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カテゴリ:政治( 49 )

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  (日経新聞”社説”の記事より)

疑惑は深まったと言うべきだろう。衆参両院の予算委員会が23日、学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長を証人喚問した。

籠池氏は大阪府豊中市の国有地を評価額より大幅に安く購入できた経緯について「政治的な関与はあったのだろう」と指摘。
安倍昭恵首相夫人から100万円の寄付を受け取ったとも明言した。
国会は関係者をさらに招致して真相を解明していく必要がある。

森友学園が計画した小学校の新設を巡っては、評価額9億5600万円の国有地が地中のごみ撤去費などを差し引いて1億3400万円で売却された。
籠池氏は大阪府の小学校の設置認可に関しても「特別な取り計らいを頂いたと感謝している」と言及した。

証人喚問で焦点となったのは政治家の関与だ。
籠池氏は小学校開設に関して「安倍晋三首相には直接お願いしたことはない。
昭恵夫人を通じていろいろなことを相談した」と説明した。
籠池氏はまた、昭恵夫人が2015年9月に講演で学園を訪れた際に「どうぞ安倍晋三からです」として100万円の寄付をした、と証言した。

国有地の契約条件を巡って、首相夫人付の政府職員からファクスで「財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得ました」「現状ではご希望に沿うことはできないようです」と回答をもらった事実も明らかにした。

首相は学園側との接触について「個人的な関係や寄付の事実はない」と明確に否定しており、どちらかが嘘をついていることになる。
学園側から首相や夫人の名前を聞かされた政府や大阪府の関係者が何らかの便宜を図ったとの疑惑もぬぐえない。

籠池氏は証人喚問で国有地の売却や学校の設置認可について相談したという複数の参院議員らの名前を明らかにした。
大阪府の松井一郎知事が学園に力添えしたと受け取れる証言も繰り返した。

嘘をつけば偽証罪に問われる場で籠池氏がここまで証言した事実は重い。
参院予算委は24日に当時の財務省理財局長と近畿財務局長を参考人招致する。
松井知事や籠池氏の交渉代理人だった弁護士の証言も聞く必要がある。

政府・与党には昭恵夫人の国会招致について慎重な意見が根強い。
しかし様々な疑惑の解明に後ろ向きだと思われれば、政治不信を増大させる結果につながることをよく自覚すべきだ。


by mnnoblog | 2017-03-25 08:10 | 政治
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  (日経新聞の画像と記事より)

どの指導者にとっても、国民の命にかかわる決断ほど、重いものはない。
その意味で、南スーダン国連平和維持活動(PKO)から自衛隊を撤収するという安倍晋三首相の決定は、極めて大きな政治判断だ。
そこから教訓をくみ取り、次に生かさなければならない。

その核心とは、安全が確実に保証されるPKOなど存在しない、という世界の現実だ。
日本が国際貢献として自衛隊の派遣を続けていくなら、まずこの点を肝に銘じ、準備を整えるしかない。

日本のPKOは、イラクのクウェート侵攻を受けた1991年の湾岸戦争がきっかけだ。
国連決議を踏まえて多国籍軍がつくられたが、日本は自衛隊を出さず、資金協力にとどめた。
中東の石油に頼っているくせに、平和のために汗を流さず、何でもお金で済ませようとする――。
こんな批判を海外から浴びた日本は、92年からPKOに参加するようになった。

だが、武力行使を禁じた憲法9条の制約上、戦闘につながる任務に自衛隊を送ることはできない。
このため、「紛争当事者間の停戦合意」などを条件としたPKO参加5原則を定め、危ないところには送らない活動に徹しようとしてきた。

こんなガラス細工の活動はすでに限界にきている。
世界の紛争は国家同士ではなく、対立する武装勢力によるものが少なくないからだ。
南スーダンはこれに当たる。
13年、中東・ゴラン高原のPKOから日本が撤収を強いられたのも、シリアの内戦が原因だった。

こうした戦いは、本当に「停戦」が存在するのかどうかも判断がつかず、「戦闘地域」の線引きもあいまいだ。
PKOに伴う危険は大きくなっていくとみるべきだ。

それでも資源を持たない日本には「ジャパン・ファースト」を決め込み、自分の殻に閉じこもる選択肢もない。

ならば、戦闘に巻き込まれる危険も想定しながら、PKOの法制度と自衛隊の体制をこまめに点検し、改善していかなければならない。
今回のてんまつは、そのための貴重な目覚まし時計だと受け止めるべきだ。


by mnnoblog | 2017-03-12 08:16 | 政治
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  (現代ビジネスの記事より)

