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カテゴリ:政治( 64 )

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(NHK NEWS WEB の記事より)

大阪の学校法人「森友学園」に国有地が8億円余り値引きされて売却された問題で、近畿財務局が異例の分割払いでの契約を学園側に提案していたことが関係者への取材でわかりました。

大阪地検特捜部は財務局の担当者が国有地の売買で国に損失を与えたとする背任容疑での告発を受理し、こうした契約の経緯などについて調べています。

近畿財務局は大阪・豊中市の国有地について、鑑定価格から地中のごみの撤去費用などとしておよそ8億2000万円を値引きし、1億3400万円で去年6月森友学園に売却しました。
国有地の売買では代金の一括払いが原則ですが、財務局と学園との間で結ばれた売買契約書では10年の分割払いという異例の形になっていました。

売買の経緯を知る関係者によりますと、この分割払いは去年6月1日に財務局が売買契約書の案に盛り込んで学園側に提案していたということです。
学園は当時、毎年2700万円余りの賃料を支払って国有地を借りていましたが、契約書では毎年の支払い額が半額以下の1100万円余りで所有権を得られるという内容になっていました。

大阪地検特捜部は国有地の売買で国に損失を与えたとする背任容疑での告発を受理し、財務局の担当者から任意で事情を聴くなどして、こうした売買契約が結ばれた経緯などを詳しく調べています。

また特捜部は、森友学園の籠池泰典前理事長と妻の諄子氏にも任意の事情聴取に応じるよう要請したことが関係者への取材でわかりました。
特捜部は学園をめぐるさまざまな疑惑について説明を求めるものと見られます。

by mnnoblog | 2017-07-27 11:18 | 政治
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  (日経新聞の画像と記事より)

安倍晋三首相は3日午前、東京都議選の惨敗を受け、首相官邸で記者団に「大変、厳しい都民の審判が下された。わが党への厳しい叱咤(しった)と深刻に受け止め、深く反省しなければならない」と述べた。

「今後、党一丸となってしっかりと態勢を整えて、結果を出すことによって国民の信頼を回復していきたい」と強調した。

敗因について「安倍政権の緩みがあったという厳しい批判がある」と指摘した。
そのうえで「国政にいっときの停滞も許されない。気を引き締めて反省すべき点は反省し、謙虚に、丁寧にやるべきことはしっかりと前に進めていかなければならない」と訴えた。

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7/3,日経新聞
御厨貴・東大名誉教授の話 
都民ファーストの会の大勝は、小池百合子都知事への積極的支持だけが要因とは考えられない。
小池氏の政策には賛否両論がある。
国政での自民党の批判票が相当程度、向かったととらえるべきだ。
小池氏には出来過ぎの結果だ。
次の都議選では議席を減らさざるを得ないだろう。

安倍政権は安倍晋三首相の1強状態のもと、強気の政権運営を続けてきた。
「野党には対案がない」として与党の政策を押し切り、世論も前の民主党政権よりはましだとの思いで容認してきた。

しかし「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法や「加計学園」問題などを巡る通常国会終盤の対応は世論も受け入れがたいほど、政権の強引な体質が如実に表れた。
都議選の選挙結果は、政権には打撃だ。

政策で政権浮揚をはかるには弾が尽きた感がある。
憲法改正も、首相が思い描くような日程で進めるのは困難になったとみていい。
首相が事態を打開するには早期の内閣改造か衆院解散しかないだろう。
それでも効果は未知数だ。

首相にとって、唯一の救いは民進党が政権選択の受け皿になり得ていないことだ。
自民党内にもすぐに首相に取って代わる存在がいない。
とはいえ首相はこれから、針の穴を通すような厳しい政権運営を迫られる。
じり貧かもしれない。

by mnnoblog | 2017-07-03 10:14 | 政治
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  (JBpress の記事より)

メリケン国の「トランプ幕府」は大揺れに揺れている。

時の将軍(ドナルド・トランプ大統領)から切腹を命じられた「火付盗賊改方」(ジェームズ・コミ―前FBI長官)がこともあろうに将軍を「嘘つき」呼ばわり。将軍を取り巻く「太鼓持ち家老」たちは「火盗改は幕府の極秘覚書をリークした」と騒ぎ立ている。

これまで「ロシアゲート」疑惑に関わっていたとの疑いで蟄居を命じられていた火盗改の上司、若年寄(ジェフ・セッションズ司法長官)は「葵の御門(の印籠)」(大統領特権)を翳して「この紋所が目に入らぬか」と将軍の弁護に目の色を変えている。

将軍にとっては数少ない、昔からの子分だ。

江戸の町民(米国民)はうんざり。
そうした矢先、江戸城下では「譜代大名」(スティーブ・スカリス下院共和党院内幹事)が何者かに命を狙わる事件が起こった。

巷には、「いつ腹を召されるか」(弾劾や辞任があるか)と書きたてる瓦版(フェイクニュース)が横行している。
講談なら、差し当たり、ここで「べべん、べんべん」となるところだろう。

風雲急を告げる大江戸で今、「世直し」本が静かなブームを呼んでいる。

タイトルは「The Vanishing America Adult」(滅びゆく米国の分別ある成人)。
サブタイトルは「Our Coming-of-Age Crisis--and How to Rebuild a Cuture of Self-Reliance」(忍び寄る危機──いかにしたら独立独行文化を再構築できるか)。

筆者(Ben Sasse)は「譜代大名」(共和党)の末席を汚す身分(上院議員=ネブラスカ州選出)だが、「関ケ原の戦い」(大統領選)の時から「我が将軍(トランプ候補)も敵将(ヒラリー・クリントン民主党大統領候補)も信用できぬ嘘つき」と公然と言ってのける強者だ。当年とって45歳。

