン・エーキンズは本誌の取材に対して述べた。

ペルシャ湾岸地域の国々のうち、現時点で核開発を実行に移しているのはアラブ首長国連邦(UAE)だけ。
UAE初の原発は、2018年に稼働する見込みだ。

サウジアラビアは、まずは2基の原子炉を建設する計画であり、2018年末までに、建設に向けた契約を結ぶと、ヤマニは10月30日の会議で明らかにした。

中東地域で核兵器を保有しているのは、イスラエルだけ。
現在の勢力バランスを維持してこられたのは、核兵器の力が大きい。

by mnnoblog | 2017-11-07 08:23 | 国際
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  (Newsweekの画像と記事より)

民主化運動が弾圧された天安門事件以降に生まれ、空前の経済成長下でほとんどが一人っ子として育ち、近年で最も強力な指導者、習近平氏が権力に就く時に成人した──。

彼らを、中国の「バブル世代」と呼ぼう。

繁栄と平和の中で育った世代であり、彼らの祖父母や親の世代が味わった「吃苦(苦しみに耐える)」を体験することなくここまできた。

彼ら「2012年組」は、1990年代にこの国に生まれた1億9000万人の若者のほんの一部だ。
しかし「習近平の中国」と、その遺産を引き継ぐ世代の内情について、重要な洞察を与えてくれた。

習氏が任期5年の国家主席として再任されるにあたり、ロイターは「バブル世代」の若者をより深く知ろうと、習氏が国家主席になった5年前の2012年に大学を卒業して就職した男女10人に取材した。

彼らは北京、上海、成都、武漢、そして湖北省蒲団などに住み、家庭環境は多様だ。
彼らの親も、工場の元所有者や、飲食店経営者、医者、建設作業員、役場職員や、学校の事務員と多岐にわたる。

彼ら10人は、北京にある中国有数の経済系大学、武漢にある地方大学、成都にある技術大のいずれかを卒業しており、限られた人数しか高等教育を受けることのできない中国では、恵まれているといえる。

それぞれの経験は時に大きく異なるが、共通項も多い。

楽観的でオープンな考え方を持ち、思ったまま行動する傾向がある一方で、祖先や家族に対する義務も重要だと考えている。
独身者の一部が結婚のプレッシャーを感じている一方で、伝統的な生き方を拒否する人もいる。

彼らは、旅と経験を渇望しており、おおむね恵まれた環境で育った。
衣食面で必要なものはほとんど手に入ったし、任天堂の「ゲームボーイ」やバケーションなど、必要以上のものを手にすることもあった。

毎年続く異例の経済成長に慣れきっており、痛みを伴う減速など想像もできない。
彼らの世界においては、不動産価格とは上昇するもので、成功を望む若い世代にとって「もろ刃の剣」となっている。

右肩上がりは、当たり前のことだ。

「世界は良くなる一方だと思う」と、成都に住む28歳の個人会計士Qin Lijuanさんは言う。
「もし経済危機に直面しても、安全な計画設計があれば、人生に心配することはない」

「2012年組」は、多くの中国人と同様、政治には無関心な傾向がある。
これは、記者の前でセンシティブな話題に本能的に慎重になった可能性もあるが、本当に無頓着なのかもしれない。

「自分の仕事には関係ないので、政治はどうでもいい」と、成都のインテリアデザイナーZheng Yueさん(27)は言う。
「それに、政治的な問題は私には解決できない。強い関心があったとしても、役に立たない。何も変えられないのだから」

習主席は、巨大な社会・経済課題に直面しており、政府支配の縮小ではなく、拡大が国にとって必要だとの考えを明確にしている。

だがもし、物事が思わぬ方向に逸れたり、中国の「物語」が変容したり、多くのエコノミストが不可避と考えている経済減速が起きたらどうなるのか。
大きな壁にぶつかったら、何が起きるのだろうか。

「若い中国人は、1950代や60年代のアメリカの若者と同様に、乗り越えるのがほとんど不可能なジェネレーションギャップと、巨大な楽観主義を抱えているようだ」と、北京大学・光華管理学院のマイケル・ペティス教授は言う。

だが若者は、親世代からのアドバイスや経験にもかかわわらず、将来のショックに対する心構えができていないだろう、と付け加えた。

by mnnoblog | 2017-10-30 08:14 | 国際
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  (Newsweekの画像と記事より)

10月18日、第19回党大会の開幕演説で習近平総書記は「新時代の中国の特色ある社会主義」思想を強調した。
これが24日に発表される党規約に加筆される「習近平思想」の表現となるだろう。約3時間半にわたる演説から読み解く。

