私のゆるゆる生活

mnnoblog.exblog.jp
ブログトップ

カテゴリ:国際( 119 )

d0187477_19060892.jpg
  (NewsweeK の画像と記事より)

<核の使用は人道的に許されない――第2次大戦後に確立された国際規範が「時代遅れ」と言われて捨てられる日は遠くない?>

アメリカの一部政策当局者の間で、北朝鮮のように道理の通じない相手には、核の報復をちらつかせても、核の先制攻撃を抑止できないのではないかという見方が浮上していることだ。

H・R・マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障担当)は8月、「従来の抑止論は北朝鮮には当てはまらない」と、あるインタビューで語った。

北朝鮮はこれまで、通常戦力による攻撃を受けた場合は、核を含む圧倒的武力によって報復する方針を明らかにしてきた。
従ってアメリカが何らかの先制攻撃を仕掛ければ、北朝鮮はほぼ確実に核兵器を使って反撃しようとするだろう。

北朝鮮はこれまで、通常戦力による攻撃を受けた場合は、核を含む圧倒的武力によって報復する方針を明らかにしてきた。
従ってアメリカが何らかの先制攻撃を仕掛ければ、北朝鮮はほぼ確実に核兵器を使って反撃しようとするだろう。

核のタブーとは、人道的・道徳的な理由から核の使用をタブーと見なす緩やかな国際規範だ。

今年8月に発表された調査では、核攻撃を行わなければ大勢の米兵が犠牲になる状況では、大多数のアメリカ人が「核攻撃を認める」と答えている。

現実の危機に際して核のタブーが個々の指導者に影響を与えるかどうかもはっきりせず、核のタブーと核抑止の関係も検証されていない。
核のタブーが働いたとされるケースでも、実は核抑止が奏功した場合もあるし、その逆もある。

要するに核抑止は誰もがそれを信頼している限りにおいてのみ有効であり、核兵器があるというだけでは不十分なのだ。

核抑止の効果が核のタブーに切り崩されることもある。
ある国に核のタブーがあり、核兵器があっても指導者がそれを使えないとなると、他国に対する「核の脅し」は効かなくなる。

緊張が高まり、一触即発の状況になったとき、あの国は核のタブーに縛られているから、核による報復攻撃はしないだろうとみれば、相手国はためらわずに核を使う。
つまり、タブーがタブーを解除するわけだ。

これとは逆にトランプ政権が北朝鮮に行っている威嚇(先制攻撃もあり得る、その結果、核戦争になることも覚悟の上だ)は、核抑止と核のタブーの効果を両方とも切り崩すことになる。

トランプのメッセージは、アメリカの核をもってしても北朝鮮の挑発を抑止できず、核のタブーでは狂った独裁者の暴走を抑えられないことを示唆しているからだ。

結果的に、核抑止も核のタブーも核戦争の防止には役立たないと人々に思わせることになる。

核抑止も核のタブーも社会的に形成された概念であり、政治的・軍事的な現実に対する共通認識に支えられている。
それが現実だというコンセンサスがある限りにおいてのみ、戦略的な安定(つまり平和)に貢献する。

トランプが先制攻撃をちらつかせることで、今やそのコンセンサスはじわじわ崩れかけている。
これは極めて危険な状態だ。

核抑止も核のタブーも機能しないとなれば、北朝鮮はさらに大胆に核カードを振りかざし、アメリカはますます攻撃的に北朝鮮を牽制するようになり、偶発的に核戦争が勃発するリスクはいや応なしに高まる。

そうなれば極東に限らず、あらゆる地域で核戦争の恐怖がにわかに現実味を帯びる。

by mnnoblog | 2017-09-22 08:04 | 国際
d0187477_19262951.jpg
  (BBC の画像と記事より)

核実験やミサイル発射を重ねる北朝鮮に対して米政府が石油禁輸と、最高指導者・金正恩氏の資産凍結を柱とする追加制裁案を、国連安全保障理事会に提出することになった。

しかし、安保理で拒否権を持ち、北朝鮮に石油を供給する中国やロシアは、かねてより制裁強化の効力に疑念を示しており、この米提案に同意するかは不透明だ。

米政府が6日までにまとめた追加制裁案は、北朝鮮に対する様々な石油関連製品の輸出を禁止すると共に、北朝鮮が輸出する繊維製品の購入を禁止する。

さらに、金正恩・朝鮮労働党委員長の資産を凍結し、海外渡航を禁止するほか、北朝鮮が海外に派遣する労働者の雇用を禁止する。

労働者の海外派遣と繊維製品の輸出が、北朝鮮に残された主要な外貨獲得手段とみられている。

ロイター通信によると、米国のニッキー・ヘイリー国連大使は11日にも追加制裁案について安保理の採決を求める方針。

しかし、拒否権を持つ中国とロシアをはじめ、他の安保理理事国が反対する可能性もある。

----------------------------------------------------------------------------

9/12、AFP

国連安全保障理事会は11日(日本時間12日)、6回目の核実験を強行した北朝鮮に対する新たな制裁決議を全会一致で採択した。

北朝鮮製の繊維製品の輸出禁止や、北朝鮮への石油製品の輸出制限などが盛り込まれている。

決議は米国が作成し、中国とロシアも支持した。

米国は当初、北朝鮮に対する原油の全面禁輸や、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の在外資産凍結などを求めていたが、中国とロシアの支持を得るため譲歩した。