「近いうちに、あの小学校にどんな人物がいくら寄付をしていたか、リストが出てくるでしょう。ここに名前が挙がる人脈を精査されれば、安倍総理は大ダメージを受ける。トランプ政権ともまずまずうまくやれているし、当分政権は安泰だと思っていたけど、これは本当にまずいかもしれない」

ある官邸スタッフはこう漏らした。


誰がどう見ても、真っ黒な土地取引――それがこともあろうに、安倍総理を直撃し、官邸に激震が走っている。


件の土地は、大阪府豊中市に4月開校予定の私立小学校「瑞穂の國記念小學院」の用地。


森友学園がこの小學院の用地を、評価額のおよそ10分の1という不当な安値で購入した疑惑で、衆院予算委員会は大紛糾している。


安倍総理にとって大きな誤算だったのは、昭恵夫人がこの森友学園に、思った以上に肩入れしていたことだ。


昭恵夫人と以前から親しかった籠池氏が、総理夫妻からの「お墨付き」を最大限に利用し、ロビイングに励んでいたことも分かった。

すでに氏が「安倍晋三記念小学校」という名前を使って寄付金集めをしていたことが判明している。


大阪府の職員によれば、籠池氏があまり『認可を急げ』とせっつくので、庁内でも問題視されていたそうです。

しかも、安倍総理と昭恵さんの後ろ盾をちらつかせていた。

これは『圧力』と見られても仕方がないでしょう。


焦点は今後、誰がどのように全体像を描いて、この土地取引をリードしたのかという点に絞られてくる。

いくら安倍総理夫妻の名前という「印籠」があったとはいえ、それだけで籠池氏が、自らの要求をゴリ押しできたとは思えないからだ。


ここにきて、安倍総理に近い大物の名が取り沙汰されている。


籠池氏が安倍総理を支持する政治団体『日本会議』関西支部の幹部であることはすでに報じられていますが、それ以外にも、学校法人加計学園理事長の加計孝太郎氏が、安倍総理夫妻と籠池氏の『つなぎ役』になったのではないか、という話が永田町では出ています。


加計学園は現在、愛媛県で土地を取得し、獣医学部の新設を進めている。

この用地は、安倍政権が'13年以降に定めた「国家戦略特区」に含まれる。


「考えてみると、安倍政権下では千葉の国際医療福祉大学成田キャンパス、宮城の東北医科薬科大学の医学部新設など、私学の新学部設立や認可が多い。こうした学校の許認可の背景が、次の火種になるかもしれない」(野党衆院議員)


「一連の事態を受けて、大阪府は2月22日に臨時私学審議会を開き、認可の再検討を始めました。しかし小学校の開設認可を正式に下ろすどころか、森友学園の学校法人資格そのものを剥奪することも、すでに府の視野には入っている」(在阪の全国紙社会部記者)


今のところ、安倍総理と昭恵夫人が、この小學院用地の取引に直接かかわっていたことを示す物証はない。

だが、総理が国会で「妻から森友学園の先生(注・籠池氏)の教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている」と述べたのは事実だ。


一方の昭恵夫人は、親しい知人に対して、

「(小學院の件は)ちゃんと確認したので大丈夫よ」

と明言していたという。

つい最近まで昭恵夫人も、安倍総理自身の関与が疑われる大問題に発展するとは、夢にも思っていなかったのである。


そもそも「瑞穂の国」という言葉は、安倍総理が演説や著書の中で、日本のことを指して繰り返し使ってきた言葉。

籠池氏が国会に証人喚問される可能性が出てきたこともあって、官邸は戦々恐々としている。


「土地そのものを担保に、大手銀行が森友学園に5億円の融資をしたという情報も出回っています。この件はスキャンダルが次から次に出てきすぎる。正直、今のところは黙殺するしか対処法がない」(官邸スタッフ)