習近平総書記は、2012年11月から始まった第18回党大会以来の5年間にわたる成果に関する党活動報告演説を行なったが、最も出現頻度が高かった言葉は「新時代の中国の特色ある社会主義思想(中国語では新時代中国特色社会主義思想)」だ。
次に多かったのが「中華民族の偉大なる復興」と「中国の夢」。

これらの事から、党規約に新しく加筆される「習近平思想」とは「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」だということがほぼ確実であろうことが判断される。

24日に発表される党規約に新たに書き加えられる「習近平思想」が「習近平新時代中国特色社会主義思想」であることを証拠づける、もう一つのフレーズがある。

それは習演説の中でひときわ強い印象を与えた「站起来、富起来、強起来!」という言葉だ。

「站起来(立ち上がる)」

とは中華民族が(アヘン戦争以来の)長い屈辱の歴史から遂に立ち上がったことを意味し、1949年10月1日に新中国(中華人民共和国)が誕生した日を指す。

その日から文化大革命(1966~76年)終息までが、「毛沢東時代」だ。


「富起来(豊かになる)」

とは、毛沢東の死後、1978年12月に鄧小平が「改革開放」を唱えてから中国が豊かになり始めた時期を指す。

これは「鄧小平時代」だ。


「強起来(強くなる)」

とは「毛沢東時代」も「鄧小平時代」も終わり、新たに中国が経済強国、軍事強国として「強国化」した時代で、これを「習近平時代」と位置付けている。


つまり、この「站起来、富起来、強起来!」というフレーズは「時代区分」を表した言葉ということができ、「習近平時代」を「新時代」と位置付けていることを証明する論理構成のキーワードになっている。


事実、習近平は演説で、「わが国が世界の舞台で日増しに中心的な役割を果たすようになった」として、中国という特色ある社会主義国家が発展のモデルとチャンスを多くの国に提供し、人類に益々大きな貢献を続けていく時代になったとしている。


つまり、アメリカに追いつけ追い越せにより、まもなく中国が世界の「ナンバー1」になることを示唆しているということになる。


それでは「中国の特色ある社会主義思想」とは具体的に何を指すのかを考察してみよう。


社会主義国家は、平易な言葉でざっくり表現するなら、毛沢東が謳っていたように「金儲けをしない、誰もが平等な(貧乏だけど平等な)社会」ということになる。


その毛沢東時代、ひたすら毛沢東の権力闘争と政治運動に明け暮れて、毛沢東が逝去し文化大革命が終焉した時には、中国経済は壊滅的打撃を受けて、まるで廃墟のようだった。


そこで1978年12月、鄧小平は「改革開放」を宣言して、「富める者から先に富め(先富論)」を唱えて、「金儲け」を奨励した。


それまで金儲けに走った者を「走資派」と呼んで徹底して罵倒し逮捕投獄して2000万人以上が犠牲になっている。

人民はその恐怖の中で生きてきたので、誰も鄧小平の「先富論」を信じず、金儲けをしろと言っても尻込みして、なかなか動かなかった。


そこで鄧小平は金儲けに走る中国を「特色ある社会主義国家」とし位置付けて理論武装し、人民や老人組を納得させたのである。


この「特色」二文字によって、「社会主義国家でありながら資本主義国家と同じことをしているではないか」という矛盾に「解答」を与え、かつ「社会主義国家」であることを維持することにした。


つまり「中国共産党による一党支配体制だけは維持して、資本主義国家よりも資本主義的に金儲けをする」ことに正当性を与えたのである。

それからというもの人民は全て「銭に向かって進み始めた」!


この強引な論理武装から生まれたのが「底なしの腐敗」である。


こうして江沢民の「三つの代表」論(資本家でも党員になっていい)という理屈によって利権集団と中国共産党の幹部が「賄賂、汚職、口利き...」などによって癒着して生まれたのが「腐敗大国、中国」である。


鄧小平が国家を三大ポジション(中共中央総書記、中央軍事委員会主席、国家主席)を江沢民の一身に与えたのは、こうすれば三大ポジションの間で争いが起きないだろうと考えたからだが、そうはいかなかった。


そもそも中国の「文化」はそんなに「清廉」ではない。

腐敗によって栄え、腐敗によって亡んできたのが中国の歴代王朝だ。


「皇帝」が社会主義体制によって「総書記(紅い皇帝)」になろうと、中国のこの「腐敗文化」は数千年に及ぶ深い土壌に染み込んでいる。


三大ポジションを江沢民が手にすることによって、この「腐敗文化」は活火山の爆発のように中国の全土を覆い、手の付けようがなくなっていた。


だから2012年11月8日の第18回党大会開幕演説で、胡錦濤は最後の総書記としての演説を「腐敗問題を解決しなければ党が滅び国が滅ぶ」と締めくくり、11月15日、新しく総書記になった習近平は、その就任演説で胡錦濤を同じ言葉を繰り返した。