上院議員1期目の「陣笠」だが、メディアからは早くも注目されている。

と言うのも名門エール大学で歴史学博士号を取得、英オックスフォード大学に留学。
テキサス大学で教鞭に立ったのち、いきなり厚生労働次官に任命され、さらには38歳の若さでネブラスカ州にあるミッドランド大学学長に就任。

5年間学長を務め、同大学を有名校にまで引き上げたのち、2014年の上院選に出馬して当選、中央政界に躍り出た。
共和党内では「将来の大統領候補」と高く評価する向きも出始めている。

両親は規律を重んずるエバンジェリカル・ルーテル教団の信者で、夏休みともなれば、7歳の頃からトウモロコシ畑で働かされた。
「おカネが問題ではない。額に汗して働くことこそが人生にとっていかに大切かを叩きこまれた」と言う。

両親の訓えはサーサ家にも受け継がれている。
子供3人は学校には行かせず、すべてホームスクーリング(母親が教える自宅学習)。
ワシントン勤務のサーサ氏は週末には必ずネブラスカに戻り、子供たちと週末を過ごしている。

まさに「古き良き開拓期」の米国の成人男性だ。
信仰心が篤く、女性を蔑視するような下品な言葉は一切言わない。
結婚歴3回、離婚歴2回。宗教とは全く無縁な「将軍さま」とは対照的な米国市民だ。

本書は、「建国の父」たちが誓い合った「Exceptional America」(つまり他国とは異なる特別な国家)のバックボーンである「独立独歩」の精神がいかに大切か、を説く。

返す刀で米国の親たちはいかにしたら子供たちを勤労精神を持った「成人」に育て上げるか、そのノウハウを教示している。

とにかく子供は朝から晩までスマートフォンにかじりついていないで、もっと本を読んだり、音楽を聞きなさい。
親も額に汗してまともな仕事をし、人様から後ろ指を差されないように子供の範となるべきだ――と当たり前のことを当たり前に書いているにすぎない。

不動産の売り買いで財を成し、ギャンブルビジネスで巨万の富を得た社会的な常識もなければモラルのない「将軍さま」への当てつけのようにも思える。

著者は本の構想や執筆はトランプ大統領就任前だったと弁明していただけでなく、本書は上院議員としてではなく、子供の父親として、一読者として、一市民として書いたものであることを強調している。

本の根幹をなすのはピューリタニズム。
「道徳を忘れた商売は罪悪」だと説いた二宮尊徳を米国流に諭して説いている。

サーサ氏は、政治家である前に歴史学者。
さすが歴史学者だけあってアリストレスに始まり、ジャン=ジャック・ルソー、トーマス・ペイン、アダム・スミスなど古今東西の賢者や思想家の引用が至る所に出てくる。

そうした中で教育論としては、19世紀の米哲学者のジョン・デューイ博士の進歩主義の影響が色濃く出ている。

「<われわれは個々の人間の自発性を重視せねばならない。その自発的な成長を促すための環境を整えるのが教育の役割だ>」という基本スタンスだ。
「我が家では人間の性格を作り上げ、成長させるためには厳しい勤労体験を徹底的に、限界ギリギリまで追求させることだという結論に達している」

サーサ氏はその動機についてこう記している。

「私が学長をしている時に校内に巨大なクリスマスツリーを立てることになった。学生たちと一緒に木にイルミネーションや飾りをつける段になった。学生たちは安易に手の届く木の下段にばかり飾りをつけて、梯子を使って上段につけるものは1人もいなかった」

「私は学生たちの行動に驚き、ショックを受けた。安易なことをするだけで満足している。嫌なことや面倒くさいことは誰かがやるだろうと思っているのだ」

「こうした傾向は何も我が大学だけのものではないことが分かった。私が住んでいるコミュニティでも我が家においてもだ。米国という国全体がそうなのだ」

「次の世代に生きる学生がそうだとすれば、この国はいったいどうなってしまうのだろう。かって一生懸命、精一杯働いてきた『アダルト』、つまり社会に対し責任を持ち、その社会の一員として自主的に貢献するまともな大人は滅んでしまうのだろうか。無責任、無気力は今や集団的危機になっている」

「親たちは、『金満主義』の影響を受け、無為で行き当たりばったりになっている自分たちの子供をそのままダメな大人にさせてしまってはならない。その危機から子供たちを救い出さねばならない」

「経済不況の今日、個々の市民は独立独歩志向文化に回帰せねばならない。これまで以上に緊急になってきている」

サーサ氏はなぜ今の時期にこの本を書いたのか。
政治家になった今、どうしても書き残しておきたかったとしているが、政治家が本を書けば当然、将来、政界における上昇志向、つまり大統領を狙う野望(2020年あるいは2024年)があるのではないかと勘繰られる。

特に共和党内だけでなく、民主党内でも「共和党議員としては数少ないまともで有能な政治家」(民主党全国委員会幹部の1人)といった評価があるくらいだ。

トランプ政権下の米国にうんざりしている人たち(民主党支持者はもちろんのこと、共和党支持者の中にも急増している)にとって、サーサ上院議員の今後の動向は気になるところだ。

そんな中でサーサ氏の地元ネブラスカの主要紙「リンカーン・ジャーナル・スター」は意味深な書評を掲載している。

「おらが国の上院議員が著した本書は、政治などよりも子供を育て、円満な家庭を築くことがいかに重要かを思い起こせてくれた。ワシントン(連邦政府)などの世話にならずに次の世代を育て上げることがいかに大切かを教えてくれた」

