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カテゴリ:健康( 104 )

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  (JBpress の記事より)

「耳を作ってもらうよりこれが欲しい」


生まれて初めて明瞭な音楽を聴いた高校1年生の少女は、「働いてお金を貯めて、来年には耳を作ってあげるからね」という母親にそう答えた。


この女子高生は6000~1万人に1人が発症するとされる先天性小耳症を伴う外耳道閉鎖症の難聴を患う。

生まれつき両耳とも耳の穴(外耳道)が形成されておらず、補聴器をつけることができない。


加我君孝・東京大学名誉教授は、外耳道形成、鼓膜形成、耳小骨形成の第一人者だ。

従来の補聴器よりも10万倍の音情報量を得られる磁歪素子を使う骨伝導補聴具を開発するディー・シー・シー(DCC)の國司哲次社長と、外耳道閉鎖症の難聴児向けに補聴具を共同開発している。


2016年1月に加我名誉教授が開催した患者と家族の会で、10数人の難聴児がDCCの骨伝導補聴具「プレスティン」で音楽を視聴した。

この時に、前出の女子高生も参加していた。


「補聴の目的は語音明瞭度を上げることです」と、國司さんは聴こえの仕組みから磁歪素子を骨伝導補聴具に採用した背景を説明する。

開発したのが次世代型骨伝導補聴具「プレスティン」だ。

磁歪素子を補聴具に応用したのは世界でDCCが初めて。


難聴には伝音性難聴と感音性難聴がある。

混合性難聴はこの2つタイプが混在した状態を言う。


伝音性難聴は鼓膜損傷や中耳炎といった外耳と中耳の障害によるもので、治療できる可能性が高く、その多くは従来の補聴器で補える。


しかし、老人性難聴や騒音性難聴、突発性難聴などの感音性難聴は、聴覚器官の細胞が損傷あるいは死滅することが原因で、治療ができない。


65歳を超えると、約5割の人が老人性難聴になると言われる。


「特に、か行、さ行、た行といった子音が聴こえづらくなります。

脳が聴き取れる音を頼りに言葉を推測しますが、意味が通じるわけではありません。

聴き返しても結局は聴き取れないため、聴こえたふりをしてしまう」


こうした問題に対処しようと、愛知県の海南病院は2016年春に「プレスティン」を導入した。


「耳が遠い高齢者の外来の診察に役立てられています。

患者さんのプライバシーを守るため、医者は大きな声で話しづらい。

患者さんと意思疎通を取りながら直接会話ができることが、適切な治療につながるのではと期待しています」


by mnnoblog | 2017-09-24 08:17 | 健康
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  (HUFFPOSTの画像と記事より)

「私たちはこれ以上、痩せ過ぎのモデルを使わない」

グッチなどを抱える「ケリング」と、ルイ・ヴィトンなどを抱える「LVMH」は世界最大級のファッション企業だ。

共にパリに本社を置いている2社がタッグを組み、思い切った決断をした。


両社は9月6日、モデルたちの心と体の健康を守るために、痩せ過ぎモデルの起用を禁止すると共同の憲章表明した。


憲章によると、両社は今後フランスのサイズ基準で女性はサイズ34以上、男性はサイズ44以上のモデルのみを起用する。

また、16歳以下のモデルは起用しない。


近年、ファッションブランドが痩せ過ぎのモデルを起用することに対して批判が高まっている。

モデルたちの健康問題を引き起こすだけではなく、若者に現実離れしたボディイメージを植え付けたり、摂食障害の引き金になる可能性があるためだ。


フランスでは2017年5月、極端に痩せているモデルの活動を禁止する法律が施行された。

この法律で、モデルはBMI(肥満度を示す体格指数)が低すぎず、健康体であることを証明する医師の診断書を提出するよう義務付けられた。


ケリング会長のフランソワ=アンリ・ピノー氏は「この憲章が、ファッション業界全体にとって刺激となり他のブランドが続くことで、モデル全員の働く環境が改善して欲しい」とコメントしている。