習近平が反腐敗運動に全力を尽くせるように、胡錦濤派全ての権限を習近平に渡し、習近平はその期待に応えて激しい反腐敗運動を展開した。


腐敗の頂点に立つのは江沢民とその大番頭の曽慶紅だ。


18日、3時間24分にわたる演説をしていた習近平が、「反腐敗運動」に触れ始めたとき、なんとCCTVは江沢民と曽慶紅の顔を映し出したのである。

江沢民は怨念を込めた憮然たる表情で上目づかいにうつむき、曽慶紅は白髪一本残していないほどに真っ黒に染めた頭をシャキッと持ち上げ、「さあ、来るなら来い!」と言わんばかりの闘志に燃えた表情で習近平を睨みつけていた。


それもそのはず。

習近平をこんにちの座に導いたのは、まさに江沢民と曽慶紅、この二人だったからである。


特に曽慶紅は、習近平が清華大学を卒業して初めて仕事を始めたときからの知り合いで、習近平は曽慶紅を「慶紅兄さん」と呼んで慕い、曽慶紅はどこまでも習近平を支えてきた。


2007年に上海市の書記に習近平を推薦したのも曽慶紅なら、同年、江沢民を説得して胡錦濤時代のチャイナ・ナイン(中共中央政治局常務委員会委員9人)にねじ込んだのも曽慶紅と江沢民だったからだ。

その恩を仇で返そうというのか――!


二人の怨念に満ちた表情を前に、反腐敗運動の成果を披露し今後も推進していくことを宣言した習近平の表情もまた、一歩も譲っていなかった。

それはまさに現在の中国の実態を映し出す象徴のような図柄であった。


10月24日午前、第19回党大会において、習近平思想を「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」という表現で党規約に明記することが決議された。


これまでと違い、政権一期目に政権スローガンを記入したことと、政権スローガンに個人名を記したことが、何よりも注目される。


党規約の冒頭には、「マルクス・レーニン主義思想、毛沢東思想、鄧小平理論、三つの代表(重要思想)、科学的発展観」があるが、「個人名+思想」という形の政権スローガンは「毛沢東思想」だけしかない。


中国では「理論」よりも「思想」が上にランクされているので、これにより習近平は毛沢東と並んだことになる。


マルクス・レーニン主義は共産主義そのものなので、それを除いて「中国共産党」に関してのみ言えば、中国には「毛沢東思想」と「習近平思想」があるのみだということになる。


次期指導者候補である「胡春華」と「陳敏爾」の名前が本当に新チャイナ・セブンのリストにないとすれば、これは習近平が三期続投を目論んだ結果ということもできる。


だとすれば、この習近平思想の党規約明記とともに、巨大な権力を持った政権が生まれたと考えていいだろう。


その目的は、あくまでも中国共産党の一党支配によって底なしの腐敗が蔓延し、紅い中国が腐敗によって崩壊するのを防ぐことだとみなしている。


やがてアメリカに追いつき、アメリカを追い越す。

習近平は「世界を制覇しようとしている」のである。

そうすれば、いかに腐敗が蔓延して矛盾をはらんでいる中国でも、人民は中国共産党に従うだろうというのが目的なのである。


中国共産党そのものが、抗日戦争で勇敢に戦ったからこそ強大化したのではなく、日本軍と共謀して国民党軍を弱体化させようとした毛沢東の戦略によって強大化したのだという事実を、習近平はどんなことがあっても隠蔽し続けたい。


だから言論弾圧は強まるばかりだ。


その言論弾圧をしている中国に媚を売る日本政府は、言論弾圧を肯定し、民主化運動で苦しんでいる一部の中国人民を、中国政府と手を携えて苦しめていることに気が付いているだろうか?

