私のゆるゆる生活

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  (THE WALL STREET JOURNAL の画像と記事より)

イタリア南部のカプリ島で、いとこ同士の町長2人が演じる小競り合いは、同国各地が抱えるジレンマを浮き彫りにする。
観光は重要な収入源だとわかっているが、その半面、観光客に対して(少なくともその一部には)もう来ないでほしいと多くの住民が思っているのだ。

昨年、カプリ町長のジョバンニ・デ・マルティーノ氏はうんざりしていた。
本土からのフェリーが立て続けに到着し、5分間隔で島に押し寄せる観光客が――多くは低予算のツアーで訪れる日帰り客だ――町の中心部に向かうケーブルカーに乗り込むために1時間も行列に並ぶのだ。

静かで神秘的な島の魅力が、群衆によって損なわれることを危惧したデ・マルティーノ町長は、フェリーの到着を20分間隔に伸ばすよう求めることにした。

しかし、ほどなく強敵が立ちふさがった。
島内のもう一つの町、アナカプリの町長で、いとこでもあるフランチェスコ・チェロッタ氏だ。

チェロッタ町長は「カプリの誰かさんは、いまだにジャクリーンとオナシスが(目抜き通りの)ヴィアカメレーレを散策することを夢見ているらしい」と現地メディアに語った。
「カプリが魅惑的な場所であることは必要だ。しかしホテルやレストラン、ショップを客で満たすことも必要だ」

最近、観光客が「トレビの泉」を全裸で泳いだり、ベネチアのリアルト橋から飛び込んだりする事件が続いたのを受け、旅行者殺到を食い止めたいという当局の決意は強まるばかりだ。
イタリアを訪れる観光客の数は2016年に5200万人を突破し、2000年に比べ30%近く増えた。

ただ、観光客が来ないようにするのは至難の業だ。
訪問を制限するには、法的にもビジネスの面でも実際の運用上でもさまざまな課題にぶつかる。

中部の都市フィレンツェでは2016年に観光バスの乗り入れ料金を引き上げる市の条例を定めたが、地方裁判所が一部を無効にする決定を下した。
同市は決定を不服として上訴し、一時差し止めの仮処分を勝ち取った。

地中海に面する海岸に沿って小さな漁村が集まるチンクエテッレには、昨年250万人が訪れた。
住民の数の実に500倍に相当する。
これに対し、地元当局は今春、5カ所をつなぐ風光明媚な散歩ルートに入場制限を設ける考えを明らかにした。
反対論はあったものの、6月にこの制度は施行された。

水の都ベネチアは、米ニューヨークのセントラルパークの5倍ほどの広さにもかかわらず、年間1500万人の日帰り観光客が押し寄せる。
市民や一部の政治家からは観光客の制限を求める声が強まっているが、法的な問題などもあってらちがあかない状況だ。

「都市を閉鎖することは望まない」と、同市観光局トップのパオラ・マール氏は話す。
「法律でもそれは許されない」

今月、何らかの方策を求める住民投票が実施された。
大勢の観光客を乗せた巨大クルーズ船が乗り入れ、サンマルコ広場に危険なほど近づいて航行するのをこれ以上放っておけないからだ。
政府は2012年に航路の変更を求める法令が定めたが、それが形骸化していることに住民の怒りは募るばかりだ。

# by mnnoblog | 2017-07-09 08:27 | 国際
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  (日経ビジネスの画像と記事より)

5月18日に経済産業省で開催された第20回産業構造審議会総会で、中長期的な日本の社会の在り方に関する次官・若手プロジェクトの提言「不安な個人、立ちすくむ国家」が発表された。

このプロジェクトは省内で公募された20代・30代の若手30人で構成されており、メンバーは自分の担当業務をそれぞれ行いながらプロジェクトに参画。

「国内外の社会構造の変化を把握するとともに、中長期的な政策の軸となる考え方を検討し、世の中に広く問いかけることを目指すプロジェクト」である。

世代を越えて傾聴すべき若者の意見か、それとも税金の無駄遣いにすぎないかで、SNSなどで論争を巻き起こしたペーパーなのだが、結論の部分に以下の文章がある。

「2025年には、団塊の世代の大半が75歳を超えている。
それまでに高齢者が支えられる側から支える側へと転換するような社会を作り上げる必要がある。
そこから逆算すると、この数年が勝負。
かつて、少子化を止めるためには、団塊ジュニアを対象に効果的な少子化対策を行う必要があったが、今や彼らはすでに40歳を超えており、対策が後手に回りつつある。
今回、高齢者が社会を支える側に回れるかは、日本が少子高齢化を克服できるかの最後のチャンス。2度目の見逃し三振はもう許されない」