新たな決議では、北朝鮮への天然ガス液の禁輸なども科したほか、原油については現状の供給レベルを上限とした。

また各国に対し、北朝鮮労働者に新たな就労許可を与えることも禁止した。

また北朝鮮労働者の既存の労働契約の終了日について各国に報告を求め、この就労制度を段階的に廃止させることも目指す。

安保理は1か月前、北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を受けて、北朝鮮による石炭や鉛、海産物の輸出も禁じている。


by mnnoblog | 2017-09-10 08:25 | 国際
d0187477_12374693.jpg
  (日経新聞の画像と記事より)

「開発に成功した新型弾道ミサイルは中国全域を射程に収めた」。
北朝鮮の幹部が内部で口にしたという極秘の話の一部が、中朝国境をまたいで中国側に流れてきている。

日本上空を通過して米国領グアムのアンダーセン空軍基地周辺を狙うミサイル発射があるのか。
これが世界の関心の的だが、実は「中国全土が北朝鮮の核ミサイルの照準に入った」という事実も、現在の緊張状態を読み解くには極めて重要だ。

北朝鮮の意図の証拠ともいえる奇妙な映像が公表された。
5月21日、北朝鮮は朝鮮労働党委員長の金正恩も立ち会うなか、内陸部の平安南道の北倉(プクチャン)から、固体燃料を使った中距離弾道ミサイル「北極星2」を打ち上げた。
ミサイルは小型カメラを搭載し、地上が徐々に遠ざかる様子を空中から撮影していた。
北朝鮮の国営放送は翌日、かなり長い映像を大々的に公開した。

軍事専門家らの分析によると、映像は中国領内の地形を延々と映している。
北朝鮮内陸部から発射したミサイルは東方の日本海に落ちたにもかかわらず、映像は西側を映していた。

「中国遼寧省の大連や旅順がある遼東半島がくっきり見える。
西は中国の内海である渤海。南は黄海だ。ここまで雲はない。
渤海の西方には首都北京が見えるはずだったが、大気汚染を含む分厚い雲が邪魔した。
最後に映像は、わざわざアングルを北京上空に移し、照準を合わせた形を示した」

朝鮮半島の安全保障に詳しい国際関係筋は指摘する。
なぜ北朝鮮領内でなく、中国領の映像をあえて公開したのか。

北朝鮮の基地周辺は軍事機密だからという理屈は成り立つ。
だが、中国が制止する弾道ミサイルから中国を“盗撮”し、公開するのは「血で固めた友誼(ゆうぎ)」を結ぶ中国への信義にもとる。

「中距離弾道ミサイル、大陸間弾道ミサイル(ICBM)『火星12、14』は米国を狙うが、すでに金正恩が量産を指示した中距離の『北極星2』は北京も標的にできる。
言葉ではなく映像で意図を伝えたのは巧妙だ。
金正恩は(中国国家主席の)習近平を脅している」

先の国際関係筋の見方だ。
北朝鮮は「ICBMは米本土も視野に入れた」とうそぶく。
だが、今の技術ではワシントンをピンポイント攻撃する能力には乏しい。
しかし、平壌に近い北京や上海なら比較的容易だ。

北朝鮮は中国による制裁に強く反発した。
「レッドラインを越えた」とかつてない非難に踏み切ったのは、映像を公開する前のことだった。
とはいえ、経済的な中国頼みは明らかだ。
石油だけでない。北朝鮮の市場には中国製の日用品があふれる。
もはや中国なしに市民生活は成り立たない。

「金正恩は中国の“半植民地”になるのを避ける手段が核兵器だと考えている。
多様な弾道ミサイルと合わせれば、経済的にかなわない中国とも対等に話せる」。
別の中朝関係者の見方だ。
北朝鮮が最後に狙う米国との国交樹立も、中国依存から脱する手段になりうる。

中朝関係はここ数年、かなりこじれた。
要因は中国の内政にもある。
北朝鮮側の主役は、金正恩の叔父で、処刑された張成沢だ。
中国とのパイプ役だった張成沢は2012年8月17日、当時の中国トップ、胡錦濤と北京で会談した際、ある陰謀を口にした。

正統性なき金正恩を排し、中国の後ろ盾を得て兄の金正男を擁立したい――。
重大な提案だった。

胡錦濤は数日前、共産党大会を控えた「北戴河会議」で、長老の江沢民に自分の側近、令計画の不祥事を暴かれてタジタジになっていた。
決断力が衰えていた胡錦濤は即答を避け、「最高指導部会議に諮る」と伝えるしかなかった。
これが張成沢と金正男が死に至る運命を決めたといってよい。