「瑞穂の國記念小學院」と昭恵夫人の「暴走」に端を発する疑惑は、下手をすれば、安倍総理の「退陣」の二文字さえちらつく疑獄事件に発展しかねないのだ。


これまで安倍総理は、昭恵夫人がいくら勝手な行動をとろうと、「家庭内野党」と言って済ませてきた。

しかし今回ばかりは、それでは乗り切れそうにない。


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3/10,朝日新聞デジタル


「スムーズに入学手続きが進むよう、(市町村教委に)配慮を要請する文書を出す」。

森友学園の小学校の設置認可申請の取り下げを受け、大阪府教育庁は10日、府庁で記者会見を開いた。

小学校の建築事業費の金額の異なる3通りの契約書について学園側から説明はなく、教育庁は改めて早急な説明を求めている。

しかし、理事長を退任する籠池氏には説明を求めることはできなくなるという。



by mnnoblog | 2017-03-09 08:22 | 政治
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  (NEWSWEEK の画像と記事より)

マイケル・フリン国家安全保障担当補佐官がロシア関係のスキャンダルで辞任に追い込まれた一件は、ドナルド・トランプ政権を揺るがしている。

そして今、疑いの目は周囲の反対にもかかわらずフリンを安全保障担当の補佐官に指名したトランプに向けられている。

トランプはもともと、ロシアのウラジミール・プーチン大統領との「親密な関係」を保守派や共和党員に非難されてきた。
フリンのスキャンダルによって、トランプにはアメリカの伝統的な外交の原則を踏襲する気がないという疑いがますます強まっている。

外交政策専門家の多くは、トランプが公の場やツイッターで繰り返す不適切な言動や、感情の起伏の激しさ、見境のなさを目にしては首を横に振ってきた。

北朝鮮のミサイル発射実験に関する国家安全保障上のやりとりを衆人環視のディナーの席で行ったことは、責任感が欠如している表れだ。

オーストラリアのマルコム・ターンブル首相との電話会談を一方的に打ち切って恥をかかせたことも大問題だ。
オーストラリアは、この100年で4度の戦争を共に戦ったアメリカの同盟国なのだ。

中国との交渉では、トランプは手のひらを返した。
最初は「1つの中国」を前提にはしないと台湾の蔡英文総統と電話会談までして、その後、中国からの無言の圧力に屈して撤回した。

また中東の「2国家共存」案をめぐる支離滅裂ぶり(「『2国家』だろうが『1国家』だろうが、イスラエルとパレスチナの両方がハッピーなほうでいい」とトランプは言った)や、NATO(北大西洋条約機構)に対する強力な支持の欠如も大きな問題だ。

どうやらペンスは、アメリカの外交政策が地に堕ち、国家の安全保障が危険にさらされていく様子を、ただ横で眺めているつもりはないようだ。

ペンスは副大統領の任務の重大さを心得ており、その物腰やボディーランゲージから、トランプの勝手で軽率な行動をしばしば不愉快に感じている様子が見て取れる。

米大統領就任から史上最も早い段階で(就任から25日)発覚した重大スキャンダルについて、FBIの捜査が進展するにつれて、トランプの辞任や弾劾を求める声が上がるだろう。

ペンスは表向きにはトランプを擁護するという難しい仕事があるが、裏では特に外交や安全保障に絡む問題で、トランプの過激な言動を封じ込める役割を果たしてくれそうだ。

ペンスが置かれた状況は、政治が混乱を極めたリチャード・ニクソン政権で副大統領を務めたジェラルド・フォードと似ている。
というのも、もしトランプが衝動的な言動で共和党トップや外交政策エリートを邪魔し続ければ、米議会がトランプに反旗を翻す可能性があるからだ。

たとえトランプが猛烈に反対しても、大統領に職務遂行能力がない場合の手続きを定めた合衆国憲法修正第25条第4項に則り閣僚の過半数が賛成すれば、ペンスは「大統領代理」になれる。

いずれにせよ、トランプは辞任する可能性がある。
ペンス大統領の誕生がいよいよ現実味を帯びてきた。


by mnnoblog | 2017-03-01 08:02 | 政治
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  (日本経済新聞の記事より)

米国土安全保障省のケリー長官は21日、メキシコなどからの不法移民の取り締まり強化に関する指針を発表した。

すでに米国に居住する不法移民の強制送還対象の拡大や国外退去手続きの迅速化、国境警備員の増員などを関係機関に指示している。

全米には推定で1100万人の不法移民がいるが、軽犯罪も対象としたことで送還される不法移民は大幅に増えるのは確実。
人権団体などは「大量強制送還の始まり」と警戒感を強めている。