かなりマイルドで婉曲な表現が使われているが、端的に言うと、できるだけ多くの高齢者が働き続けて社会を「支える側」に回ることにより、少子化対策の失敗をカバーしようという発想である。

「日本の立ち位置」というタイトルがつけられた2番目の章に、以下の記述がある。

「バイオ技術の活用で世界に先んじて健康寿命が延び、 AI・ロボット技術の積極導入によるサポートが可能になれば、高齢者も、支えられる側から、むしろ価値創造側に回ることができるのではないか」


「わが国の平均寿命は戦後と比較して30年延伸。健康寿命も70代に。

今後、AI・バイオ技術の導入で健康寿命が延びれば、高齢者は、知識・智恵を活用した人的資源となるのではないか」


そして、「今後の仮説」と題された章の「基本的な方向性と仮説」には、次の文章がある。


「高齢者の智恵・人脈・経験等を活かした労働参加の促進が社会的に大きな利益。→ AI、IoT、バイオ技術を活用し、世界最高レベルの高齢者の労働参加(戦後の社会保障・雇用制度の抜本見直し)」


「第4次産業革命がもたらす所得格差が世界的な課題となる中で、我が国は、①高齢者の労働参加、②様々な『差異』を生み出す人材の創出によって、大きな政府による所得再分配策に依らずとも所得の二極化を解決できるのではないか」


「AI・IoT・バイオ技術等を活用し、高齢者の就労を促進することができるのではないか。

健康寿命の伸びに実態を合わせていけば、現役世代2人で高齢世代1人を支える構造を今後も維持できるのではないか」


この「現役世代2人で高齢世代1人を支える構造を今後も維持できる」という見方のエビデンスとして「高齢者の現役参画と生産年齢人口比率の関係」と題した数表があり、①2015年時点で65歳以上人口/15~64歳人口=2.3、②2035年時点で70歳以上人口/15~69歳人口=2.4、③2055年時点で75歳以上人口/15~74歳人口=2.5という数字が、丸で囲ってある。


要するに、健康寿命が伸びれば、2035年時点で69歳までの人の多くが就労した状態であることができ(現役世代にとどまることができ)、2055年時点ではこれが74歳までになり得るから、海外からの移民などの積極的受け入れを含む人口対策を強化しなくても、高齢層の就労拡大によって、社会保障制度はなんとか維持できるのではないかという、なんとも大胆な仮説である。


若年層から出てきたこうしたアイディアに厳しさ、さらには冷たい視線さえ筆者が感じるのは、「人は何のために働くのだろうか」「健康寿命の間はひたすら働き続ける人生が本当によいのだろうか」「そういう人生が楽しいと思える人は多数派なのだろうか」といった、素朴な疑問を抱く。


2016年6月23日~7月10日に実施された最新の調査結果で、「あなたが、働く目的は何ですか。あなたの考え方に近いものをこの中から1つお答えください」という問いに対する回答では、「お金を得るために働く」が最も多く、半数を超えた(53.2%)。


第2位は「生きがいをみつけるために働く」(19.9%)。

以下、「社会の一員として、務めを果たすために働く」(14.4%)、「自分の才能や能力を発揮するために働く」(8.4%)、「わからない」(4.1%)となっている。


むろん、世代によって考え方には違いがある。

年齢別の集計結果を見ると、「お金を得るために働く」が最も多かったのは「40~49歳」(68.3%)。

「18~29歳」「30~39歳」も60%を超えた。

「50~59歳」は58.5%である。

一方、「60~69歳」では49.1%にとどまり半数未満。

70歳以上では34.4%しかおらず、「生きがいをみつけるために働く」の32.0%とほぼ拮抗している。


若い世代からすれば、日本政府の借金が後先を考えずにここまで膨大な額になってしまったのは自分たちより上の世代の責任であることは明らかだし、少子化対策や外国人受け入れ策を早い段階から積極的に推し進めなかったのも上の年代の人々の責任だということになるのだろう。


したがって、そうした世代の人々は自分の健康をしっかり維持しながら、70歳代半ばあたりまで現役世代として働くことにより、いわば「落とし前をつけてほしい」ということなのだろう。