国家安全省と警察を仕切った江沢民派の最高指導部メンバー、周永康は金正日時代の北朝鮮とパイプを築き、後継者に指名された金正恩とも気脈を通じていた。
周永康は張成沢の奇妙な動きを盗聴で察知し、内政の戦いに使う意図も絡めて、ひそかに金正恩へ通報した。
実際の連絡役は、後に習近平政権が摘発した国家安全省幹部の馬建だったという。

激怒したのは金正恩である。
張成沢を追い込み、13年末には有無を言わさず死刑にした。
17年2月にマレーシアで殺された兄、金正男の事件も、この延長線上にある。
5年かけて中国側にいる兄を追い詰めた。

中国の周永康は13年10月に自由を奪われ、同12月に公式に拘束された。
北朝鮮では張成沢の処分が同時進行していた。
中国が早期に周永康の拘束を公表すると、張成沢との関係に焦点が当たってしまう。
発表は翌夏まで引き延ばされた。

周永康は最後は無期懲役になった。理由は汚職だ。
だが、中国が発表した周永康の罪状を詳細に見ると、国家機密の漏洩が含まれる。
機密の中身は説明されていない。

これが12年夏、盗聴で得た張成沢を巡る情報を金正恩に漏らした罪だ。
中国の権力闘争も絡む国際情報戦の当事者だった金正恩は、中国の弱みも握った。

自分を下ろす陰謀に中国の一部が加担し、それを親切にも教えてくれた中国内勢力は粛清されてしまった。
だから「中国の言いなりにはならない。すでに核兵器を持ち、中国全土は照準の内にある」。
金正恩は逆に脅しているように見える。

中国も負けてはいない。
8月初旬、2回のICBM実験を受けた国連安保理の対北朝鮮制裁決議に賛成。
中国海軍は渤海と黄海で、初めて実戦形式の大規模ミサイル演習を実施した。

渤海と黄海は、先に紹介した北朝鮮のミサイル搭載カメラが映し出した海だ。
渤海沿いの北戴河は、まさに共産党大会前の重要会議の最中だ。
演習には北朝鮮攻撃を検討する米国、そして北朝鮮にも圧力をかける意図があった。

米朝双方をけん制した演習の意味を解説するような論評を、共産党機関紙、人民日報傘下の環球時報が8月11日に掲載した。

ポイントは2点ある。
「もし北朝鮮が米国領を威嚇するミサイルを発射し、報復を招いたなら中国は中立を保つ」
「米韓同盟が軍事攻撃で北朝鮮政権の転覆を謀り、朝鮮半島の政治版図を変えようとするなら、中国は手段を講じて断固阻止する」

「中国は中立を保つ」は、1961年締結の中朝友好協力相互援助条約の肝である「自動参戦条項」を履行しないという宣言だ。
条約は「一方の国が攻撃されて戦争状態に陥った場合、他方の国は全力で軍事援助を与える」と定める。
米軍が北朝鮮を攻撃すれば即、中国に軍事援助の義務が生じる。
すなわち米国と戦う羽目に陥るのだ。

冷戦時代の遺物といえる条項は、中国にとって重荷である。
「中国全土が核ミサイルの照準内」と習近平を脅す金正恩を助ける義務などない。
金正恩もそんな中国にいら立つ。

トップ就任後、一度も訪中できないのは「張成沢・周永康問題」のほか、中朝条約の今後を巡って深刻な対立があるからだ。

一方、中国は「朝鮮半島の版図変更なら断固阻止」の方で、武力行使を排除していない。

中国は「中立」を示唆するが、米軍が北朝鮮に踏み込むなら難民流入の阻止を名目に、中国軍が北朝鮮領内に侵入するだろう。
米軍と正面衝突しないだけだ。
ある中国の安保関係者は「国境から100キロほど入って“中立地帯”をつくる選択肢はある」と口にする。

米大統領のトランプも「米国への威嚇行為をしないことが、北朝鮮にとって最善だ。世界が見たことがない炎と怒りを受ける」と“口撃”した。
まるで北朝鮮の声明だ。
金正恩への強い怒りは習近平にもある。
だが、こちらはおくびにも出さない。

北朝鮮が反撃すれば在韓米軍などに深刻な打撃を受けるだけに、トランプは簡単には攻撃に踏み切れない。

当面は通商法301条を駆使し、中国による知的財産権侵害に関する調査の検討などで習近平をやる気にさせるぐらいしか手がない。

金正恩も8月15日、米領グアム周辺へのミサイル発射に関して「米国の行動をもう少し見守る」と思わせぶりな発言をした。米中朝のチキンレースはなお続く。

by mnnoblog | 2017-08-17 08:37 | 国際
d0187477_12363108.jpg
(J B press の画像と記事より)