トランプ政治で保守とリベラルが激しく対立、分裂国家の様相を呈する米国。
それなのに負けた民主党からは2020年に向けた、これは、といった新進気鋭の大統領候補がまだ現れていない。

むしろ共和党からサーサ氏のような潜在性を秘めた候補が出てきたとは、皮肉なことである。

by mnnoblog | 2017-06-26 08:49 | 政治
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  (日経新聞”社説”の記事より)

最後は多数決で決めるのが国会のルールには違いない。
しかし与党の都合で法案審議の手続きを一部省略し、早期成立にこだわるような手法はあまりに強引すぎる。

学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部の新設問題では、文部科学省が14の内部文書の存在を認めた。
政府は政策判断の経緯を改めて詳しく説明する責任がある。

犯罪を計画段階で処罰する「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法は、与野党の徹夜の攻防の末、15日朝に参院本会議で可決、成立した。

自民党は14日に参院法務委員会での採決を省略する「中間報告」という手続きによって参院本会議で採決したいと提案。
同法の廃案を求める民進、共産両党などは衆院に内閣不信任決議案を提出して抵抗した。

過去にも委員会採決を経ずに衆参の本会議で採決をした例はある。
だがそれは野党が委員長ポストを握っていたり、各党が個々の議員に本会議採決での賛否を委ねたりするケースだった。
与党が議事運営の主導権を確保していながら、審議の手続きを省略したのはどう考えてもおかしい。

文科省は15日、国家戦略特区を活用した加計学園の獣医学部新設をめぐり、「官邸の最高レベルが言っていること」「総理のご意向だ」などと書かれた14の文書が省内に存在していたとの再調査結果を発表した。

国家戦略特区は新規参入を阻む「岩盤規制」に政治主導で風穴をあける仕組みだ。
官邸側や内閣府が52年ぶりの獣医学部の新設を実現するため、慎重姿勢を崩さない文科省を押し切ったこと自体に問題があるわけではない。
ただ加計学園は安倍晋三首相の友人が理事長を務めており、公正な行政判断がゆがめられた可能性があると野党は厳しく追及している。

菅義偉官房長官は官邸側の圧力をうかがわせる内部文書の存在が指摘されると「怪文書みたいな文書」と言い切り、松野博一文科相は短期の調査だけで「該当する文書は確認できなかった」と発表した。
政府にやましい点がないのなら自ら徹底調査し、事実を公表するという姿勢が欠けていた。

参院予算委員会は16日に首相も出席して集中審議を開き、国会は18日の会期末を待たずに事実上閉幕する。政府は今後も閉会中審査などに応じ、様々な疑問に丁寧に答えていく必要がある。

by mnnoblog | 2017-06-18 08:07 | 政治
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  (NHK NEWSWEB の画像と記事より)

「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法は15日朝、参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決・成立しました。

これにより、一定の要件を満たすことを条件に、犯罪の実行前の段階で処罰可能な範囲が広がることになります。

法案では、テロ組織や暴力団などの「組織的犯罪集団」が、ハイジャックや薬物の密輸入などの重大な犯罪を計画し、メンバーの誰かが、資金または物品の手配、関係場所の下見、その他の準備行為を行った場合、計画した全員を処罰するとしています。

これまでの国会審議で、政府は、「組織的犯罪集団」について、当初は別の目的で設けられても、その後、犯罪を目的とする団体に一変した場合には「組織的犯罪集団」と認定される可能性があると説明しています。

これに対し、民進党や共産党は、「団体が一変したかどうか判断するために、一般の人も捜査の対象になるのではないか」と指摘し、政府は、「組織的犯罪集団と関わりのない人が一般の人であり、捜査の対象にはならない」としています。

また、処罰の対象になる重大な犯罪について、政府は、組織的犯罪集団が関与することが現実的に想定される277の犯罪に絞り込んだとしています。
具体的には、組織的な殺人やハイジャックなどテロの実行に関連する犯罪や、覚醒剤や大麻の輸出入といった薬物に関する犯罪などを明示しています。

これに対し、民進党などは、「保安林の区域内で森林の産物を盗む罪など、組織的犯罪集団との関連が想定しにくいものが含まれているのはおかしい」と指摘し、政府は、「暴力団などが、保安林でコンクリートの原料となる砂を大量に採掘して売却し、資金を得ることが考えられる」などと説明しています。

さらに、処罰するために必要な準備行為の具体例として、政府は、テロ組織のメンバーが化学テロを計画し、必要な物質を調達した場合などがあてはまるとしています。

これに対し、民進党などは、「どのような行為が準備行為にあたるのかあいまいで、捜査機関が恣意的に判断するおそれがある」と批判し、政府は、「準備行為の行われた状況など、外形的な事情で判断できる」と反論しています。

政府は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックなどを控え、テロなどの組織犯罪を未然に防ぐために、一定の要件が満たされた場合には、犯罪の実行前の段階でも処罰できるよう、「テロ等準備罪」を新設することが必要だとしています。

また、「テロ等準備罪」を新設すれば、「国際組織犯罪防止条約」の締結が可能になり、他国の捜査当局と直接、情報交換できるケースが大幅に増えるなどのメリットがあるとしていて、日本が国際的な組織犯罪捜査の穴になることを防げると説明しています。

これに対して、民進党などは、罪の新設は、憲法が保障する内心の自由を侵害する可能性が極めて高いとしたうえで、現行の法制度のもとでも条約を締結することは可能だと主張しています。