政治の表舞台にはまだ出てきていないものの、世代間の利害対立は、日本でも潜在的には非常に深いものになりつつあるように思える。


そして、「引退して悠々自適の生活を送る」という人生のゴールのようなものは、だんだん遠くなりつつある、もしかするとなくなりつつあるのかもしれない。


# by mnnoblog | 2017-07-08 08:48 | 社会
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  (NEWSWEEK の画像と記事より)

ISIS(自称イスラム国)はおそらく今後1年のうちに終焉を迎えるだろう。
支配地域を失うからだけでなく、収入源も失うからだ。

ロンドンに拠点を置く軍事コンサル「IHSマークイット」によると、ISISはイラクとシリアの国境をまたいで支配していた地域をすでに60%以上失ったが、収入はこの2年で80%を失った。

アメリカ主導の有志連合の空爆やイラク、シリアの地上軍の攻撃で、石油生産や密輸、徴税、誘拐による身代金や収奪といったISISの収入源となっていた活動はほとんど消失した。

6月30日、イラク北部モスルを包囲していたイラク軍部隊が、14年7月にISISの最高指導者アブバクル・バグダディが建国を宣言したヌーリ・モスクを制圧した。

モスルはイラク国内で唯一ISISが支配する都市で、間もなくイラク国軍が奪還すると見られている。

この8カ月間、モスル奪還作戦を指揮してきたイラクのハイダル・アバディ首相は、今週29日にISISが終焉を迎えたと声明で述べた。
「ヌーリ・モスクと(付属する)アル・ハドバの尖塔を奪回したことは、偽りの国の終焉を意味する」

同時にシリアでは、ISISが「首都」と称する東部の都市ラッカで、シリア民主軍(SDF)と呼ばれるクルド・アラブ連合部隊が掃討作戦を続けている。
シリアに広範な情報源を持つ英人権監視団体「シリア人権監視団(SOHR)」は、本誌取材に対してラッカが「完全に包囲された」と語った。

電話取材に応じたSOHRのラミ・アブデルラーマンは、「(SDFが)全方向からISISを包囲している。もう逃げ場はない」と話している。

この7月で4年目を迎えるISISに未来はない。

前述のストラックによれば、イラクとシリアに点在する支配地域も、ISISが拠点都市を失えばいずれ制圧される。


「ISISの残りの支配地域も今後1年以内に解放されるだろう」とストラックは見ている。

「分断された一部の都市でISISの統治が続いても、2018年には消滅する」


# by mnnoblog | 2017-07-07 08:10 | 国際

日欧EPA大枠合意

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   (日経新聞の画像と記事より)

日本政府と欧州連合(EU)は経済連携協定(EPA)交渉の大枠合意を6日の首脳協議で宣言すると決めた。

岸田文雄外相は5日午後(日本時間同日夜)、訪問先のブリュッセルでマルムストローム欧州委員(通商担当)との協議後、「閣僚間で大枠合意の達成を確認できた」と表明した。

日欧間で関税がなくなる品目は全体の95%超に達する見込み。
世界の経済・貿易の3割を占める大経済圏が誕生する。

日欧EPAの大枠合意をテコに、米国を除く11カ国での環太平洋経済連携協定(TPP)の発効を目指す「TPP11」の交渉進展にもつなげたい考えだ。

岸田外相は協議後、記者団に「大枠合意によって保護主義的な動きのなかで世界に前向きで大きなメッセージを送ることができる」と意義を強調した。
「日・EUが世界に範を示すに足る内容だと自負している」とも述べ、日欧が自由貿易を主導していく考えを示した。

大枠合意の内容は首脳協議後まで明らかにされない。
これまでの交渉で日欧が貿易品目の95%超で関税を撤廃することになった。
これはTPPと同じ程度の自由化水準だ。
関税撤廃する品目のうち、交渉が難航したのは欧州産チーズと日本産乗用車の扱いだったが閣僚級協議でメドがついた。

欧州側が市場開放を求めたチーズは、日本側が欧州産チーズに低関税で輸入する新たな枠を設け、枠内の税率を15年かけてゼロにする見通し。
欧州側は、日本車にかける関税(最高10%)を協定発効後7年かけて撤廃する方針となった。