また、LVMHの取締役のアントワーヌ・アルノー氏は「モデルの心と体の健康は、私たちにとって、大変重要です。

高級ブランドのリーダーとして、私たちはこの問題の先駆者にならなければいけないと考えています。

私たちが、ファッションの新しいスタンダードを作らなければいけません」と綴る。


LVMHはルイ・ヴィトンやディオール、フェンディ、マーク・ジェイコブスやケンゾー、

ケリングはグッチやサン・ローラン、バレンシアガなどの世界的に有名な高級ブランドを傘下に置く。


今回の憲章は、両者が保有する全ブランドに、世界中で適用される。

これだけの大きな影響力をもつブランドが、イニシアチブをとったことは、モデルのあり方を見直す世界的に大きな動きにつながるかもしれない。


by mnnoblog | 2017-09-17 08:42 | 健康
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  (Business Journal の画像と記事より)

糖尿病の初期には自覚症状がない。
そのため、本人が気づかないまま病気が進行し、重症化する危険もある。
次の項目に当てはまるかどうか、チェックしてほしい。

□食後に強い眠気に襲われる
□食事中や食後に大量の汗をかく
□空腹時にイライラしやすい

上記に当てはまった人は「糖尿病予備軍(糖尿病前症)」の可能性がある。
糖尿病予備軍とは、まだ糖尿病にはなっていないが、血糖値が安定していない状態を指している。

糖尿病予備軍の段階で運動や食生活を改善すれば、2型糖尿病(食べ過ぎ・運動不足などで、インスリンの分泌量や効き具合が低下して起こる糖尿病)を予防できる可能性は高い。
しかし、放置しておけば5年以内に2型糖尿病に移行するケースが多いとされている。

日本の糖尿病の総患者数は、厚生労働省が実施している「患者調査」(14年)によると316万6000人。
日本の人口は約1億2700万人なので、糖尿病の患者数は「約2%」に当たる。

アメリカに比べて日本では糖尿病の患者の割合はかなり少ないが、だからといって安心はできない。
冒頭で述べたとおり、本人が気づかないうちに病状が進行している可能性があるからだ。

また、健康診断では判断できない糖尿病予備軍もある。
それが「血糖値スパイク」だ。
「スパイク」とは、とがったものを表し、血糖値スパイクは血糖値が急激に上昇した後で急激に下降する現象を指す。

血糖値スパイクの人は、冒頭の3項目に当てはまる。
ひどい場合は、食事をした後でガクッと気絶するように眠ってしまい、空腹時は落ち着きを失う。

「糖尿病は太っている男性の病気」と思われがちだ。
しかし、血糖値スパイクはやせ形の女性にも見られる。
健康診断で「正常」と判断されても、糖尿病対策を心がけたい。

by mnnoblog | 2017-09-04 08:37 | 健康
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  (日経新聞の記事より)

1滴の血液から13種類のがんの有無を同時に診断できる検査法を国立がん研究センターなどのチームが開発した。

がんが分泌する微小な物質を検出する。
「腫瘍マーカー」を使う現在の血液検査と比べ発見率が高く、ごく初期のがんも見つけられるのが特長という。

チームはがん患者らを対象とした臨床研究を進め、数年以内に国の承認を得たい考え。
センターの落谷孝広・分野長は「患者の体への負担が少ない比較的安価な検査になる。早期発見できれば、より効果的な治療ができ、医療費削減にもつながる」と話している。
費用は2万円になる見込み。

腫瘍マーカー検査は、主にがん細胞が死ぬ時に出るタンパク質を検出するもので、ある程度がんが進行しないと発見が難しい上、正確性に問題がある。

チームは、がんが血中に分泌する「マイクロRNA」と呼ばれる物質に着目。
国立がん研究センターや国立長寿医療研究センターなどに冷凍保存されていた約4万3千人の血液を使い、乳がんや大腸がんなど13種類のがんに特徴的なマイクロRNAを調べた。