インドと中国の国境地帯で起きている両軍のにらみ合いが、戦争に至る危機かもしれない。

きっかけは、中国がブータンと領有権争いを行っている地域で、中国軍が道路建設を行ったことだ。

ブータンの安全保障を担うインドが阻止に入り、印中両軍がにらみ合い、次第に兵力を増強しながら、6月半ば以降1か月以上にらみ合っている。

今、インドと中国の国境地帯で何が起きているのだろうか。
ことの発端は、中国がチベット地域で行っている道路建設が、中国とブータンと領有権問題で争っている地域にまで伸びてきたことだ。

結果、ブータンの安全保障を担うインドが兵を送り、これを阻止しようと立ちふさがった。

今回中国が建設している道路は、重量が40トンの大型車両の走行に耐えるものであるが、これは中国がチベットで実験を繰り返している新型戦車の走行に耐えるもので軍事目的に使用できる道路である。

また、この地域は、インド側にとって軍事的な重要地域であることも特徴だ。

インドは大きく2つの地域、インド「本土」と北東部に分かれていて、その2つの地域は、ネパール、ブータン、バングラデシュに挟まれた鶴の首のような細い領土でつながっている。

この細い部分は最も狭いところで幅17キロしかない。
この部分を攻められると、インド北東部全域がインド「本土」から切り離されてしまう安全保障上の弱点になっている。

そのため、インドはブータンと協定を結んで、ブータンにインド軍を駐留させて守ってきた。

今回、中国はこのようにインドにとって安全保障上重要な地域で、中国の戦車が移動できる道路を建設しているわけだ。
そして、インドがこれを阻止しようとすると戦争をちらつかせて脅しをかけていることになる。

国境地帯における中国側からインド側への侵入事件は、2011年は213件であったが、2012年は426件、2013年は411件、2014年は460件と上昇してきた。
中国は、戦闘機や弾道ミサイルの配備も積極的に進めている。

さらに、中国は印中国境防衛にかかわる周辺国、パキスタン、ネパール、バングラデシュなどでも影響力を拡大させている。
周辺国への政策もインフラ建設や軍事力の展開がメインだ。

特にパキスタンへは「一帯一路」構想の一部「中国パキスタン経済回廊」構想に基づいて、印パ間で領有権を争っているカシミールで道路建設を行い、パキスタン軍との共同国境パトロールなども実施している。

ネパールへも道路を延伸し、武器を密輸している。
そしてバングラデシュに対しても、港湾建設や武器輸出などを通じて影響力を行使し始めている。

そこでインド側も対処しようとしてきた。
インフラを建設し、軍の再配置も進め、戦車部隊、多連装ロケット部隊、巡航ミサイル、「Su-30戦闘機」の配備を進めている。

さらに、インドは、周辺国対策も進めている。
インフラ建設の支援と共に、武器輸入への影響力を狙った構想だ。

しかし、もし中国が本当にインドを攻撃するとしたら、どのような目的があるのだろうか。領土が欲しいのだろうか。

そもそも、中国とインドが争っている領土は、あまり魅力的な領土ではない。
標高は5000メートル以上もあり、人はほとんど住んでおらず、開発も進んでいない。
水以外の資源も特に見つかっていない。自然がとてもきれいなだけである。

では何が真の理由なのだろうか。

中国にとっての利益は、より外交上の成果を狙ったものだと考えられる。

例えば1962年の印中戦争は、米ソのどちらでもない非同盟諸国のグループにおいて、中国とインド、どちらが主導権を取るかの争いだった可能性がある。
実際、印中戦争の後、非同盟諸国の間でインドはリーダー格には見られなくなり、中国との協力関係を強化する動きが続いた。

では、現代の中国にとって、インドを攻撃する真の目的はあるのだろうか。
6月半ばから続いているインドと中国のにらみ合いの原因が、中国とインドではなく、中国とブータンの間で起きた領土問題に起因することは注目に値する。

もしインドが中国の要求しているように兵を引けばどうなるか。
ブータンは、インドはブータンを守ってくれないと考えて、インドのブータンに対する影響力が落ちることになる。

インドが譲歩すれば、ブータンだけでなく、ネパールやバングラデシュ、スリランカ、モルディブ、ミャンマーなどのインドの周辺国からみて、インドは弱い国として見られる可能性がある。

つまり、中国の軍事行動の真の目的には、他の周辺国に対して、インドと中国、どちらが影響力を有するか、争っている側面がある。

中国は「強い」リーダー的存在の国であり、インドは「弱い」国であると証明したい。

しかも、中国から見れば、インドのナレンドラ・モディ政権の政策は、挑戦的である。

例えばインド海軍の艦艇は、かつては、日本に寄港すると中国にも寄港していた。
ところがモディ政権成立の1か月前を最後に中国へ寄港しなくなった。
モディ政権が、中国軍のインド洋進出を不愉快に思っていることを示す明確なメッセージとなっている。
6月には、中国で行われた「一帯一路」サミットへのインド代表参加の招待を断っただけでなく、「一帯一路」構想に対する明確な反対の公式声明を出した。

そこには、インドが領有権を主張するカシミールで中国軍が道路建設を行っていることへの不満や、援助される各国の現地の事情を顧みずに援助漬けにする中国のプロジェクトの在り方への批判が書かれている。