積極的に送還する対象を軽微な犯罪歴がある者や、法に触れた疑いがある者などに拡大するとしており、軽犯罪の対象は交通違反や万引きなども含まれるとみられる。

不法移民の取り締まりにあたる職員を1万人、国境警備員も5千人増員する計画で、国境近くの州では地元の警察にも摘発への協力を要請する。

また米国内の滞在期間が2年未満の不法移民については、移民裁判所での審理を経ず即時に強制送還できるようにした。

子供の時に親に連れられて不法入国し、オバマ前政権が大統領令で一時的な合法滞在資格を認めた「ドリーマー」と呼ばれる若者に関しては、今回の指針で言及していない。

スパイサー大統領報道官は21日の記者会見で、指針の目的は不法移民の大量強制送還ではないと主張。
「社会への脅威となる者や、犯罪歴のある者の送還を優先する」と強調した。


by mnnoblog | 2017-02-28 08:26 | 政治
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  (日経新聞”社説”の記事より)

テロや組織的な犯罪を、実行する前の計画段階で処罰する「テロ等準備罪」の新設を目指し、政府が組織犯罪処罰法の改正を検討している。

いまの国会に法案を提出し、成立を図る構えだ。


この法案は国際組織犯罪防止条約を締結するための前提として、各国に整備が義務付けられた法律という位置づけだ。


これまでは「共謀罪」法案として3度国会に出されたが、「処罰対象が不明確で、恣意的に運用されかねない」といった批判が強く、いずれも廃案となった。


こうした経緯を踏まえた結果であろうが、法案提出の前から始まっている国会の論戦では理解に苦しむ場面が多い。


2020年の東京五輪対策やテロ防止を過度に強調したり、条約上絞り込めないと明言していた600超の対象犯罪を半数程度に削る姿勢を見せたり、政府側の対応はあいまいで二転三転している。


イメージの悪さを払拭する必要からか、「共謀罪とはまったく違う」「発想を変えた新たな法律だ」との説明も聞かれた。

だが共謀罪とまったく違うなら肝心の条約が締結できなくなってしまう。

こうなると一体何を目指しているのかさえよく分からない。


犯罪の共謀を罰する規定は、現行制度でもすでに爆発物取締罰則や国家公務員法などに13あるという。

問題は共謀罪を新たに設けるということより、条約に便乗するような形で幅広く網をかけようとしてきた政府側の姿勢であることを指摘しておきたい。


各国が一致して組織犯罪を封じ込めていくという条約の意義は大きい。

これに加わらないと、外国との容疑者引き渡しが滞るなど不利益があることも理解できる。


ただ条約の重点は本来、資金洗浄や人身取引などの組織犯罪に置かれている。

もちろんテロも組織犯罪の一つで、同じような対策が有効だが、「テロのため」だけを強調すると本質からずれてしまわないだろうか。


そもそも国民の権利の侵害につながる懸念を持つ法案である。

「本当に条約を締結するために不可欠なのか」「どの程度、処罰対象を限定することが可能か」といった疑問点も多い。


まさかカジノ法のときのような、駆け込み的成立を狙っているわけではなかろう。

ここはまずは腰を据えて、分かりやすく説明していく必要がある。



by mnnoblog | 2017-02-07 08:41 | 政治
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  (日経新聞の画像と記事より)

トランプ米大統領は23日、環太平洋経済連携協定(TPP)から「永久に離脱する」とした大統領令に署名した。

世界経済の4割を占める巨大貿易圏構想は旗振り役の米国の離脱で、トランプ政権下での発効が絶望的となった。

トランプ氏は同日の会合で「日本との自動車貿易は不公平だ」と主張し、是正を求める考えも示唆した。
TPPをテコに同盟関係の強化を図った日米だが、一転して通商摩擦の懸念が浮上した。

トランプ氏は「(TPP離脱は)米労働者に素晴らしいことだ」と述べた。

トランプ氏は同日、日本との貿易不均衡にも改めて不満を表明した。
TPP離脱の署名前に開いた企業経営者との会合で「公平な貿易を求めている。
日本は米国車を同国市場で売れないようにしているが、日本車は大量に米国市場に入ってくる。
話し合いが必要だ。不公平だ」と強調した。

日本市場での米国車のシェアは1%にも満たない。
日本はすでに自動車関税を撤廃しているが、米国勢には燃費や安全規制が厳しすぎるとの不満がある。
一方で米自動車市場での日系メーカーのシェアは4割弱と高く、1980年代以降、自動車は日米の貿易不均衡の象徴とみなされてきた。