すると、それぞれのがんに2~10種類の特有のマイクロRNAがあることが判明。分泌量の変化を調べることで、どのがんも95%程度の確率で発見できた。

13種類は胃がん、食道がん、肺がん、肝臓がん、胆道がん、膵臓(すいぞう)がん、大腸がん、卵巣がん、前立腺がん、ぼうこうがん、乳がん、肉腫、神経膠腫。

人工知能(AI)を分泌量の分析に利用すれば、検査の精度をさらに高められる可能性がある。

ただ長期間保存した血液は、マイクロRNAが変質している恐れもある。
このため新たにがんと診断された人ら3千人以上の新鮮な血液を採取し、有効かどうかを調べる臨床研究を進める。

現段階では一般の人を対象とした研究は予定していない。
チームは、まず乳がんの検査法としての承認を目指したいとしている。

by mnnoblog | 2017-08-27 08:43 | 健康
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  (MOCOSUKIの記事より)

就寝中に、意識があるのに身体を動かせなくなってしまう状態を「金縛り」と呼びます。
身体が締めつけられるような感覚があるので、この呼び名がついたともいわれています。

欧米ではかつて、金縛りは「夢魔」の仕業と考えられていました。
日本でも仏教用語の「金縛法:きんばくほう」に由来して、不動明王が敵や賊を身動きできなくする密教の秘法に、その名は由来するとのこと。

現在では、金縛りは「睡眠麻痺」に分類され、睡眠時に全身の脱力と意識の覚醒が同時に起こった状態とされています。

そして、この状態は睡眠サイクルの異常から起きることが知られています。
睡眠時にノンレム睡眠とレム睡眠とが交互に現れるのが睡眠サイクルです。

通常、入眠後に深いノンレム睡眠がおとずれ、時間が経つにつれて、ノンレム睡眠が減り、レム睡眠が多くなって、一晩に何回か睡眠サイクルを繰り返した後に、目覚めるのが正常な「睡眠・覚醒」です。

ところが、何らかの理由で、入眠時にいきなりレム睡眠が現れることがあるそうです。
これを「入眠期レム睡眠」と呼んでいます。

ノンレム睡眠では脳も身体も眠っていますが、レム睡眠では脳は目覚めています。
ところが、入眠期レム睡眠では、普通のレム睡眠より脳の活動水準が高くなって、あたかも覚醒状態が続いているように感じられるそうです。

また、レム睡眠では身体は目覚めているものの、骨格筋の緊張は覚醒時より減少しています。
こうした状態が金縛りの生理的条件となってきます。

入眠期レム睡眠が起こりやすい条件はどのようなものでしょうか。
生活が不規則で、睡眠サイクルが乱れていたり、極度に疲れていたり、心身に強いストレスを受けていると、起こりやすいと言われています。

ちなみに、大学生を対象とした調査から、はじめて金縛りを経験した年齢は、15~18歳が多いという結果も報告されています。
思春期で心身が不安定になったり、大学入学や就職といったライフイベントによってストレスが高じやすい時期とも重なります。

睡眠障害に「ナルコレプシー」という病気があります。
まれな病気ですが、10代で発病し、入眠期レム睡眠が起こりやすく、金縛り体験もよく起こるとされています。

「情動性脱力発作」といって、泣いたり笑ったりすると全身の力が抜けてしまう症状や、「睡眠発作」と呼ばれる、時と場所を選ばず、突然眠気が襲い、眠ってしまう病気です。
もちろんこの場合は、睡眠専門医を受診することが必要です。

by mnnoblog | 2017-08-06 08:02 | 健康
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  (HEALTH PRESS の画像と記事より)

国立がん研究センターと日本電気(NEC)は、「大腸がん」や前がん病変である「大腸腫瘍性ポリープ」を内視鏡検査時にリアルタイムに発見する人工知能(AI)を用いた内視鏡診断サポートシステムの開発に成功した。

大腸腫瘍性ポリープは、大腸がんの前がん病変であるため、内視鏡検査時に発見・摘除すれば、大腸がんへの進行を抑制できる。
だが、ポリープのサイズが小さく、形状が認識しにくければ、内視鏡医が見逃す場合が少なくない。