そのうえで、組織的な人身売買と詐欺に、新たに予備罪を設ける独自の法案を今の国会に提出しました。

政府が締結を目指す「国際組織犯罪防止条約」は、殺人などの重大な犯罪を行うことで合意した場合などに処罰できるよう各国に法整備を求めています。

法務省によりますと、現在の国内法で、重大な犯罪を行うことで合意した場合に処罰できる規定としては、爆発物取締罰則など13の法規に設けられた「共謀罪」や、内乱罪など国の存立に関わるような8つの重い罪について仲間と計画を立てたことを処罰する「陰謀罪」があります。

ただ、政府は、こうした現行の規定について、対象の犯罪が少なすぎて条約を結ぶ条件を満たせないとして、「テロ等準備罪」を新設し、より広範囲に取り締まれるようにすべきだとしています。

これに対して民進党などは、罪の新設は、憲法が保障する内心の自由を侵害する可能性が極めて高いとしたうえで、現行の法制度のもとでも条約を締結することは可能だと主張しています。
そのうえで、組織的な人身売買と詐欺に、あらたに予備罪を設ける独自の法案を今の国会に提出しました。

政府は、「組織的犯罪集団」には、犯罪を行うことを目的に作られたテロ組織や暴力団、薬物密売組織、振り込め詐欺集団などが含まれるほか、当初は別の目的で設けられても、その後、犯罪を目的とする団体に一変した場合には「組織的犯罪集団」と認定される可能性があるとしています。

これに対し、民進党などは、「組織的犯罪集団」は幅の広い概念であるのに加え、一般の団体がどのような状態になれば「組織的犯罪集団に一変した」と見なすのかが不透明で、恣意的な判断により一般市民も処罰の対象になりかねないと指摘しています。

また、テロ組織などは、暴力団と異なり、外部から「組織的犯罪集団」と判断するのは難しいことから、捜査機関が認定を目指す過程で捜査の権限を乱用するおそれがあるという懸念も出ています。

政府は、「組織的犯罪集団」の活動として2人以上のメンバーが重大な犯罪の実行を計画することを構成要件の1つとしています。
メンバーの計画への合意は、顔を合わさなくても、電話や電子メールなどを通じて成立するとしています。

ただ、犯罪の計画などがメーリングリストなどを通じて複数の人に一斉に送られた場合、単に閲覧しただけでは、合意にあたらないという見解を示しています。

これに対して、民進党などは、捜査機関が合意の有無を確かめるために電話やメールの内容などを広範囲に捜査し、プライバシーの侵害につながるおそれがあると批判しています。

法務省は、国会の議論などで、いまの法制度の下では適切に対処できず、テロ等準備罪の新設を必要とする具体例として、以下のようなものを示しています。

航空機テロ

まず、テロ組織が複数の飛行機を乗っ取って高層ビルに突入するテロを計画し、メンバーの1人が、航空機のチケットを予約したというケースです。
法務省は、この程度の準備行為では「客観的に相当な危険性がある」とは認められず、ハイジャック防止法の予備罪を適用できない可能性があり、計画した犯罪を実行するための準備行為が行われれば処罰できるテロ等準備罪の新設が必要だとしています。

化学薬品テロ

次に、地下鉄サリン事件を念頭に置いたケースで、テロ組織が殺傷能力の高い化学薬品を製造して、同時多発的に大量殺人を行うことを計画し、原料の一部を入手した場合です。
民進党などは、地下鉄サリン事件を受けて制定された「サリン防止法」にある予備罪で対処できると指摘していますが、法務省は、テロ組織が入手した原料の一部が化学薬品の完成に不可欠かどうかなどによっては、予備罪に問うのは難しい場合もあるとして、テロ等準備罪の新設を主張しています。

サイバーテロ

3つめは、テロ組織が、全国の電力や水道などのインフラのシステムを一斉に誤作動させて、パニックに陥らせることを計画し、メンバーがコンピューターウイルスの開発を始めた場合です。
現在の法制度にはコンピューターウイルスが完成する前の段階で罰する規定はないため、法務省は、開発を始めた段階で罪に問えるテロ等準備罪が必要だとしています。
これに対しては、ウイルス対策ソフトを作るため、わざとウイルスを作ろうとしただけでも罪に問われかねないという指摘が出ています。

暴力団抗争

さらに、4つ目は、暴力団の組員らが、対立する暴力団の組長の殺害を計画し、拳銃を購入する資金を用意した場合です。
法務省は、殺害実行までの段階や状況によっては、殺人予備罪では対処できない可能性があり、テロ等準備罪が必要だとしています。

適用できないケースは

一方、法務省は、一般企業が脱税を計画して裏帳簿を作成しても、組織的犯罪集団に一変したと認定されない限り、処罰の対象にはならないとしています。
また、暴力団などが振り込め詐欺を計画したものの、何もしなかった場合も準備行為がないため、処罰の対象にはならないとしています。


by mnnoblog | 2017-06-15 18:41 | 政治
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  (現代ビジネスの記事より)

フリージャーナリストの詩織さん(28)が、5月29日、記者会見を開いて、記者会見後「被害者なのにバッシングを受け、辛い思いもしましたが、レイプ被害を防ぎたい、法改正にも取り組んでもらいたいという私の思いは変わりません」。