もっとも日本勢は米国での現地生産を進めており、2015年の対米輸出は約160万台と、直近ピークの06年比で3割も少ない水準だ。
米国は逆に日本からの乗用車には2.5%、大型の多目的スポーツ車(SUV)を含むトラックには25%の関税を課しており「トランプ氏の主張は時代錯誤だ」(日本の通商担当者)との指摘がある。

23日に記者会見したスパイサー大統領報道官は「米国はTPPから離脱し、アジア太平洋との貿易協定は2国間交渉に軸足を移す」と明言。
日本にも2国間の自由貿易協定(FTA)交渉を求める可能性がある。
米国の対日貿易赤字は年700億ドルと、中国、ドイツに次いで大きい。
米国はTPPからの離脱で日本の農畜産品の関税引き下げを実現できなくなり、食肉団体などには代替措置として日米FTAを求める声も強まっている。


by mnnoblog | 2017-01-26 08:06 | 政治
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  (日経新聞の画像と記事より)

16年を振り返ると、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」は大きく軌道修正された。

第1に、金融政策だ。
黒田東彦総裁率いる日銀は16年1月に、マイナス金利政策の導入を決めた。
さらに9月の金融政策決定会合で、金融緩和強化のための新たな枠組み「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入することを決めた。

第2に、消費税への対応を含む財政政策だ。
安倍首相は14年時点で消費税率を8%から10%に引き上げる時期を15年10月から17年4月に1年半延期する方針を決めていたが、16年6月にさらに2年半先となる19年10月へと再延期する意向を表明した。

日銀が金融政策の軌道修正を進め、政府も「積極財政」にカジを切る。
こんな形で政府・日銀が政策協調に動くのは、デフレ脱却がなお道半ばとの判断からだ。

日本は国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を20年度に黒字にするという財政健全化目標を掲げている。
消費増税は2度にわたり延期されたが、首相は目標を堅持するという。
本当に目標達成は可能だろうか。

政府は16年12月22日、総額で97兆円超の17年度の一般会計予算案を閣議決定した。
それよりも見逃せないのは16年度の新規国債発行額だ。
3次にわたり補正予算を編成する結果、新規国債発行額は当初の34兆円強から39兆円に拡大。
一般会計に占める新規国債発行額の割合を示す国債依存度は15年度の35.5%から16年度38.9%へと、4年ぶりに上昇した。

安倍政権の基本哲学は「経済再生なくして財政健全化なし」。
経済成長による税収増を追い風に、財政を立て直す路線を進めてきたが、16年度の前半に新興国経済の減速懸念を背景に円高が進み、企業収益の鈍化で税収が想定より伸びなかったことが響いた。

トランプ米政権誕生を先取りする形で足元では円安・ドル高の基調で推移している。
もちろん、トランプ政権と金融市場の「一寸先は闇」。
円安なら税収が増え、逆に円高なら税収が減る――。
これまでのアベノミクスで明らかになったのは、為替相場に一喜一憂する危うい経済・財政戦略といっては言い過ぎか。

16年7~9月期から研究開発投資などが加算され、見た目上の国内総生産(GDP)は押し上げられた。
米連邦準備理事会(FRB)が17年も利上げを続ければ、日米の金利差拡大から円安基調は定着しやすくなる。
それでもやや長い目でみると楽観論は禁物だ。

《シナリオ(1) 19年10月に消費税率は10%に上がるが、財政健全化目標は未達》

首相は「20年度の財政健全化目標はしっかりと堅持します。
そのため、ぎりぎりのタイミングである19年10月には消費税率を10%へ引き上げる」と述べている。
問題はそれでも財政健全化目標が達成できそうにないことだ。

内閣府が16年7月にまとめた中長期の経済財政に関する試算をみると、中長期的に経済成長率が実質2%以上、名目3%以上という「経済再生ケース」の場合でも、20年度時点で基礎的財政収支は5.5兆円の赤字が残る。

今のところ与野党を問わず、10%を超えて消費税率を上げようという機運はない。
だとすれば、歳出の削減や抑制が財政健全化の焦点になるが、これも難題だ。

最大のカギを握るのは、社会保障改革だ。
国の一般会計予算のうち、社会保障費が占める割合は30%を超え、政策経費で最も大きい。

日本は急ピッチで高齢化が進んでいる。
15~64歳の現役世代が細る一方、20年には65歳以上の高齢者が総人口に占める割合は30%近くまで上昇する見通しで、その分だけ社会保障費は膨張しやすくなる。