だが、この内視鏡診断サポートシステムなら、大腸の内視鏡検査時に撮影されるMRI画像によって、大腸がんや大腸腫瘍性ポリープをリアルタイムで自動検知し、内視鏡医の病変発見をサポートできる。

国立がん中央病院内視鏡科による所見が付けられた約5000例の内視鏡画像をNECのAI技術に学習させ、新たな内視鏡画像を解析したところ、がん発見率は98%だった。

また、画像強調内視鏡などの新しい内視鏡を利用し、大腸ポリープの表面の微細構造をAIに学習させれば、大腸ポリープの質的診断や大腸がんのリンパ節転移の予測も可能になる。

AIの内視鏡検査で大腸ポリープを高精度に発見できるなら、大腸がん克服への道筋が見えてくる。がん医療の大きなブレークスルーが起きるかもしれない。

このような内視鏡検査技術や手術支援ロボットなど、医療現場をイノベーションするAIのニューウエーブの進化は、目まぐるしい。
AIと産学官研究プロジェクトのコラボは、日々加速しているので、目が離せない。

by mnnoblog | 2017-07-31 08:01 | 健康
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  (NEWSWEEKの画像と記事より)

イタリアのラクイア大学の研究チームは、「チョコレートやココアは、ヒトの認知機能を保護し、様々な認知機能の低下を抑える栄養補助食品になりうる」との見解を明らかにした。

チョコレートやココアの主原料であるカカオ豆に含まれている"フラバノール"は、ポリフェノールの一種で、心臓への血流量を高めたり、血栓を防止したり、細胞損傷を抑えるなどの健康効果が認められている。

フラバノールを摂取した後、情報を一時的に保持して処理するワーキングメモリ(作業記憶)が増大したり、視覚情報の処理が改善するなど、認知能力に有益な効果が、被験者の多くに認められた。

また、一般に、睡眠不足によって認知障害を招くことがあるが、睡眠不足の翌朝にココアを摂取した女性には、このような認知障害が起こりづらかったという。

一連の研究結果のうち、とりわけ研究チームを驚かせたのは、「高齢者に毎日、フラバノールを摂取させると、認知能力が改善した」ことだ。

注意力、処理速度、ワーキングメモリ、言語能力などの要素において大きな効果があったが、記憶力が低下しはじめている高齢者ほど、その効果は顕著であった。

研究チームは、このメカニズムを解明する上で、フラバールが海馬の『歯状回』への血流量を血流量を増加させる作用に注目している。

脳の中で学習や記憶に重要な役割を果たす『歯状回』は、加齢によって機能低下しやすいことから、加齢に伴う記憶力低下の一因とみられてきた。
ゆえに、この研究結果は、『歯状回』への血流量を増加させるフラバールによって高齢者の認知能力が改善する可能性を示すものと考えられよう。

いわずもがな、ココアやチョコレートは、フラバノールだけでなく、カフェインやテオブロミンといった成分のほか、砂糖や牛乳なども含まれており、高カロリーな食べ物。
ちなみに、この研究チームでは、フラバノールが豊富なダークチョコレートを推奨している。

by mnnoblog | 2017-07-22 08:55 | 健康
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  (文芸春秋の記事より)

団塊世代の高齢化が進み、認知症患者は600万人に上るとも言われる2020年の終末期医療のあり方を、石飛幸三医師が語る。

2010年、自然に任せて穏やかな最期を迎える「平穏死」を提言してから6年が経ちました。
その間、終末期医療の現場は大きく変わりました。
中でも特筆すべきは、胃ろうで栄養補給をしている認知症高齢者が、56万人から20万人に激減したことでしょう。

胃ろうは、消化管が機能している患者に対する人工栄養の方法のひとつです。
私が「特別養護老人ホーム 芦花ホーム」の常勤医となった2005年頃は、重度の認知症高齢者に胃ろうを造設するのは当たり前のように行われていました。

平均年齢90歳、認知症率9割のこのホームに赴任して、私が衝撃を受けたのは、胃ろうをつけられ、ものも言えずにただ寝たきりになっている高齢者の姿でした。
彼らはこのような延命を望んでいただろうか。
自分たち医師は何をやっているのだろうと、ハタと気づいたのです。