そしてその直後に、日本と共に「アジア・アフリカ経済回廊」構想を打ち出し、日印主導の援助外交によって、中国への対抗心を明確に示している。

中国から見ると、これらのインドの行動は、中国がリーダー的な存在であることを否定する挑戦的な姿勢である。
だから、過去3回の軍事行動と同じように、中国の影響力を示す手段として軍事的な攻撃を選択することがあっても、不思議ではない。

--------------------------------------------------------------------------------------8/29,AFP

インド軍と中国軍がヒマラヤ山脈の要衝の係争地で数か月にわたりにらみ合いを続けていた問題で、インドは28日、この対立を解消することで中国側と合意し、両軍が撤退を始めたと発表した。

by mnnoblog | 2017-08-16 08:36 | 国際
d0187477_12500551.jpg
  (JBpress の画像と記事より)

中国はこれまでもインターネットに対する規制を行ってきたが、それを一層強化し始めた。

この6月から、ネット検閲を合法化する法律「ネット安全法」を施行した。
この法律ではネット管理者に対して個人情報の提供を義務づけるとともに、当局が恣意的にネット情報を削除することができる。

中国の当局はこれまでも似たようなことを行っていたのだが、これからはそのような行為を堂々と合法的に行えるというわけだ。

実態は明らかになっていないが、中国ではネットの監視に50万人もの人々が従事していると言われる。
ビッグデータの活用も盛んなようで、ネットで購買する品目やインターネットの通信状況から、危険人物を探り出しているそうだ。

海外情報の入手制限は大学にまで及ぼうとしている。
北京大学に対して当局は英語のテキストを“なるべく”使用しないように指導し始めた。
また、外国人研究者を“なるべく”招聘しないように、とも指示したという。

外国語のテキストを使わないようにとの指令は、共産党が中国の科学技術や経済に対する自信を示すとともに、慢心を表すものとも言えよう。
現在、中国当局はコンピュータやロボット技術、また最先端医療の分野を除けば、もはや世界から学ぶものはないと思っている。

なぜ中国共産党はこれほどまでに国民を海外の情報から遠ざけようと思い立ったのであろうか。

中国経済は減速傾向が著しい。

天安門事件後、中国共産党の正統性は経済成長によって担保されてきた。
多くの国民が共産党を支持してきたのは、政治的な自由はないものの、経済が勢いよく成長してきたからである。

しかし、ここにきて経済成長の息切れが明らかになり、共産党は統治の正統性を失いつつある。

現在、景気減速の影響を最も強く受けているのは、新たに就職する若者である。
若者に閉塞感が漂い始めた。
多くの若者が現状に不満を感じ始めたのだ。
当局はこのような状況の中で、ネットや大学を介して若者に危険思想が入り込むことを警戒している。

しかし、翻って考えれば、このような海外情報の遮断は愚民政策であり、愚行と言えよう。
このようなことを続けていれば、社会や経済の停滞を招くことは必至である。

気宇の小さな指導者である習近平の登場によって、中国は鎖国への道を歩み始めたように思える。

by mnnoblog | 2017-08-03 08:48 | 国際
d0187477_16314711.jpg
  (AFP BB NEWS の画像と記事より)

北朝鮮の2016年の経済は、同国の兵器開発をめぐる国際社会からの制裁にもかかわらず、17年ぶりの高水準で成長したとのデータを21日、韓国の中央銀行、韓国銀行(BOK)が発表した。
輸出の急増と、鉱業など産業界の生産増加が後押しとなっているという。

BOKによると北朝鮮の昨年の国内総生産(GDP)は前年比3.9%増で、1999年の6.1%以来の高水準となっている。

北朝鮮は経済統計を公式に発表していない。

このためBOKは、韓国の国家機関や民間から集めたデータに基づき毎年の推計を出している。


貧しい北朝鮮は、核兵器開発をめぐってこれまでに繰り返し国連(UN)の制裁を受けており、燃料の輸入や鉱物資源の輸出などは唯一の同盟国であり最大の貿易相手国である中国に大きく依存している。


北朝鮮経済の12.6%を占める鉱業の生産高は8.4%増、同じく基幹産業である重化学工業の生産高は6.7%増となっている。

一方、総輸出は4.6%増で、これには採算性の高い鉱山資源の輸出が一役買っている。


中国は2月、ドナルド・トランプ米大統領からの圧力を受け、北朝鮮からの石炭の輸入停止を打ち出したが、その他の鉄や鉄鉱石などの産品については貿易を継続しており、孤立した北朝鮮政権の生命線となっている。


制裁にもかかわらず、北朝鮮経済が拡大している一因には最近、国の認可を受けた民間の市場が数百か所と増えていることがある。


ここでは中国から輸入された食料品から電子機器まであらゆるうものが売られている。

北朝鮮は社会主義を掲げ、いかなる変革ための計画も否定しているが、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の下で徐々に民間事業への扉を開いている、と専門家らは言う。