詩織さんには、自ら性被害者として直面した法律や警察、そして病院対応などの不合理なシステムを社会に広く訴えたいという思いがあった。


詩織さんの会見での訴えは、


第一に、姓は伏せたものの、実名顔出しの告発だったこと。

無責任で心ない批判など、二次被害も想定されるレイプ事件で、記者会見を開くのは前代未聞といっていい。


第二に、レイプをしたとされるのが、「安倍晋三首相に最も近いジャーナリスト」といわれる山口敬之氏(51)であったこと。

政権への食い込みは、尋常ではない実力の“証”だが、不逮捕不起訴の処分は、検察・警察の山口氏に対する忖度を疑えた。


衝撃は収まらず、報道も取材も続いている。

もし、不逮捕という警察の決定と、不起訴という検察の判断に「安倍政権の影」があれば、森友学園、加計学園といった国会を揺るがす「安倍1強の歪み」と同じ構図となり、安倍政権はさらに揺らぐ。


不逮捕に至る詳細な経過


――警察の対応はどう変化しましたか。
「最初は、まったく相手にしてくれませんでした。『事件にするのは難しい』『あなたにとってもいいことではない』と、被害届けを受理もしてくれませんでした」


――流れが変わったのはいつでしょうか。
「山口さんが(TBSのワシントン支局長から営業局へと)左遷された時です。

(捜査していた高輪署の)捜査員の方々が、『これはいけるかも』ということで前向きになり、証拠や証言も集まり、受理されました」


――最初は後ろ向きだった捜査員たちと、意思疎通が図れるようになった?
「約2ヶ月の間、毎日のようにありとあらゆる話をしましたから、こうした事件を立件する難しさも、彼らなりの葛藤もわかるようになりました」


その結果、6月4日、「山口氏が帰国(8日)次第、成田で逮捕します」という連絡が海外取材中の詩織さんのもとに入り、詩織さんは急ぎ帰国の準備に入った。

だが、8日当日、上層部の指示で逮捕は見送られた。

『週刊新潮』の取材に、警視庁刑事部長だった中村格氏(現・警察庁組織犯罪対策部長)は、「私が不逮捕の決済をした」と、明言している。


――どうして逮捕されなかったのか。説明はありましたか。
「いえ、以降は、連絡さえつかない状況です。担当は高輪署から警視庁(捜査一課)に移り、捜査員の方々はいなくなり、検事さんに連絡したのですが、検事さんも担当から外れていました」


異様なことが行われた。

逮捕は中止され、所轄から本庁に事件は取り上げられ、捜査担当者は配置替えとなり、担当検事も変わった。

普通の準強姦事件で起こる措置ではない。

8月26日に書類送検、検察の手に移されて、約1年の“棚晒し”の後、16年7月22日、嫌疑不十分で不起訴となった。


しかし、不起訴処分となったのを受け、納得できなかった詩織さんは独自に調査を進め、材料を集め、検察審査会への申し立てに踏み切った。


その後、山口氏は、いっさいの言論活動を控えている。

今回、「詩織さんへの反論」を含め、「中村前刑事部長との面識の有無」、「安倍首相や北村滋・内閣情報官に相談したか否か」などを質問したところ次のような回答があった。


「私は、法に触れることはしておらず、容疑者でも被疑者でもありません。中村格氏とは面識はなく、当該案件を安倍首相を含むいかなる政治家・政府関係者の誰にも相談しておらず、一市民として当局の任意調査に応じ、不起訴という結論を得ました」


安倍首相を取り巻く官邸主導政治は、異様で奇怪である。

森友学園では財務省、加計学園では内閣府が、官邸の顔色を伺って、前川喜平・前文科事務次官の言葉を借りれば、「行政を歪めた」のだが、この「準強姦事件」では、検察・警察が司法を歪めた疑いがある。


被害者の身でありながら、顔を出して名を名乗るというリスクを冒した女性の闘いは、その覚悟によって、単なる準強姦事件に終わらない意味と価値を持ち始めている。


by mnnoblog | 2017-06-09 08:39 | 政治

トランプ氏の弱音

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  (日経新聞”大機小機”の記事より)

現実と仮想の区別がつかなくなったわけではあるまい。
トランプ米大統領が大統領選を巡る捜査指揮などを理由に、米連邦捜査局(FBI)長官を突然解任した。

自らが司会者だった人気テレビ番組「アプレンティス」の決めぜりふは「お前はクビだ!」だった。
テレビのバラエティーを政治の世界に持ち込むかのような感覚に世界中があぜんとした。

事態を看過できないと見た司法省は、ホワイトハウスにお伺いを立てることなくモラー元FBI長官を特別検察官に任命したという。
米議会は近く解任されたコミー前長官を召喚し、証言を求める。
トランプ氏が発した大統領令は裁判所が差し止め、議会が同意しない法案は成立のメドが立たない。

米国が世界に誇る「三権分立」はギリギリのところで機能しているように見える。
だが、機能すればするほど、国家意思の統一は遅れ、民主主義のコストが膨らむジレンマに陥る。

ミサイル発射実験を北朝鮮が繰り返す中、腰定まらぬ米国の現状は日本にとって悩ましい。
思考停止型の米国追従ではもはや立ちいかないということか、安倍晋三首相は自民党総裁として、憲法9条の改正という剛速球を投げ込んできた。
歴史に名を残したい野心は当然あるだろうが、安全保障環境の激変は無視できない。
野党のように条件反射的に「護憲」を叫ぶだけでいいのか、多くの国民に迷いが生じているようだ。

一方で、市場関係者の間で最近、目立つのは「トランプ政権投げ出し待望論」である。

先月27日のロイター通信のインタビューで、トランプ大統領は「以前の生活は良かったよ」「(大統領職は)もっと簡単だと思っていた」「車の運転ができないのは寂しい。小さな繭の中で守られどこにも行けない」などと語っている。