消費税は19年10月に上がるが、経済成長率はそれほど高まらず、社会保障費を中心とする歳出削減も十分に進まないと想定すれば、20年度の基礎的財政収支の黒字目標は断念せざるを得ないだろう。
金融市場で日本の財政破綻のリスクが意識され始め、長期金利に上昇圧力がかかるリスクはある。

《シナリオ(2) 消費税率が10%に上がり、財政健全化目標を達成》

安倍政権がこれから思い切った社会保障改革を実行して歳出の伸びを抑制すると同時に、働き方改革や構造改革などで潜在成長率が上がる可能性がゼロとまでは言い切れない。

たとえば、安倍首相が17年の早い時期に衆院解散・総選挙に踏み込む。
自民、公明両党の与党の大勝を受け、政権基盤を盤石にしたうえで、積み残された懸案である「痛みを伴う社会保障改革」についに手をつける。

実は骨太方針や「経済・財政再生計画改革工程表」には、さまざまな社会保障改革のメニューが盛り込まれている。
18年度までは社会保障費の実質的な増加を年5000億円程度にとどめる基調を続ける方針。
しかし、政権の基盤が弱くなったり支持率が低下したりすれば、次の国政選挙での高齢者票を意識し、痛みを伴う社会保障改革を避ける公算が大きい。

《シナリオ(3)消費増税を断念》

気になるのは、日本の景気回復期間が長くなる「成熟化」を迎えると、その分だけ近いうちに景気が後退局面に入る可能性も高くなることだ。

19年10月に予定通り消費増税を実施するか否かの判断は、19年度予算案を編成する18年12月がタイムリミットとみられている。
もしも18年の後半に景気が悪化していた場合、その時の首相や政府・与党の幹部は「それでも19年10月に予定通り消費増税する」との決断ができるだろうか。

その場合、景気悪化のリスクが後退するのと同時に、財政破綻のリスクは着実に高まっていく。
日本の財政状態は先進国で最悪だ。
経済協力開発機構(OECD)のデータによると、16年の日本の国と地方をあわせた財政収支の赤字のGDP比は5.7%になる見通しだ。

より深刻なのは、政府債務(借金)というストック面だろう。
国際通貨基金(IMF)によれば、17年の日本の国と地方をあわせた政府債務のGDP比は約250%だ。財政危機に直面したギリシャよりも大きい。

冷静に考えれば、20年度は日本の財政健全化に向けた一里塚にすぎない。
1947~49年生まれの団塊の世代が全員、75歳以上の後期高齢者になる25年になると、医療・介護費が急増しかねないことから「2025年問題」ともいわれる。
基礎的財政収支を黒字にした先に、財政収支も黒字にして、さらに政府債務のGDP比を安定的に引き下げなければならないという険しい道が待っている。


by mnnoblog | 2017-01-05 08:31 | 政治
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  (日経新聞”社説”の記事より)