いや、気が付いていても、保身のために中国に媚びを売る。


それがやがて、どのような日中関係に発展していくかは、天安門事件以降に必死になって中国に手を差し伸べてきた日本政府が招いたこんにちの結果を見れば言を俟たない。


今後とも大局的視点で習近平の言動を見ていく必要があるのではないだろうか。


by mnnoblog | 2017-10-25 08:00 | 国際
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  (NewsweeK の画像と記事より)

<核の使用は人道的に許されない――第2次大戦後に確立された国際規範が「時代遅れ」と言われて捨てられる日は遠くない?>

アメリカの一部政策当局者の間で、北朝鮮のように道理の通じない相手には、核の報復をちらつかせても、核の先制攻撃を抑止できないのではないかという見方が浮上していることだ。

H・R・マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障担当)は8月、「従来の抑止論は北朝鮮には当てはまらない」と、あるインタビューで語った。

北朝鮮はこれまで、通常戦力による攻撃を受けた場合は、核を含む圧倒的武力によって報復する方針を明らかにしてきた。
従ってアメリカが何らかの先制攻撃を仕掛ければ、北朝鮮はほぼ確実に核兵器を使って反撃しようとするだろう。

北朝鮮はこれまで、通常戦力による攻撃を受けた場合は、核を含む圧倒的武力によって報復する方針を明らかにしてきた。
従ってアメリカが何らかの先制攻撃を仕掛ければ、北朝鮮はほぼ確実に核兵器を使って反撃しようとするだろう。

核のタブーとは、人道的・道徳的な理由から核の使用をタブーと見なす緩やかな国際規範だ。

今年8月に発表された調査では、核攻撃を行わなければ大勢の米兵が犠牲になる状況では、大多数のアメリカ人が「核攻撃を認める」と答えている。

現実の危機に際して核のタブーが個々の指導者に影響を与えるかどうかもはっきりせず、核のタブーと核抑止の関係も検証されていない。
核のタブーが働いたとされるケースでも、実は核抑止が奏功した場合もあるし、その逆もある。

要するに核抑止は誰もがそれを信頼している限りにおいてのみ有効であり、核兵器があるというだけでは不十分なのだ。

核抑止の効果が核のタブーに切り崩されることもある。
ある国に核のタブーがあり、核兵器があっても指導者がそれを使えないとなると、他国に対する「核の脅し」は効かなくなる。

緊張が高まり、一触即発の状況になったとき、あの国は核のタブーに縛られているから、核による報復攻撃はしないだろうとみれば、相手国はためらわずに核を使う。
つまり、タブーがタブーを解除するわけだ。

これとは逆にトランプ政権が北朝鮮に行っている威嚇(先制攻撃もあり得る、その結果、核戦争になることも覚悟の上だ)は、核抑止と核のタブーの効果を両方とも切り崩すことになる。

トランプのメッセージは、アメリカの核をもってしても北朝鮮の挑発を抑止できず、核のタブーでは狂った独裁者の暴走を抑えられないことを示唆しているからだ。

結果的に、核抑止も核のタブーも核戦争の防止には役立たないと人々に思わせることになる。

核抑止も核のタブーも社会的に形成された概念であり、政治的・軍事的な現実に対する共通認識に支えられている。
それが現実だというコンセンサスがある限りにおいてのみ、戦略的な安定(つまり平和)に貢献する。

トランプが先制攻撃をちらつかせることで、今やそのコンセンサスはじわじわ崩れかけている。
これは極めて危険な状態だ。

核抑止も核のタブーも機能しないとなれば、北朝鮮はさらに大胆に核カードを振りかざし、アメリカはますます攻撃的に北朝鮮を牽制するようになり、偶発的に核戦争が勃発するリスクはいや応なしに高まる。

そうなれば極東に限らず、あらゆる地域で核戦争の恐怖がにわかに現実味を帯びる。

by mnnoblog | 2017-09-22 08:04 | 国際
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  (BBC の画像と記事より)

核実験やミサイル発射を重ねる北朝鮮に対して米政府が石油禁輸と、最高指導者・金正恩氏の資産凍結を柱とする追加制裁案を、国連安全保障理事会に提出することになった。

しかし、安保理で拒否権を持ち、北朝鮮に石油を供給する中国やロシアは、かねてより制裁強化の効力に疑念を示しており、この米提案に同意するかは不透明だ。

米政府が6日までにまとめた追加制裁案は、北朝鮮に対する様々な石油関連製品の輸出を禁止すると共に、北朝鮮が輸出する繊維製品の購入を禁止する。

さらに、金正恩・朝鮮労働党委員長の資産を凍結し、海外渡航を禁止するほか、北朝鮮が海外に派遣する労働者の雇用を禁止する。

労働者の海外派遣と繊維製品の輸出が、北朝鮮に残された主要な外貨獲得手段とみられている。

ロイター通信によると、米国のニッキー・ヘイリー国連大使は11日にも追加制裁案について安保理の採決を求める方針。

しかし、拒否権を持つ中国とロシアをはじめ、他の安保理理事国が反対する可能性もある。

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9/12、AFP

国連安全保障理事会は11日(日本時間12日)、6回目の核実験を強行した北朝鮮に対する新たな制裁決議を全会一致で採択した。

北朝鮮製の繊維製品の輸出禁止や、北朝鮮への石油製品の輸出制限などが盛り込まれている。

決議は米国が作成し、中国とロシアも支持した。

米国は当初、北朝鮮に対する原油の全面禁輸や、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の在外資産凍結などを求めていたが、中国とロシアの支持を得るため譲歩した。