表向き冗舌で攻撃的な指導者が、内心に弱さともろさを抱えることを我々は経験的に知っている。

万一、大統領退陣となれば、米国法によりペンス副大統領が職務を引き継ぐ。
「その方がいいよね」。永田町、霞が関周辺でも公然と語られる。

当初、財政支出拡大などを理由に「トランプ・ラリー」に沸いた市場は気まぐれなリアリストだ。
今度は「トランプ退陣相場」をはやし始めるかもしれない。

by mnnoblog | 2017-06-01 08:47 | 政治
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  (ロイターの画像と記事より)

トランプ大統領によるツイートは、16日午前7時3分に投稿された。確かにそれには、ロシアと機密情報を共有したと書かれている。

現段階の報道で判明しているのは、トランプ大統領がロシア側に教えたとされる過激派組織「イスラム国(IS)」作戦計画の詳細な情報は、中東諸国の諜報当局者のうち、数少ない米国の協力者(イスラエルだ)の1人が、情報源を秘匿するという厳格な了解のもとで米国に与えたものだということだ。

これを他国と共有することはできない。
トランプ大統領は、違反すれば危険をもたらす、きわめて明瞭な一線を越えてしまったのだ。

ISについて持っている機密情報をロシア側に自慢することによって、トランプ大統領は、戦略上の敵対国に対し、有事の際に中東の同盟国がどのように諜報活動を行うかを暴露してしまった。

大統領は米国に対する信頼を裏切った。
そうした信頼の獲得は難しいが、一度失った信頼を取り戻すことはさらに難しい。

そのような信頼がなければ、同盟国からこれまで提供されてきた機密情報は途絶えてしまうかもしれない。

過去1週間におけるトランプ大統領の行為は、米国の諜報コミュニティーの中核を震撼させた。

トランプ大統領は、情報機関がどのように機能しているのか、その活動がうまく行かなければ何が起きるのか、大統領が軽い気持ちで情報機関を侮辱すれば、情報機関がどのような惨事に直面するのかを理解していないように思われる。

自国の情報機関、それに対応する他国の機関、そして情報機関とホワイトハウスとの関係──。
わずか4カ月のあいだにトランプ大統領がこれらに与えたダメージを回復するには、4年もの歳月を必要とするだろう。

トランプ氏は中央情報局(CIA)の職員をナチスにたとえた。
2016年の選挙にロシアが与えた影響についての連邦捜査局(FBI)による調査を、彼は「でっち上げ」「茶番」と呼んだ。

コミーFBI長官を解任し、その理由について自身の側近にうそをつかせた。
そのうえ、軽率にもNBCニュースに対して、長官を解任したのは、FBIがロシア政府とトランプ陣営の関係を追及しようとしたからだと話してしまった。
FBIによる捜査が迅速に進めば、これはいずれ、司法妨害と解釈される可能性がある。

それからトランプ大統領は、友人である2人のセルゲイ(セルゲイ・ラブロフ露外相とセルゲイ・キスリャク駐米大使)を大統領執務室に招き、手持ちの「すごい機密情報」を自慢した。

キスリャク駐米大使との会話が直接の理由となって、トランプ政権で当初の国家安全保障担当補佐官だったマイケル・フリン退役中将が解任された。

ジョージ・W・ブッシュ政権下でホワイトハウス付き弁護士を務めたジャック・ゴールドスミス氏とその同僚らは、ブログ「Lawfare」のなかで、トランプ大統領の行為は弾劾対象の犯罪である権力乱用に相当する可能性があると主張している。

「(敵対的な外国の権力者にセンシティブな情報を漏らせば)大統領弾劾に関する規定に含まれる『反逆』という言葉にかなり接近することになる」と彼らは続ける。
「従ってこの件は、法律上は犯罪に問われる可能性はないとしても、トランプ大統領にとって非常に重大なものになる可能性がある」

彼の極端な不注意の影響で、「ドナルドを刑務所へ」という怒号が起きる可能性はほとんどない。
彼がやったことは厳密には犯罪ではないからだ。
だが、きわめて深刻な結果をもたらす可能性はある。

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2017/5/18, AFP BB NEWS

米司法省は17日、昨年の米大統領選にロシアが介入したとされる問題の捜査を率いる特別検察官に、元連邦捜査局(FBI)長官のロバート・モラー氏を任命した。

モラー氏は、トランプ大統領の陣営がロシアと共謀関係にあった可能性も含む疑惑の捜査を率いることになる。

トランプ大統領はモラー氏の後任であるジェームズ・コミー長官を電撃的に解任。
一大政治スキャンダルに発展しかねない捜査をやめさせる狙いだったと非難されている。

さらにトランプ氏はコミー氏に対して、ロシアとの関係に絡む疑惑で辞任したマイケル・フリン大統領補佐官(国家安全保障担当)に対する捜査の中止を求めていたとも報じられた。

こうした中、米議会では大統領選でのトランプ氏陣営とロシアの関係について、独立した調査を求める声が強まっていた。
米情報当局は、ロシアがトランプ氏に有利になるように介入したと結論づけている。

特別検察官には、独自にチームを編成し、司法省から独立して捜査する権限が与えられる。
捜査中に司法省の長官や副長官と協議や報告を行う義務もない。
また捜査で犯罪行為が明らかになった場合、訴追する権限も持つ。


by mnnoblog | 2017-05-20 08:42 | 政治
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  (日経新聞の画像と記事より)

犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が19日午後、衆院法務委員会で与党と日本維新の会の賛成多数で可決した。

民進、共産両党などが廃案を求めて強く反発したが、与党は採決を強行した。
与党は衆院法務委での可決を受け、23日の衆院本会議での可決、24日の参院での審議入りを目指す。