問題は他にもありました。
人間は老齢になるにしたがって、次第に食べる量が減り、自然に苦痛を感じにくくなる生理的メカニズムが働き、死の準備をしていきます。

しかし、胃ろうの場合、十分な栄養カロリーを摂取してもらうため、必要以上に栄養液を投与することになり、最期を迎える準備をするどころか、逆流して誤嚥性肺炎が起こってしまうことが度々ありました。

このような終末期医療の実状を知る医療・看護関係者は、私同様、胃ろうをはじめとする経管栄養の在り方に疑問を呈するようになりました。
そうした声に後押しされたのか、2014年、胃ろう手術の診療報酬が4割削減され、安易に胃ろうを造設する流れが減少に転じたのです。

ただし、今も胃ろうの代わりに、「中心静脈栄養」や「経鼻胃管」といった形で、静脈や鼻から管を通して栄養剤を投与する「経管栄養」という名の延命が続けられています。
胃ろうが悪いのではなく、高齢者に必要以上の栄養液を投与し続けることに問題の本質があるのですが、その点は未だ十分に理解されていないのかもしれません。

胃ろう問題に限らず、こうした本質を見誤った医療が平然とまかり通っているのは、医療が「老衰」の本質を捉えられていないからです。
ちなみに、胃ろうは、1人あたり年間約500万円の医療費がかかります。

2025年、日本は団塊の世代が後期高齢者となり、4人に1人が高齢者という超高齢社会を迎えます。

2020年代に入るまでに、老年医療・終末期医療における治療の一つひとつを、本当に患者のために役立つ医療か否かを仕分ける「曲がり角」が来ているように思います。

国民医療費が40兆円を超え、国家の財政も破たんしかねないとなると、問題を先送りしてきた日本人も目を覚まさざるを得ないでしょう。

がん、動脈硬化、そして認知症。
これらは病気であると同時に、その原因は老化です。

がんは免疫の減衰であり、動脈硬化は血管というパイプの目詰まり。
こうした体の不調は、車の部品と同じで「耐用年数」が近づいているということなのです。

芦花ホームで終末期医療の現実を知るにつれ、病を治すはずの医療が、「老衰」と闘う医療になってしまっているのではないかと疑問を持つようになりました。
医療に「老衰」を止めることはできない。
死を敗北とするならば、「負け戦」が続くのは当然です。
では、負け戦にどこまで医療費を注ぐのか。
我々一人ひとりに節度が求められています。

死の間際まで様々な医療装置に繋がれている人は、皆険しい顔をしています。
「平穏死」で亡くなった人が穏やかな死に顔をしているのとは対照的です。
寿命が来て、人生の終着駅に近づいている人に“死なせない”ための医療を施すことは、自然の摂理に反しています。
過剰の医療は、患者本人を苦しめ、尊厳を奪うことになりかねません。

日本では8割が病院で亡くなっていますが、今後は、在宅や老人ホーム等の施設で亡くなる人の割合が増えていくでしょう。
その時に必要なのは、施設や在宅における看護師や介護士の充実です。
高齢者には身体のケアよりもむしろ、心のケアが求められるからです。

「人間の終末期には、医療ではなく、むしろ福祉ケアが必要だ」

いまから20年ほど前にそう主張したのは、社会学者の広井良典氏でした。
『社会保険旬報』に「死は医療のものか」と題した論文を発表したのです。

しかし、これを読んだ医師たちからは大反発が巻き起こりました。
彼の議論はいわゆる「みなし末期論」と呼ばれ、「方法がある限り延命治療をすべき」と考える当時の医師たちには到底受け入れられなかったのです。

それから20年経ち、医師主導の治療から、患者本人の意思を尊重した看取りが受け入れられるまでに変わりました。
世の中の終末期医療に対する意識の変化を肌で感じ、隔世の感があります。