新たな決議では、北朝鮮への天然ガス液の禁輸なども科したほか、原油については現状の供給レベルを上限とした。

また各国に対し、北朝鮮労働者に新たな就労許可を与えることも禁止した。

また北朝鮮労働者の既存の労働契約の終了日について各国に報告を求め、この就労制度を段階的に廃止させることも目指す。

安保理は1か月前、北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を受けて、北朝鮮による石炭や鉛、海産物の輸出も禁じている。


by mnnoblog | 2017-09-10 08:25 | 国際
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  (日経新聞の画像と記事より)

「開発に成功した新型弾道ミサイルは中国全域を射程に収めた」。
北朝鮮の幹部が内部で口にしたという極秘の話の一部が、中朝国境をまたいで中国側に流れてきている。

日本上空を通過して米国領グアムのアンダーセン空軍基地周辺を狙うミサイル発射があるのか。
これが世界の関心の的だが、実は「中国全土が北朝鮮の核ミサイルの照準に入った」という事実も、現在の緊張状態を読み解くには極めて重要だ。

北朝鮮の意図の証拠ともいえる奇妙な映像が公表された。
5月21日、北朝鮮は朝鮮労働党委員長の金正恩も立ち会うなか、内陸部の平安南道の北倉(プクチャン)から、固体燃料を使った中距離弾道ミサイル「北極星2」を打ち上げた。
ミサイルは小型カメラを搭載し、地上が徐々に遠ざかる様子を空中から撮影していた。
北朝鮮の国営放送は翌日、かなり長い映像を大々的に公開した。

軍事専門家らの分析によると、映像は中国領内の地形を延々と映している。
北朝鮮内陸部から発射したミサイルは東方の日本海に落ちたにもかかわらず、映像は西側を映していた。

「中国遼寧省の大連や旅順がある遼東半島がくっきり見える。
西は中国の内海である渤海。南は黄海だ。ここまで雲はない。
渤海の西方には首都北京が見えるはずだったが、大気汚染を含む分厚い雲が邪魔した。
最後に映像は、わざわざアングルを北京上空に移し、照準を合わせた形を示した」

朝鮮半島の安全保障に詳しい国際関係筋は指摘する。
なぜ北朝鮮領内でなく、中国領の映像をあえて公開したのか。

北朝鮮の基地周辺は軍事機密だからという理屈は成り立つ。
だが、中国が制止する弾道ミサイルから中国を“盗撮”し、公開するのは「血で固めた友誼(ゆうぎ)」を結ぶ中国への信義にもとる。

「中距離弾道ミサイル、大陸間弾道ミサイル(ICBM)『火星12、14』は米国を狙うが、すでに金正恩が量産を指示した中距離の『北極星2』は北京も標的にできる。
言葉ではなく映像で意図を伝えたのは巧妙だ。
金正恩は(中国国家主席の)習近平を脅している」

先の国際関係筋の見方だ。
北朝鮮は「ICBMは米本土も視野に入れた」とうそぶく。
だが、今の技術ではワシントンをピンポイント攻撃する能力には乏しい。
しかし、平壌に近い北京や上海なら比較的容易だ。

北朝鮮は中国による制裁に強く反発した。
「レッドラインを越えた」とかつてない非難に踏み切ったのは、映像を公開する前のことだった。
とはいえ、経済的な中国頼みは明らかだ。
石油だけでない。北朝鮮の市場には中国製の日用品があふれる。
もはや中国なしに市民生活は成り立たない。

「金正恩は中国の“半植民地”になるのを避ける手段が核兵器だと考えている。
多様な弾道ミサイルと合わせれば、経済的にかなわない中国とも対等に話せる」。
別の中朝関係者の見方だ。
北朝鮮が最後に狙う米国との国交樹立も、中国依存から脱する手段になりうる。

中朝関係はここ数年、かなりこじれた。
要因は中国の内政にもある。
北朝鮮側の主役は、金正恩の叔父で、処刑された張成沢だ。
中国とのパイプ役だった張成沢は2012年8月17日、当時の中国トップ、胡錦濤と北京で会談した際、ある陰謀を口にした。