民進党の蓮舫代表は19日午前の参院議員総会で「今急がれるのは『共謀罪』よりも加計学園や森友学園の真実の究明だ。政権の横暴は絶対許さない」と述べた。

民進党は引き続き徹底抗戦の構えで、与党が強行な議事運営を進めれば、衆院議院運営委員長の解任決議案の提出も視野に入れる。

改正案の審議の行方は、6月18日までの今国会会期を延長するかどうかの与党の判断に影響する。

改正案について、政府は多国間で組織犯罪の捜査情報を共有できる国際組織犯罪防止条約(TOC条約)の締結に必要だと位置づける。
東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策強化を前面に打ち出す。

適用対象は、過去に3回提出しいずれも廃案になった「共謀罪」の法案と異なり、テロリズム集団などの「組織的犯罪集団」に限定した。
犯罪の計画に加え、下見などの実行準備行為があって初めて処罰対象にする。

野党は一般人が捜査対象になる可能性があるとして、恣意的な捜査につながる懸念を訴えている。
与党は取り調べの録音・録画(可視化)の導入を検討するよう付則に明記することなどで日本維新の会と合意し、改正案を修正した。

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2017/5/19 日経ビジネス(小田嶋 隆より抜粋)

「共謀罪」は近いうちに成立するだろう。
法案が否決される可能性にも期待していない。
つまり、あきらめている。

というのも、私たちは、国政選挙を通じて、現政権ならびに与党勢力に、法案を単独で可決するに足る議席を与えてしまっているからだ。
このことを忘れてはならない。

というよりも、共謀罪に反対する立場の人間であれば、なおのこと、政権与党が備えている力の大きさを直視しなければならないはずなのだ。

世論調査の結果や、ネット上での議論を見るに、「共謀罪」に警戒心を抱いている国民は、そんなに多くない。

「共謀罪」への懸念が大きな声になっていないのは、そもそもこの法案の危険性への認識が共有されていないからなのだろう。

多くの国民は

「『共謀罪』が一般国民を捜査対象としていない」

という与党側の説明を鵜呑みにしているのだろうか。


いくらなんでも、わが国の一般市民は、こんな粗雑な説明をいきなり鵜呑みにするほどおめでたくはない。


捜査側が、捜査したい対象を「一般国民ではない」と決めつけにかかるだけの話だという程度のことは、多くの国民はクールに認識しているはずだ。


にもかかららず、多くの日本人は、自分にとって「共謀罪」は脅威にならないと考えている。


どうしてそう思うことができるのだろうか。
ここのところの経緯は、相当にややこしい構造を含んでいる。

説明しようとすれば、一般の国民が自分自身をどんなふうに認識しているのかということと、多くの国民が、どんな国民を「一般国民」であると考えているのかを含む、かなり錯綜した話になるはずだ。

まず、大多数の日本人は、自分たちが「共謀罪」によってひどい目に遭うことはあり得ないと考えている。

なぜ彼らがそう思うのかというと、その根拠は、彼らが、自分たちを多数派だと信じ込んでいるからだ。

このことはつまり、多数派の日本人が、「共謀罪」を、少数派の日本人(たとえ表向き「一般国民」であっても)を網にかける法律だと思っていることを意味している。

我々は、「同調的である人間」を「我々」の仲間であると感じ、「同調的でない人間」を、「彼ら」「あの人たち」「あいつら」「変な人たち」として分類し、その同調的でない彼らを、犯罪に加担したとしても不思議のない人間であると認識し、危険な匂いを嗅ぎ取り、「共謀罪」の捜査対象として差し支えない人物と考えるということだ。

つまり、「我々」は、どんな場合でも、絶対に無事なのである。

とすれば、自分たちとは違う考え方をしていて、自分たちとは異なった行動をとり、自分たちとは明らかに相容れないマナーで世間と対峙している一群の人々を、お国が、証拠の有無にかかわらず、テロなり犯罪なりの準備や共謀の可能性を根拠に捕縛したり捜査したり尾行したりすることは、むしろ治安のために望ましい措置だと、考えるのは至極当たり前ななりゆきである。

自分がうしろめたいことをやっていないのであれば捜査はされても立件されることはあり得ず、まして冤罪で有罪判決を受ける可能性は金輪際無いと信じ切っている。

《わしは「共謀罪」法案に賛成する。世界情勢を見れば、テロ対策の強化が必要なことは明らか。捜査機関による監視が強まるという批判もあるが、政府は「一般市民は対象にならない」と説明している。そう簡単にふつうの市民を逮捕できるわけがない。》

《むしろ共謀罪は、市民が犯罪者を拒む理由になるんじゃないか。》

ここで言う「犯罪者」とは、「(既に)犯罪を犯した人間」という意味ではなくて、「犯罪を企図している人間」あるいは、「犯罪に加担しているように見える人物」ないしは「犯罪との関連を暗示させる風体をしている人々」ぐらいな対象を指している。

とすると、おそらくこれは、やっかいな差別を引き起こす。

外国人や、ちょっと変わった服装をしている人間や、その他、無自覚な市民感覚が「普通じゃない」と見なすおよそあらゆるタイプの逸脱者が、市民社会から排除される結果になりかねない。

「共謀罪」がもたらすであろう恐怖のひとつに、捜査関係者が、「既に犯罪をおかした人間や組織」にとどまらず、「犯罪を企図したり計画しているように見える人物」や「テロの共謀が疑われる組織のメンバー」ないしは、それらに接触した人々を捜査対象にすることが挙げられているが、同じ原則を、たとえば、飲食店や、ゴルフ場や、公民館や公共施設が顧客なり市民に適用したら、実にいやらしい社会が形成されることになる。