戦後70年以上も解決できなかった課題だ。
北方領土交渉の着地点を見いだすには、相当な努力と知恵が欠かせない。

ロシアのプーチン大統領が来日し、安倍晋三首相と2日間にわたって会談した。

両首脳の会談は通算で16回目、今年だけで4回目だ。

プーチン氏が大統領として来日するのも11年ぶりだったが、ロシアの姿勢は硬く、返還への目立った進展があったとは言いがたい。


こうしたなか、新たに2つの合意が交わされた。

ひとつは択捉、国後、色丹、歯舞の北方四島に居住していた元島民らの往来の簡素化、もうひとつは四島での「特別な制度」の下における共同経済活動をめぐる合意だ。


日ロ間ではこれまでも墓参、自由訪問、ビザ無し交流の枠組みはあったが、人数や訪問先が限定され、複雑な入域手続きが必要になるなど制限も大きかった。

高齢化が進む元島民の間では、領土返還はともかく、より自由な訪問の早期実現を望む声も強かった。

なるべく早く実施するよう求めたい。


一方の共同経済活動は特別な制度を設け、その下で漁業、観光、環境といった分野の活動を実現しようというものだ。

専門機関を設けて具体策を詰めるとみられる。


問題の核心は、これがどこまで領土返還につながるのかだ。

日本が出した声明によると、平和条約問題に関する互いの立場を害さない形で進めるという。


だが、この合意はもろ刃の剣だ。

四島への日本の関与が強まれば、将来の返還に向けた環境整備に役立つかもしれない。

だが、帰属問題があいまいなまま進めれば、逆にロシアによる実効支配をさらに固定化してしまう。


ロシア側はかねて「ロシアの法制度での実施は当然だ」と主張してきた。

四島をめぐるロシアの主権をなし崩し的に認めることにならないよう、事前にかなり緻密な制度設計を求めたい。


今回の会談では、かたくななロシアの態度が印象づけられた。

領土問題でプーチン大統領はかねて、平和条約締結後の色丹、歯舞両島の日本への引き渡しを定めた1956年の日ソ共同宣言の有効性は認めている。


ただし、共同記者会見では、この2島返還ですら、主権の問題を含めて「どのような条件で引き渡すかは明確に定義されていない」と強調。

この2島に米軍が駐留しないことも、返還の条件に加える姿勢すらにじませた。


むろん、領土問題の解決と平和条約の締結をめざし、ロシアと交渉を前に進めようとする安倍首相の路線が間違っているわけではない。

だが、焦りは禁物だ。

今回の会談結果を詳しく分析し、ロシアの出方を冷静に見極め、話し合いにのぞんでほしい。


その際、欠かせないのが、日ロだけでなく、世界全体を見据えた情勢分析と戦略の立て直しだ。


来年1月、米国ではロシアに融和的なトランプ政権が生まれる。

原油価格が底打ちし、制裁を受けるロシアの財政の悪化にも歯止めがかかる兆しが見える。


プーチン氏からみれば、もはや、領土問題で譲歩してまで日ロ関係の修復を急ぐ理由は薄れている。

安倍政権がこうした局面に対応するには、日米や日欧関係の強化がこれまで以上に大切だ。


両首脳は今回、8項目の経済協力を具体化するため、政府間と民間レベルを合わせて約80の合意文書を交わした。

領土交渉が動かないまま、経済協力だけが「先食い」されてしまうことへの懸念が日本国内にはある。

協力に当たっては、事業の採算性を重視して進めることが肝心だろう。


防衛分野では、外務・防衛担当閣僚級協議(2プラス2)の再開の必要性でも一致した。

中国の軍事増強や北朝鮮の核問題を踏まえれば、日ロの対話は日本やアジアの安定に有益な面もある。


ただ、他の地域に目を向けると、プーチン政権が世界の秩序を脅かす行動を続けていることも忘れてはならない。

ウクライナ領のクリミア半島を併合したほか、米大統領選でトランプ陣営を有利にするため、サイバー攻撃をクリントン陣営に仕掛けたと米情報機関は断定している。


日本は主要7カ国(G7)の一員として、ロシアに国際社会の懸念を伝え、正しい行動を促す役割もある。

日ロはともに強いリーダーシップを持った安定政権が続く。安倍政権は会談の結果を次に生かし、局面打開への努力を続けてほしい。



by mnnoblog | 2016-12-17 08:32 | 政治
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  (日経新聞の画像と記事より)

公的年金の「世代間の不公平」について取り上げてみましょう。

おそらく年金制度は世代間不公平論の最たるものでしょう。
若い世代は重い負担を強いられ、すでに年金生活に入った世代は老後を謳歌しているというイメージです。

しかし、多くの年金生活者世代が豊かな年金をもらっていることは、別の言い方をすれば「親を子が扶養しなくてもいい」ということです。

歴史的にいえば、多くの親が子に扶養されることなく、公的年金で基礎的な生活費をまかない、退職金などで老後のゆとりを確保している時代は初めてかもしれません。

過去何百年(あるいは数千年)にわたって、親は子に扶養されて老後を送ってきました。
「隠居」という言葉がありますが、親が子に家督を譲ったら、敷地内の別宅(狭い部屋)を与えられ、肩身狭くし、子に生活の面倒をみてもらっていたわけです。
子は親の生活にかかる費用をすべて負担してきました。

三世代が同居していくのが当たり前の時代でしたが、子の経済的余裕の範囲で親は生存できたのです。
家庭内扶養ができなくなったとき、どうしていたかは「姥捨て山」という伝承が語っているとおりです。