このほか、日本側は欧州産ワインにかかる関税(ボトルワイン1本で約93円)を即時撤廃する方針。
欧州産の豚肉やパスタ、木材などの関税も削減・撤廃でほぼ決着し、欧州側も日本産の緑茶・日本酒にかける関税を即時撤廃する。

大枠合意後も、引き続き日欧間で協議を続け、年内には最終合意する方向。
協定が発効すれば日本の消費者にとっては欧州産ワインやパスタ、チョコレートを今よりも安く買えるようになる。
一方、日本から欧州には自動車や日本酒を売りやすくなる。

# by mnnoblog | 2017-07-06 08:49 | 経済
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  (NHK NEWS WEBの画像と記事より)

東京・新宿区の防衛省のグラウンドに展開している、迎撃ミサイル「PAC3」。
北朝鮮による弾道ミサイルの発射が相次ぐなか、日本国内に落下物があった場合に備えています。

北朝鮮の弾道ミサイルの能力は発射のたびに向上していると見られていて、政府・与党内では迎撃態勢を強化すべきだという声が上がっています。

日本の迎撃ミサイルシステムはどうなっているのか、そして、どのような課題があるのか。防衛省での最新の研究状況なども含めて、政治部の中村大祐記者が解説します。

「北朝鮮の核・ミサイル開発は、『新たな段階の脅威』だ」
安倍総理大臣が、去年の9月ごろから、国際会議の場や国会などで繰り返し使っていることばです。

北朝鮮による核実験や弾道ミサイルの発射は、去年から急激に増加しており、ことし6月までの1年半で、核実験は2回、発射した弾道ミサイルは30発以上に上っています。

日本の領域に落下したことはないものの、日本の排他的経済水域やその周辺への落下も相次いでいます。
ことし3月には、4発が南北に80キロ程度のほぼ等間隔で日本海に落下し、そのうちの1発はこれまでで最も日本の領土の近い、能登半島の北北西およそ200キロの海域に落下したと推定されています。

発射方法も移動式発射台や潜水艦など多様化させていて、ことし5月には、初めて2000キロを超える高度までミサイルを到達させました。

日本の迎撃態勢はどうなっているのでしょうか。

日本は現在、日本海に展開するイージス艦に搭載された迎撃ミサイル「SM3」と、東京・新宿区の防衛省などに配備されている迎撃ミサイル「PAC3」を組み合わせた2段階の態勢をとっています。

大気圏の外を飛しょうしている段階で、日本海のイージス艦が狙い、撃ち落とせなければ、全国に配備された34基のPAC3で破壊する計画です。

では、万が一、北朝鮮の発射したミサイルが日本国内に落下してきた場合、本当に撃ち落とすことはできるのでしょうか。
この疑問に防衛省の担当者は「具体的な態勢を明らかにすることはできないが、ミサイル防衛は着実に整備が進められており、万全に対応できるので大丈夫だ」としています。

ただ一方で、防衛政策に詳しい国会議員は「イージス艦は、北海道から沖縄までをカバーするために必要な数が展開されておらず、PAC3の展開も一部の地域だけにとどまっている。『2層防衛』となっているのは日本のごく一部で、十分とはいえない」と指摘します。

北朝鮮のミサイル発射能力の向上が進んでいるとみられるなか、防衛省では、迎撃態勢の強化が必要だとして、アメリカの新型迎撃ミサイルシステムを導入できないか検討が進められています。

検討されているのが、イージス艦と同様の能力があり、地上に配備する「イージス・アショア」と呼ばれるシステムと、PAC3よりも高い位置での迎撃が可能で、韓国で配備が進められている「THAAD」です。

イージス・アショアの迎撃ミサイルはSM3で、イージス艦と同じですが、導入によって常時地上から大気圏外で撃ち落とすことができるようになります。

一方のTHAADは、同時に飛んでくる複数の弾道ミサイルへの対処能力が高いとされ、「2層防衛」から「3層防衛」となることから、防衛省は、これらのシステムが導入されれば、迎撃態勢が強化されるとしています。

さらに防衛省では、革新的な技術の研究も進められています。
そのうちの1つが「高出力レーザー」です。

大きな電力を使って、数百キロワットから数メガワットという高出力のレーザーを発生させ、対象物に当てて破壊する仕組みで、弾切れの心配もなくなるうえ、光の速さで照射されるため、複数のミサイルが発射された場合も対応できるとされています。