与党は、両院において、ともに3分の2を超える議席を確保している。
彼らは議決に関して、自分たちの意思を通す権限を持っている。
そして、それを許したのは私たち選挙民だ。

野党がことあるごとに繰り返している「議論が尽くされていない」という主張は、一応、もっともではある。

法案の可否は、結局のところ、最終的に、与野党双方の議席の数を反映するカタチで決まることに変わりはない。

これは、ほどなくやってくる採決が乱暴かつ不当な経緯を踏んだものであるのだとしても、経緯の不当さを訴えることで、採決の結果をひっくり返すことは不可能だということでもある。

いま現在、「共謀罪」に反対する気持ちを抱いている人間にできることは、「こんなにも杜撰な説明で法案を通そうとしている人たちに、単独での議決を強行するに足る議席を与えてしまった自分たちの投票行動をしみじみと反省すること」と、


「次の選挙では、間違っても前回と同じミスをおかさないように、現在起きていることをしっかりと記憶しておくこと」ぐらいだ。



by mnnoblog | 2017-05-20 08:30 | 政治
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  (NEWSWEEKの画像と記事より)

一帯一路国際サミットに招待を受けて参加している北朝鮮が、なぜその初日にミサイル発射などをしたのか?
習近平は思い切り顔に泥を塗られた形だ。
サミット後に北朝鮮に見切りをつけるのか?
そうすべきだ。

5月14日から北京で開催されている一帯一路(陸と海の新シルクロード)国際サミットに北朝鮮代表を参加させることによって、中国は北朝鮮を改革開放の道へといざない、何としても対話の道を選びたかった。というより、「中国は北朝鮮に対話の道を選ばせることに成功した」ということを、世界に見せたかったものと推測する。

中国は今般の一帯一路国際サミットを中華人民共和国誕生以来、最大の事業と位置付けてきた。
中央テレビ局CCTVは毎日そのように呼び掛け、連日「一帯一路特集」を報道してきた。

トランプがTPP撤退を宣言して以来、中国こそがグローバル経済のトップリーダーと自らを位置づけ、これで「中華民族の偉大なる復興」が達成され、「中国の夢」が叶うと意気込んできたのである。

そのために自信過剰になっていたのかもしれない。

4月中に核実験をしようとした北朝鮮に、「もし実行したら国境線を封鎖する」とまで脅して核実験を思いとどまらせた。

トランプも、「条件が整えば、会ってもいい」というニュアンスの発言をしていた。

韓国には親北の文在寅政権が誕生する見込みも確信へと変わっていった。


条件がすべてそろったと判断した中国は、北朝鮮をグローバル経済のトップを走る(と中国が位置づけている)一帯一路国際サミットに招待。

北朝鮮もそれに応えた。


しかし残念ながら、金正恩という人間は、習近平の期待に応えるような人物ではなかったことが、これで十分に判明しただろう。


こともあろうに、習近平が待ちに待った「晴れの舞台」のその日に合わせて、ミサイルを発射したのだから。これ以上の恥はないだろうというほどの、最高レベルの恥のかかせ方を、金正恩は心得ていたことになる。


習近平の政治人生、最大の判断ミスではなかっただろうか。

いや、驕りであったかもしれない。


しかし、それにしても、これだけの好条件は、金正恩にとってもないほどの、すべての条件が揃い、それを選びさえすれば、北朝鮮にも道は開かれている、おそらく「唯一にして最後のチャンス」だったはずだ。


そのチャンスを、なぜ金正恩は捨てたのか?

いま、何か、「思い知らせてやりたい」とすれば、誰が対象だったのだろう?


これまでのミサイル発射に関しては、それぞれ北朝鮮が抗議を示したいであろう相手あるいは現象を見つけ出すことができた。

しかし今回は全く見当たらない。


そのことから逆に、金正恩という人物がいかなる考えというか、心理状態を有した人物であるかを分析することができる。


彼はただ、「自分は譲歩したわけではないからね」という強がりを、いよいよ譲歩を実行するしかない状況に来て見せただけではないのだろうか?


そしてついでに対話のテーブルで北朝鮮にとっての条件を有利に持っていこうとした。


つまり、核・ミサイル開発を加速させて、テーブルに着いたときには相手が北朝鮮を「核保有国」と認めざるを得ないところにまで漕ぎ着けようという魂胆だ。


しかしこのタイミングで実行したということは、これによって対話路線は無くなったと北朝鮮は思い知るべきだろう。


習近平の判断の甘さというか、登りつめた驕りというか、あまりに一帯一路国際サミットに意気込んでいたが故の判断ミスと位置付けるしかないだろう。


今般のサミット参加は、中国が北朝鮮に与えた最後のチャンスになるだろうと考えたい。

習近平の怒りたるや、尋常ではないにちがいない。


サミット閉幕後に爆発するかもしれないが、もしここで北朝鮮に見切りをつけなかったとしたら、中国の国際社会における立場はなくなる。


29ヵ国の首脳や日米を含む130ヵ国の代表団を集めて開催した責任上、習近平はこのケリを付けなければならない。

残されている手段は国境封鎖、断油、そして中朝軍事同盟の破棄だ。


第三次世界大戦に発展しない範囲内で、これまで見せつけてきたカードを、実際に切る以外にないところに、今度は中国が追い詰められた。


もう、「緩衝地帯だ」などと、言っている場合ではない。

隣国に米軍が来ても仕方がないと覚悟を決めて、見切りをつけるべきだ。



by mnnoblog | 2017-05-17 08:42 | 政治

のほほんと---


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