終末期医療を考えることは、生き方を考えることです。
日本人は、西行法師が「願わくば花の下にて春死なんその如月の望月の頃」と詠み、その歌の通り、満開の桜の木の下で最期を迎えた「生きざま」に共感する独自の死生観を持っています。

私たちはこの20年、医療は「老衰」とどう向き合うべきか、迷い道に入り込んでいました。
いま、「このままではいけない」と、終末期医療の現場から、熱いエネルギーがマグマのようにくすぶっているのを感じています。
老衰を受け止めて穏やかな死を迎える。
方向性は、4年後によりはっきりと見えてくるのではないかと期待しています。

by mnnoblog | 2017-07-15 08:07 | 健康
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  (日経新聞の画像と記事より)

疾病の緩和や予防のため、山間部や森林などの自然環境の中で保養するドイツ発祥の気候療法が各地で広がりを見せている。

自治体が「クアオルト」と呼ばれる保養地をつくり、森林浴やウオーキングなどを開く。
健康促進による医療費削減のほか、埋もれた観光資源に目を向けて地域活性化につなげる狙いもある。

「それでは心拍数をはかりましょう」。
6月上旬、山形県上山市にある標高300メートルほどの里山に50代~70代の男女約15人が集まった。
同市では2011年からほぼ毎日「クアオルト健康ウオーキング」を開いている。

3回の休憩ごとに手首に指を当てて15秒間の脈をはかり、4倍にして1分間の心拍数を計算する。
数値の変動を見ながら、高低差のある約3キロのウオーキングコースを2時間半かけて歩き通した。

この日はジメジメした曇り空。
3年前に定年退職してからほぼ毎日参加している山形市の60代男性は「退職当時は医者にメタボ気味と言われていたが、歩いたらスリムになったよ」とほほ笑む。

市内にはクアオルトの第一人者とされるミュンヘン大のアンゲラ・シュー教授が認定したウオーキングコースが8コースある。
市が案内板を設けたり、山道にはウッドチップを敷くなどし、歩きやすいように整備した。

10年にはガイドの任意団体「蔵王テラポイト」を立ち上げ、市の認定を受けた約40人のガイドが年間約360日、8コースのいずれかで健康ウオーキングの参加者を先導する。
毎日少なくとも10人以上の参加者が来るといい、参加者の4割ほどが市外からやってくるという。

豊かな自然環境をいかした「クアオルトづくり」は各地で広がっている。
同県天童市では上山市に倣い、「クアの道」と呼ばれるウオーキングコースを設けている。

新潟県妙高市も今年4月には温泉プール付きの体育館をオープン。
市民向けに高原地帯での高地ウオーキングやプールでの水中運動などを週1回開いている。
参加者の年齢層は30代から80代までと幅広く、高血圧や肥満に悩む人も多いという。
今後は県外の人を呼び込むため、長期滞在型のプログラムをつくる計画だ。

上山市は大分県由布市、和歌山県田辺市などと温泉保養のあり方を調査する「温泉クアオルト研究会」を11年に設立。
15年に同研究会を母体とした日本クアオルト協議会を立ち上げた。
6月時点で8市町が参加している。

「クアオルト」はドイツ語で「療養地」や「健康保養地」を意味し、ドイツ国内では州などが約370カ所を認定している。
山地や森林、温泉や海辺など自然環境を生かして数日から数週間の滞在ができるように整備されている。

山地ではウオーキング、温泉地では入浴など療法は様々だ。
主に心臓や循環器系のリハビリ、高血圧の治療に活用されている。
各クアオルトには医療機関があり、専門医の処方で療法プログラムに参加すれば医療保険の適用対象となる。
年間約2400万人が利用するという。

日本では保険適用ではない。
一部の保険会社では社員に国内のクアオルトを紹介し、一部を負担する形で滞在プログラムの体験を促す取り組みに乗り出している。

by mnnoblog | 2017-07-12 08:54 | 健康
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  (日経テクノロジーの記事より)