正統性なき金正恩を排し、中国の後ろ盾を得て兄の金正男を擁立したい――。
重大な提案だった。

胡錦濤は数日前、共産党大会を控えた「北戴河会議」で、長老の江沢民に自分の側近、令計画の不祥事を暴かれてタジタジになっていた。
決断力が衰えていた胡錦濤は即答を避け、「最高指導部会議に諮る」と伝えるしかなかった。
これが張成沢と金正男が死に至る運命を決めたといってよい。

国家安全省と警察を仕切った江沢民派の最高指導部メンバー、周永康は金正日時代の北朝鮮とパイプを築き、後継者に指名された金正恩とも気脈を通じていた。
周永康は張成沢の奇妙な動きを盗聴で察知し、内政の戦いに使う意図も絡めて、ひそかに金正恩へ通報した。
実際の連絡役は、後に習近平政権が摘発した国家安全省幹部の馬建だったという。

激怒したのは金正恩である。
張成沢を追い込み、13年末には有無を言わさず死刑にした。
17年2月にマレーシアで殺された兄、金正男の事件も、この延長線上にある。
5年かけて中国側にいる兄を追い詰めた。

中国の周永康は13年10月に自由を奪われ、同12月に公式に拘束された。
北朝鮮では張成沢の処分が同時進行していた。
中国が早期に周永康の拘束を公表すると、張成沢との関係に焦点が当たってしまう。
発表は翌夏まで引き延ばされた。

周永康は最後は無期懲役になった。理由は汚職だ。
だが、中国が発表した周永康の罪状を詳細に見ると、国家機密の漏洩が含まれる。
機密の中身は説明されていない。

これが12年夏、盗聴で得た張成沢を巡る情報を金正恩に漏らした罪だ。
中国の権力闘争も絡む国際情報戦の当事者だった金正恩は、中国の弱みも握った。

自分を下ろす陰謀に中国の一部が加担し、それを親切にも教えてくれた中国内勢力は粛清されてしまった。
だから「中国の言いなりにはならない。すでに核兵器を持ち、中国全土は照準の内にある」。
金正恩は逆に脅しているように見える。

中国も負けてはいない。
8月初旬、2回のICBM実験を受けた国連安保理の対北朝鮮制裁決議に賛成。
中国海軍は渤海と黄海で、初めて実戦形式の大規模ミサイル演習を実施した。

渤海と黄海は、先に紹介した北朝鮮のミサイル搭載カメラが映し出した海だ。
渤海沿いの北戴河は、まさに共産党大会前の重要会議の最中だ。
演習には北朝鮮攻撃を検討する米国、そして北朝鮮にも圧力をかける意図があった。

米朝双方をけん制した演習の意味を解説するような論評を、共産党機関紙、人民日報傘下の環球時報が8月11日に掲載した。

ポイントは2点ある。
「もし北朝鮮が米国領を威嚇するミサイルを発射し、報復を招いたなら中国は中立を保つ」
「米韓同盟が軍事攻撃で北朝鮮政権の転覆を謀り、朝鮮半島の政治版図を変えようとするなら、中国は手段を講じて断固阻止する」

「中国は中立を保つ」は、1961年締結の中朝友好協力相互援助条約の肝である「自動参戦条項」を履行しないという宣言だ。
条約は「一方の国が攻撃されて戦争状態に陥った場合、他方の国は全力で軍事援助を与える」と定める。
米軍が北朝鮮を攻撃すれば即、中国に軍事援助の義務が生じる。
すなわち米国と戦う羽目に陥るのだ。

冷戦時代の遺物といえる条項は、中国にとって重荷である。
「中国全土が核ミサイルの照準内」と習近平を脅す金正恩を助ける義務などない。
金正恩もそんな中国にいら立つ。

トップ就任後、一度も訪中できないのは「張成沢・周永康問題」のほか、中朝条約の今後を巡って深刻な対立があるからだ。

一方、中国は「朝鮮半島の版図変更なら断固阻止」の方で、武力行使を排除していない。

中国は「中立」を示唆するが、米軍が北朝鮮に踏み込むなら難民流入の阻止を名目に、中国軍が北朝鮮領内に侵入するだろう。
米軍と正面衝突しないだけだ。
ある中国の安保関係者は「国境から100キロほど入って“中立地帯”をつくる選択肢はある」と口にする。