年金生活者の貧困がしばしば話題になりますが、高齢者の貧困問題は過去をさかのぼるほど厳しく切実になります。
実はそれは昭和初期ぐらいまでリアルでした。

しかし、現代のほとんどの年金生活者は貧困状態にはありません。
かといって富裕層というほどでもありません。

今の高齢者は豊かな生活をしているイメージがありますが、そもそも夫婦のモデル年金額が月22万円程度ですから、大卒初任給の賃金にプラスアルファといったところです。

これが単身者だと会社員でもモデル年金は月16万~17万円です(国民年金のみの単身者は満額でも月6万5000円程度で、これは厳しい経済水準といえます)。

これだけの水準を国が年金として支払えることで、別の誰かが支払わなくてよいコストも存在します。
それは「子から親への仕送り」です。

高齢者の多くは子の仕送りに頼らずやりくりをしており、「子の親への経済的負担」はかなり小さくなっています。
今、働き盛りの子どもとしては公的年金制度があることで、親への仕送りを行わなくてもいい(もしくはわずかですむ)わけです。

これは今の年金世代である、団塊世代の現役時代との大きな違いです。
団塊世代(とその前後の世代)は、自分の子ども(つまり私たちの世代)を育てつつ、自分の親(私たちの祖父母世代)をも家庭内扶養で支えてきました。

つまり世代間不公平を語るときには、かつて存在していた仕送りという「見えない負担」も考える必要があります。
毎月22万円とはいわずとも、団塊世代の多くがそうしていたような親への仕送りをしていたら、今の現役世代はもっと結婚や子育てする余裕がないはずです。

もうひとつ、世代間不公平論の裏に隠されていますが、若い世代にも恩恵のある年金の役割があります。
それは社会的変化、すなわち「独身者の増加」と「一人っ子世帯の増加」への対応です。
実は独身者と一人っ子については、今の年金制度のほうが確実に助かるしくみになっています。

先ほどの「毎月22万円の仕送り」という課題は、子どもの人数で負担がまったく変わります。
兄弟姉妹がいれば割り勘できるからです。
筆者は3人兄弟ですから、たとえば「1人7万円」と割り算できます。
しかし、一人っ子なら自分の両親を養うために給料のほとんどを渡さなければならなくなります。
22万円はもはや毎月払える金額ではありません。

家庭内扶養は、兄弟姉妹の人数が少ないほど苦しく負担が重くなります。
社会保障のもとで国が年金給付をしてくれることは一人っ子世帯にとっては助かることなのです。

そして、自分の親への仕送りをなんとかやり遂げたとしても、次の社会的変化が影響してきます。
今増えているおひとりさまは自分の老後がやってきたとき、「仕送りをしてもらう子がいない」という現実に直面するからです。
自分がなんとか親に仕送りできたとしても、自分を支えてくれる存在、つまり子がいません。これは大変です。

しかし、国の社会保障は違います。
兄弟が多いか独身者であるかは関係ありません。
保険料の納付履歴に従い粛々と年金を払ってくれます。
国の社会保障制度として年金制度を構築していったことで、身寄りがない人も独身者も老後は社会的に支えられることとなったのです。

よく、年金制度は「現役世代が支え、年金世代が受け取る世代間の支え合い」といわれます(賦課方式)。
こういう支え合いは少子化の時代には若い世代ほど損をすることになります。

しかし、同時に国の年金は官民合計で150兆円ほどの資金があります。
世代間の支え合いのはずがなぜここにこんなお金があるのでしょう。
矛盾していると思ったことはないでしょうか。

実はこのお金、団塊世代が現役時代のうちに保険料をある意味多めに支払ってもらい、着々と積み上げてきた資産です。
団塊世代が世代間の支え合いだけをしていたら、もっと保険料は少なくてよかったところ、彼らが将来年金世代になって給付が増大するときを見越していたのです。

つまり団塊世代は「年金世代を家庭内扶養で支えつつ、自分の老後のための保険料負担も参加してきた」ともいえるわけです。

今、私たちの世代は積立金を増加させる時期にはなく、世代間の支え合いに保険料が使われています。
そしてこれから少しずつこの年金資金を取り崩していくことで、これ以上の保険料増大がないようにしていきます。

もし、この積み立てを行わず実直に賦課方式を行っていれば、今現役世代である私たちの年金保険料率はもっと高いものになっていたことでしょう。
もっともっと世代間不公平は高まっていたはずです。

お上のやることは、厚生労働省にせよどこにせよ何でも悪いことだと思いたい気持ちはわからないでもありません。
しかし、公的年金の話は目の前の損得だけではなく、大きな時代の変化を合わせてとらえると、違ったビジョンとして見えてきます。
世代間公平の話はそう単純ではないのです。


by mnnoblog | 2016-12-02 08:07 | 政治

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