アナリストらは、広義の意味での民間セクターが、北朝鮮のGDPの4分の1~2分の1程度に貢献しているとみている。


by mnnoblog | 2017-08-02 08:30 | 国際
d0187477_09253761.jpg
  (FINANCIAL TIMES の記事より)

 昨年の米大統領選で、国民はブッシュ、クリントンという名門政治一族の候補はもう嫌だとノーを突きつけた。
だが代わりに選んだのは米史上、最も王朝と呼ぶのにふさわしい時代を築ける人物だ。

トランプ政権は事実上、トランプ一族と、すぐにクビを切れる数人の家臣から成る。
トランプ大統領がカタールを嫌うのは、同国の有力者がトランプ氏の娘婿クシュナー上級顧問に対し、5億ドル(約567億円)の融資を拒んだことが一因だとも取り沙汰される。

先週、トランプ氏の長男、トランプ・ジュニア氏が大統領選中、ロシア政府からクリントン元国務長官に不利な情報の提供を受けようとした疑惑が明らかになった。
ジュニア氏が公表したメールを読めば、父親なら息子の孝行ぶりを感じ、ロシア関係者なら、トランプ一族は取引する用意があると考えるだろう。
米国の検察官には、メールはトランプ陣営とロシアとの共謀を示す動かぬ証拠となる。

仮に、ロシア政府に近い弁護士と会ったのが一族でない選対幹部だったら、トランプ氏は解任すればすむ。
しかしジュニア氏はそうはいかない。
ジュニア氏とともに会合に出たのが選対会長だったマナフォート氏とクシュナー氏だという事実も動かせない。
大統領選はファミリービジネスだった。

トランプ政権にも同じことが言える。
王に話を聞いてもらうには、その子供と親しくしろ――。
中国やサウジアラビアなどがトランプ政権と外交交渉する際、実践していることだ。
ロシア疑惑を捜査するモラー特別検察官も、こうすれば疑惑の真相に迫れるはずだ。

トランプ氏にとってはルイ14世と同様、「朕(ちん)は国家なり」なのだ。
疑惑の捜査が進むにつれ、トランプ一族の利害があらゆる決断に、一段と大きな影響を与えるようになるだろう。

最大のゆがみが生じているのは米ロ関係だ。
7~8日の主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の期間中、トランプ氏は2時間15分にわたりロシアのプーチン大統領と会談した。
同席者はティラーソン米国務長官だけだった。

両首脳はサイバー空間での互いの国への介入をやめることで合意したというが、これはあり得ない話だ。
トランプ氏が程なくその合意をあきらめざるを得なかったのはさておき、問題は両首脳が今や道義的には同じレベルにいることだ。

トランプ一族は米国の対外関係のあらゆる場面に顔を出す。
クシュナー氏は事実上、政権の首席外交官だ。
その妻イバンカさんは米国のソフトパワーの顔だ。

G20サミットでトランプ氏が中座すると、イバンカさんが中国の習近平国家主席とメイ英首相の間の大統領の席に着いた。
ロシア疑惑の捜査が進み、危機が深刻になれば一族は一層、守りに入るだろう。

身内以外の者らも保身に走っている。
ジュニア氏の疑惑に関するリークはホワイトハウスが情報源だ。
バノン首席戦略官・上級顧問が関与した可能性もあるだろう。
一族ではないが最側近の同氏はクシュナー氏とは不仲であり、行政国家の転覆を狙っている。

米政府を機能不全にしたいなら今がその時だ。
ロシアの大統領であれ、石油王国の首長であれ、政権内部のニヒリストであれ、トランプ氏はまたとない機会を与えてくれている。
同氏が大統領でいる限り、米国という行政国家は非常にもろく、危うい。

by mnnoblog | 2017-07-27 08:23 | 国際
d0187477_08491917.jpg
  (Financial Timesの記事より)

ウォーターゲート事件のスキャンダルが頂点に達した時期でさえ、ニクソン大統領の国家安全保障問題担当補佐官だったヘンリー・キッシンジャー氏は、真剣に外交のかじ取りを続けた。

クリントン大統領の弾劾を巡る公聴会が行われた時期のオルブライト国務長官にも、同じことがいえる。

それとは逆に、トランプ政権のティラーソン国務長官の下で米国の外交は行方知れずの状態になっている。

ティラーソン氏はスキャンダルまみれの大統領に仕える身でもある。
ロシア疑惑に関する調査や捜査は強まっていく公算が大きい。

ところが、ティラーソン氏はまだ配下のチームすら固まらない状態で、幹部不在の国務省が世界における米国の地位に及ぼすダメージが積み上がっている。

幹部の不在には意図された部分もある。
トランプ氏は、国務省と米国際開発局(USAID)の予算をほぼ3割減の370億ドル(約4兆2000億円)に縮小する案を示している。

国防総省予算のわずか20分の1の額だ。
ある共和党上院議員が評したように、トランプ提案は「否決確定」であるとしても、そのメッセージは取り違えようがない。
米国の大統領が外交を重んじていないのだ。