米大統領のトランプも「米国への威嚇行為をしないことが、北朝鮮にとって最善だ。世界が見たことがない炎と怒りを受ける」と“口撃”した。
まるで北朝鮮の声明だ。
金正恩への強い怒りは習近平にもある。
だが、こちらはおくびにも出さない。

北朝鮮が反撃すれば在韓米軍などに深刻な打撃を受けるだけに、トランプは簡単には攻撃に踏み切れない。

当面は通商法301条を駆使し、中国による知的財産権侵害に関する調査の検討などで習近平をやる気にさせるぐらいしか手がない。

金正恩も8月15日、米領グアム周辺へのミサイル発射に関して「米国の行動をもう少し見守る」と思わせぶりな発言をした。米中朝のチキンレースはなお続く。

by mnnoblog | 2017-08-17 08:37 | 国際
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(J B press の画像と記事より)

インドと中国の国境地帯で起きている両軍のにらみ合いが、戦争に至る危機かもしれない。

きっかけは、中国がブータンと領有権争いを行っている地域で、中国軍が道路建設を行ったことだ。

ブータンの安全保障を担うインドが阻止に入り、印中両軍がにらみ合い、次第に兵力を増強しながら、6月半ば以降1か月以上にらみ合っている。

今、インドと中国の国境地帯で何が起きているのだろうか。
ことの発端は、中国がチベット地域で行っている道路建設が、中国とブータンと領有権問題で争っている地域にまで伸びてきたことだ。

結果、ブータンの安全保障を担うインドが兵を送り、これを阻止しようと立ちふさがった。

今回中国が建設している道路は、重量が40トンの大型車両の走行に耐えるものであるが、これは中国がチベットで実験を繰り返している新型戦車の走行に耐えるもので軍事目的に使用できる道路である。

また、この地域は、インド側にとって軍事的な重要地域であることも特徴だ。

インドは大きく2つの地域、インド「本土」と北東部に分かれていて、その2つの地域は、ネパール、ブータン、バングラデシュに挟まれた鶴の首のような細い領土でつながっている。

この細い部分は最も狭いところで幅17キロしかない。
この部分を攻められると、インド北東部全域がインド「本土」から切り離されてしまう安全保障上の弱点になっている。

そのため、インドはブータンと協定を結んで、ブータンにインド軍を駐留させて守ってきた。

今回、中国はこのようにインドにとって安全保障上重要な地域で、中国の戦車が移動できる道路を建設しているわけだ。
そして、インドがこれを阻止しようとすると戦争をちらつかせて脅しをかけていることになる。

国境地帯における中国側からインド側への侵入事件は、2011年は213件であったが、2012年は426件、2013年は411件、2014年は460件と上昇してきた。
中国は、戦闘機や弾道ミサイルの配備も積極的に進めている。

さらに、中国は印中国境防衛にかかわる周辺国、パキスタン、ネパール、バングラデシュなどでも影響力を拡大させている。
周辺国への政策もインフラ建設や軍事力の展開がメインだ。

特にパキスタンへは「一帯一路」構想の一部「中国パキスタン経済回廊」構想に基づいて、印パ間で領有権を争っているカシミールで道路建設を行い、パキスタン軍との共同国境パトロールなども実施している。

ネパールへも道路を延伸し、武器を密輸している。
そしてバングラデシュに対しても、港湾建設や武器輸出などを通じて影響力を行使し始めている。

そこでインド側も対処しようとしてきた。
インフラを建設し、軍の再配置も進め、戦車部隊、多連装ロケット部隊、巡航ミサイル、「Su-30戦闘機」の配備を進めている。

さらに、インドは、周辺国対策も進めている。
インフラ建設の支援と共に、武器輸入への影響力を狙った構想だ。

しかし、もし中国が本当にインドを攻撃するとしたら、どのような目的があるのだろうか。領土が欲しいのだろうか。

そもそも、中国とインドが争っている領土は、あまり魅力的な領土ではない。
標高は5000メートル以上もあり、人はほとんど住んでおらず、開発も進んでいない。
水以外の資源も特に見つかっていない。自然がとてもきれいなだけである。

では何が真の理由なのだろうか。

中国にとっての利益は、より外交上の成果を狙ったものだと考えられる。

例えば1962年の印中戦争は、米ソのどちらでもない非同盟諸国のグループにおいて、中国とインド、どちらが主導権を取るかの争いだった可能性がある。
実際、印中戦争の後、非同盟諸国の間でインドはリーダー格には見られなくなり、中国との協力関係を強化する動きが続いた。

では、現代の中国にとって、インドを攻撃する真の目的はあるのだろうか。
6月半ばから続いているインドと中国のにらみ合いの原因が、中国とインドではなく、中国とブータンの間で起きた領土問題に起因することは注目に値する。