「これから最も大きく変わる産業分野は何か?」。
こう聞かれたら、「医療」と答えます。

ゲノム解析が進む中で、「なぜ病気になるのか」「人間はなぜ老いるのか」といった、生命の根源に関わるようなことが次々に分かり始めています。

最近はさらに「ゲノム編集」という言葉まで登場してきました。
人間が生み出したテクノロジーは、遺伝子を「改変」することさえ可能にしつつあるのです。

こうして今、生命の設計図に基づく医療の革命的な変化が始まっています。
これは死生観を含めて、私たちの価値観やライフスタイルを変えることになるでしょう。
これを「ライフ・イノベーション」と呼んでいます。

2012年、京都大学の山中伸弥教授が「iPS細胞」に関連してノーベル賞を受賞したことが大きな注目を集めました。
山中教授は、「iPS細胞」と呼ばれる万能細胞を作ったことで受賞したと一般の人々には思われています。
しかし、真に凄い業績は、「細胞の時間を巻き戻せる」ことを発見したことにあります。

ウイルスを使って遺伝子の“スイッチ”をたった4つ入れるだけで、皮膚細胞などから「生まれた直後」と同じような万能細胞を作ることができます。
「生まれた直後に戻せる」というのは、細胞レベルでは時間の巻き戻しが可能であるということ。
すなわち「若返りができる」ことを実証したということです。

iPS細胞の発見は、「老化」とは何かという生命の根源に迫るものです。
今後10年以内に「老化」のメカニズムがほぼ解明されることでしょう。
それによって、老化を遅らせる「アンチエイジング」技術も飛躍的に進歩するはずです。

2013年、米国の人気女優アンジェリーナ・ジョリー氏が、乳腺を切除する手術を受けたことが世界的なニュースになりました。
彼女は「BRCA1」と呼ばれる遺伝子に問題があり、それによって8割以上の確率で乳がんが発症することが医学的に確認されていました。

そのため、予防的措置として手術に踏み切ったのです。
でも、これはほんの一例に過ぎません。
こうした病気の原因遺伝子は、現時点でも既に6000以上が特定されていると言われています。

原因が分かるということは、その病気を治せる可能性があるということです。
しかも、原因に直接働き掛けるので「根治」です。
特定の病気になりやすいことが分かれば、発症を待ち構えて集中的に検査を行うことで「超早期治療」もできるようになります。
それどころか、将来的には原因遺伝子を修復することで、いろいろな病気を「予防」することも可能になるでしょう。

平均寿命が延びるのはもちろん喜ばしいことですが、新たな課題も浮かび上がってきます。
典型的なのは、定年の考え方や年金制度といった社会システムへの影響です。

これらの制度が設計されたのは1960年代ですが、そのころの平均寿命は男性が65歳程度、女性が70歳程度でした。

男性は外で仕事、女性は家事という家庭内分業が一般的で、60歳に定年を迎えて男性は平均5年、女性が10年の「余生」を年金で暮らすというのがもともとの想定でした。

それが今では男性の平均寿命は81歳程度、女性は87歳程度まで延びています。
男性でざっと21年、女性ではおよそ27年もの生活が引退後に待っています。
その時間は人生の1/4近くであり、「余生」と呼ぶにはあまりにも長い。

現在、年金の受給資格は原則65歳からに引き上げられましたが、それでも年金受給期間は15~20年以上と、当初の想定より2~3倍も延びています。

「ゲノム医療」や「アンチエイジング」の進歩などにより、平均寿命が今後さらに延びるのは確実です。
今生まれてくる子供たちの大半は100歳まで生きることになるでしょう。

ゲノム医療がもたらす新たな社会的課題として「医療格差」の問題もあります。
ゲノムは人によって違います。
ゲノム医療は「オーダーメイド」であるため、費用が高く、全員が受けるのは難しいのが現実です。

そのため、先進医療の多くは「自由診療」が中心になることでしょう。
「医療格差」は今後大きな社会問題としてクローズアップされるようになると私は考えています。

ゲノム技術によって、社会の前提はこれから大きく変わります。
年金や保険、資産運用などを設計する上で、頭の片隅に置いておくことをお勧めします。

by mnnoblog | 2017-07-11 08:54 | 健康

のほほんと---


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