ティラーソン氏は大統領のメッセージをさらに強めている。
同氏は最近の議会公聴会で、自らが率いる国務省の大幅な予算削減案を強く擁護し、他の国々が米国に代わって国際援助を行うべきだと述べた。

こうした発言は、外交手段としての援助の有効性を理解していないことを示している。
すでに米国の援助支出は、国内総生産(GDP)比で大半の欧米諸国を下回っている。

米国の外交政策の危機はトランプ氏の予算案だけにとどまらない。
政権発足からほぼ6カ月になるが、国務省で埋まっていない幹部ポスト188のうち23人の指名しかしていない。

ティラーソン氏は2週間前、自らの幹部人選をホワイトハウスの人事担当トップが却下したことに怒りをあらわにした。
ほとんどが忠誠心を疑われたキャリア官僚か共和党員で、その一人は同氏が国務副長官に選んだエリオット・エイブラムス氏だった。

エイブラムス氏は、大統領選中に出された「ネバートランプ(反トランプ)」の書状に署名してはいなかったが、トランプ氏に対する批判が引用されていたことで指名を却下された。
他の多くの面々も、いわゆる「忠誠心テスト」を通過できなかった。

ティラーソン氏の外交努力は、ホワイトハウスにも足を引っ張られている。
同氏は今週、アラブ主要4カ国がガス資源に恵まれた小国カタールと断交した問題で、調停を目指し中東を歴訪している。

だが、その努力は実を結びそうにない。
すでにトランプ氏が反カタールのツイートを投稿している。
「大統領がどのような構成で、いつ、なぜ、何をツイートするかに私は関与していない」と、ティラーソン氏は言う。

だが、それもさまつな問題だ。アラブ首長国連邦、サウジアラビア、バーレーン、エジプトの4カ国は米国務省を迂回し、トランプ氏の娘婿で実力者のジャレッド・クシュナー氏を相手にしている。

外交関連の経験は皆無であるにもかかわらず、クシュナー氏はイスラエルとパレスチナの和平交渉再開にも単独で動いている。
中国もトランプ氏の家族を相手にしたがっている。

ティラーソン氏も時に素人同然であることをうかがわせる。
先週のロシアのプーチン大統領との会談で、トランプ氏と同席したのはティラーソン氏だけだった。

経験豊富な外交官であれば、トランプ氏がサイバー犯罪と戦う米ロ共同部隊を創設しようと提案するのを引き留めていただろう。
このばかげたアイデアは即座に退けられた。
ティラーソン氏は、またも不面目な姿をさらす形になった。

6月の公聴会で、ティラーソン氏はこう述べた。
「予算が効果的な仕事の能力を決めることはない。決めるのは国務省の人員だ」。

その通りなのかもしれない。
だが、これほど多くの幹部ポストが埋まっていない状況では、むなしく響いた。

by mnnoblog | 2017-07-26 08:48 | 国際
d0187477_15405142.jpg
  (NEWSWEEKの画像と記事より)

北朝鮮問題には「いい解決策」が存在しないという見解は、今では定説化している。
だが、この説は正しくない。
軍事・経済面で圧倒的に不利なのは北朝鮮のほうだ。
長期的にみて、彼らが勝者になる公算は小さい。

北朝鮮の核と弾道ミサイルの脅威が、質量共に新たな段階に入ったことは確かだ。
だが日米韓の3カ国には、その脅威に対処し、北朝鮮の大規模な攻撃を防ぐ能力が十分にある。

アメリカと同盟国に全面戦争を仕掛ければ、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の体制は恐らく崩壊する。
北朝鮮にとって体制維持は最大の戦略目標だから、全面戦争を思いとどまらせることは可能だ。

また、北朝鮮問題には軍事的解決策がないという説もよく耳にする。
あまりに犠牲が大き過ぎるというのだ。

軍事的選択肢がない以上、外交解決を図るしかないと断言する向きも少なくないが、この説の妥当性は疑わしい。
少なくともこれまでは完全な誤りだった。

父ブッシュからオバマまで、4人のアメリカ大統領が外交努力に注力したが、ことごとく失敗した。
北朝鮮は核拡散防止条約(NPT)、92年の南北非核化共同宣言、同年のIAEA(国際原子力機関)との保障措置協定、94年の米朝枠組み合意、05年の6カ国協議の共同声明、12年の米朝合意を全て踏みにじった。

北朝鮮は12年の憲法修正で、自国を核保有国と明記した。
現体制が存続する限り、交渉による非核化は期待できない。

軍事も外交も駄目なら、選択肢はもうないのか。
「圧倒的な反撃の脅威」によって、北朝鮮に大規模攻撃を思いとどまらせることは可能だ。
少なくとも過去60年間はそうだった。

さらに豊かな韓国との経済格差の拡大によって、いずれ現体制は変化を余儀なくされるはずだ。
北朝鮮の崩壊を何十年待っても実現しなかったという反論もあるが、80年代のソ連についても同じことが言われていた。