もしインドが中国の要求しているように兵を引けばどうなるか。
ブータンは、インドはブータンを守ってくれないと考えて、インドのブータンに対する影響力が落ちることになる。

インドが譲歩すれば、ブータンだけでなく、ネパールやバングラデシュ、スリランカ、モルディブ、ミャンマーなどのインドの周辺国からみて、インドは弱い国として見られる可能性がある。

つまり、中国の軍事行動の真の目的には、他の周辺国に対して、インドと中国、どちらが影響力を有するか、争っている側面がある。

中国は「強い」リーダー的存在の国であり、インドは「弱い」国であると証明したい。

しかも、中国から見れば、インドのナレンドラ・モディ政権の政策は、挑戦的である。

例えばインド海軍の艦艇は、かつては、日本に寄港すると中国にも寄港していた。
ところがモディ政権成立の1か月前を最後に中国へ寄港しなくなった。
モディ政権が、中国軍のインド洋進出を不愉快に思っていることを示す明確なメッセージとなっている。
6月には、中国で行われた「一帯一路」サミットへのインド代表参加の招待を断っただけでなく、「一帯一路」構想に対する明確な反対の公式声明を出した。

そこには、インドが領有権を主張するカシミールで中国軍が道路建設を行っていることへの不満や、援助される各国の現地の事情を顧みずに援助漬けにする中国のプロジェクトの在り方への批判が書かれている。

そしてその直後に、日本と共に「アジア・アフリカ経済回廊」構想を打ち出し、日印主導の援助外交によって、中国への対抗心を明確に示している。

中国から見ると、これらのインドの行動は、中国がリーダー的な存在であることを否定する挑戦的な姿勢である。
だから、過去3回の軍事行動と同じように、中国の影響力を示す手段として軍事的な攻撃を選択することがあっても、不思議ではない。

--------------------------------------------------------------------------------------8/29,AFP

インド軍と中国軍がヒマラヤ山脈の要衝の係争地で数か月にわたりにらみ合いを続けていた問題で、インドは28日、この対立を解消することで中国側と合意し、両軍が撤退を始めたと発表した。

by mnnoblog | 2017-08-16 08:36 | 国際
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  (JBpress の画像と記事より)

中国はこれまでもインターネットに対する規制を行ってきたが、それを一層強化し始めた。

この6月から、ネット検閲を合法化する法律「ネット安全法」を施行した。
この法律ではネット管理者に対して個人情報の提供を義務づけるとともに、当局が恣意的にネット情報を削除することができる。

中国の当局はこれまでも似たようなことを行っていたのだが、これからはそのような行為を堂々と合法的に行えるというわけだ。

実態は明らかになっていないが、中国ではネットの監視に50万人もの人々が従事していると言われる。
ビッグデータの活用も盛んなようで、ネットで購買する品目やインターネットの通信状況から、危険人物を探り出しているそうだ。

海外情報の入手制限は大学にまで及ぼうとしている。
北京大学に対して当局は英語のテキストを“なるべく”使用しないように指導し始めた。
また、外国人研究者を“なるべく”招聘しないように、とも指示したという。

外国語のテキストを使わないようにとの指令は、共産党が中国の科学技術や経済に対する自信を示すとともに、慢心を表すものとも言えよう。
現在、中国当局はコンピュータやロボット技術、また最先端医療の分野を除けば、もはや世界から学ぶものはないと思っている。

なぜ中国共産党はこれほどまでに国民を海外の情報から遠ざけようと思い立ったのであろうか。

中国経済は減速傾向が著しい。

天安門事件後、中国共産党の正統性は経済成長によって担保されてきた。
多くの国民が共産党を支持してきたのは、政治的な自由はないものの、経済が勢いよく成長してきたからである。

しかし、ここにきて経済成長の息切れが明らかになり、共産党は統治の正統性を失いつつある。

現在、景気減速の影響を最も強く受けているのは、新たに就職する若者である。
若者に閉塞感が漂い始めた。
多くの若者が現状に不満を感じ始めたのだ。
当局はこのような状況の中で、ネットや大学を介して若者に危険思想が入り込むことを警戒している。

しかし、翻って考えれば、このような海外情報の遮断は愚民政策であり、愚行と言えよう。
このようなことを続けていれば、社会や経済の停滞を招くことは必至である。

気宇の小さな指導者である習近平の登場によって、中国は鎖国への道を歩み始めたように思える。

by mnnoblog | 2017-08-03 08:48 | 国際

のほほんと---


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