さらに、ことしから研究が始まったのが「レールガン」です。
レールガンとは鉄や銅など電気を通す金属製のレールに弾丸をはさみ、火薬の爆発ではなく電気エネルギーを活用して弾丸を発射するもので、実現すれば迎撃ミサイルよりも格段に速く、音速の7倍程度の速さで撃ち出すことができます。

高出力レーザーやレールガンは、アメリカを含め複数の国が技術を獲得しようと研究・開発を続けていますが、日本で弾道ミサイル防衛に活用されるまでには、まだまだ時間が必要で、20年以上はかかると見られています。

ただ、新型の迎撃ミサイルシステムの導入にも課題があります。

1つは、費用の問題です。
日本全域を防護するためには「イージス・アショア」の場合は2基程度必要とされ、1基当たりの価格は800億円程度と見込まれています。

さらに、SM3を改良した新型の迎撃ミサイルは、1発あたりが40億円程度に上るという指摘もあります。
THAADも1基当たりの価格は800億円程度、迎撃ミサイル1発の価格が10億円余りとみられていますが、日本全域を守るには6基程度が必要とされています。

どちらの迎撃システムを導入するにせよ、多額の費用がかかるのは間違いありません。
さらに、実際の運用までにかかる時間も課題です。
どちらの迎撃システムも、配備する場所の選定や自治体との調整に一定の期間がかかるとみられ、その間に、北朝鮮の核・ミサイル開発がどこまで進展するかも見極める必要があります。

防衛省関係者は「新型の迎撃ミサイルシステムを運用できるようになるには、5年くらいかかるだろう。だが、運用が開始されたときに北朝鮮のミサイルの能力が、迎撃能力を上回っていればシステムを導入する意味がない」と指摘します。

さらに導入にあたっては、韓国で配備が進められているTHAADをめぐって、中国が反発していることも踏まえ、近隣諸国との関係も考慮する必要があります。

こうした中、自民党内には、飛んできたミサイルをミサイルで撃ち落とそうとする今の迎撃態勢を、抜本的に変えるべきだという声が上がっています。

その柱の1つになるのが、日本に対する攻撃を防ぐため、他に手段がない場合のやむをえない必要最小限度の措置として、自衛隊が敵の基地を攻撃する能力、「敵基地反撃能力」の保有です。

ことし3月に、自民党が安倍総理大臣に提出した提言に盛り込まれました。
「敵基地反撃能力」、いわゆる敵基地攻撃能力について、政府は「他に手段がないと認められるものに限り、敵の基地を攻撃することは憲法が認める自衛の範囲内だ」としています。

こうした政府の立場を踏まえ、自民党は、保有するための検討を直ちに始めるよう求めたのです。

提言の取りまとめにあたった防衛大臣経験者は「日本を攻撃する明々白々な事実があって、それに対して反撃するという意味で、いちばん撃ち落とせる確実な場所が発射する前のミサイル基地だ。こういう能力を持てば抑止力にもなる」と説明しています。

ただ、敵基地攻撃能力に対しては、民進党や共産党などの野党から、「ミサイル発射に移動式発射台や潜水艦が使われ、兆候がつかみにくくなっている中、敵基地を攻撃する能力を持つのは現実的ではない」といった指摘や、「そもそも、専守防衛の考えを逸脱するものだ」といった批判の声もあがっています。

また敵基地攻撃能力について、安倍総理大臣は先の通常国会で、保有する計画はないとしています。

一方で、安倍総理大臣は同じ答弁で、「わが国を取り巻く安全保障環境がいっそう厳しくなる中、あるべき防衛力の姿について不断の検討を行っていくことは政府として当然の責任だ」と述べました。

政府は、5年間の防衛費の総額などを定めた中期防=中期防衛力整備計画に基づいて防衛力の整備を進めていて、2019年度からの次の中期防は来年末にも決定される見通しで、今後、議論が本格化していきます。

このなかでは、ミサイル防衛政策も大きなテーマの1つになることが予想されます。
北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威が高まる中、平和的な解決に向けた外交努力を続ける一方、国民の安全を守る最善の策をどう整えていくのかという議論は必要です。

ただ、課題で指摘したように、新たな迎撃ミサイルシステムの導入には多額の費用が伴います。
社会保障費が増大し、財源が限られるなか、導入には国民の理解を得ることが不可欠となります。

# by mnnoblog | 2017-07-05 10:38 | 防衛

のほほんと---


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