持久戦になって苦しいのは北朝鮮だ。
アメリカや同盟国ではない。
その一方で、将来の北による攻撃または攻撃の可能性に備えて、具体的な対策をいくつか進めていく必要がある。

まず、防御と攻撃の両面でサイバー戦争の戦略を強化することだ。
それによって北朝鮮の攻撃を防ぐと同時に、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントへのハッキング事件のようなケースでは報復攻撃を実行する。

核兵器や核物質の密輸に対処するため、海と空の監視と規制、検問も強化すべきだ。
短・長距離のミサイルに対する「ミサイル防衛」の改良も必要だ。
北朝鮮による核の拡散や違法行為への対抗措置として、関係する中国企業への制裁などの2次的制裁も強化すべきだ。

つまり、アメリカは朝鮮半島の平和統一と非核化が可能になるまで、北朝鮮の封じ込めを徹底して続ければいい。
同盟国やその他の国々と協力できれば、最高の成果が期待できる。

北朝鮮が核兵器やミサイルの開発を着々と進めている現状を考えれば、恐怖心を抱くのも無理はない。
だが恐怖は判断力を曇らせ、危機への対応を遅らせる。
「恐怖は反応であり、勇気は決断である」と、チャーチル元英首相は言った。
今こそ恐怖心を和らげ、勇気を倍増させるような決断を下す時だ。

北朝鮮が核開発を進めていたとき、時間は彼らの味方だったが、核を保有した今は違う。
戦争を必要としない北朝鮮問題の解決策はある。
今こそそれを実行すべきだ。

by mnnoblog | 2017-07-25 08:01 | 国際
d0187477_06293130.jpg
  (THE WALL STREET JOURNAL の画像と記事より)

イタリア南部のカプリ島で、いとこ同士の町長2人が演じる小競り合いは、同国各地が抱えるジレンマを浮き彫りにする。
観光は重要な収入源だとわかっているが、その半面、観光客に対して(少なくともその一部には)もう来ないでほしいと多くの住民が思っているのだ。

昨年、カプリ町長のジョバンニ・デ・マルティーノ氏はうんざりしていた。
本土からのフェリーが立て続けに到着し、5分間隔で島に押し寄せる観光客が――多くは低予算のツアーで訪れる日帰り客だ――町の中心部に向かうケーブルカーに乗り込むために1時間も行列に並ぶのだ。

静かで神秘的な島の魅力が、群衆によって損なわれることを危惧したデ・マルティーノ町長は、フェリーの到着を20分間隔に伸ばすよう求めることにした。

しかし、ほどなく強敵が立ちふさがった。
島内のもう一つの町、アナカプリの町長で、いとこでもあるフランチェスコ・チェロッタ氏だ。

チェロッタ町長は「カプリの誰かさんは、いまだにジャクリーンとオナシスが(目抜き通りの)ヴィアカメレーレを散策することを夢見ているらしい」と現地メディアに語った。
「カプリが魅惑的な場所であることは必要だ。しかしホテルやレストラン、ショップを客で満たすことも必要だ」

最近、観光客が「トレビの泉」を全裸で泳いだり、ベネチアのリアルト橋から飛び込んだりする事件が続いたのを受け、旅行者殺到を食い止めたいという当局の決意は強まるばかりだ。
イタリアを訪れる観光客の数は2016年に5200万人を突破し、2000年に比べ30%近く増えた。

ただ、観光客が来ないようにするのは至難の業だ。
訪問を制限するには、法的にもビジネスの面でも実際の運用上でもさまざまな課題にぶつかる。

中部の都市フィレンツェでは2016年に観光バスの乗り入れ料金を引き上げる市の条例を定めたが、地方裁判所が一部を無効にする決定を下した。
同市は決定を不服として上訴し、一時差し止めの仮処分を勝ち取った。

地中海に面する海岸に沿って小さな漁村が集まるチンクエテッレには、昨年250万人が訪れた。
住民の数の実に500倍に相当する。
これに対し、地元当局は今春、5カ所をつなぐ風光明媚な散歩ルートに入場制限を設ける考えを明らかにした。
反対論はあったものの、6月にこの制度は施行された。

水の都ベネチアは、米ニューヨークのセントラルパークの5倍ほどの広さにもかかわらず、年間1500万人の日帰り観光客が押し寄せる。
市民や一部の政治家からは観光客の制限を求める声が強まっているが、法的な問題などもあってらちがあかない状況だ。

「都市を閉鎖することは望まない」と、同市観光局トップのパオラ・マール氏は話す。
「法律でもそれは許されない」

今月、何らかの方策を求める住民投票が実施された。
大勢の観光客を乗せた巨大クルーズ船が乗り入れ、サンマルコ広場に危険なほど近づいて航行するのをこれ以上放っておけないからだ。
政府は2012年に航路の変更を求める法令が定めたが、それが形骸化していることに住民の怒りは募るばかりだ。

by mnnoblog | 2017-07-09 08:27 | 国際

のほほんと---


by mnnoblog